見出し画像

【マーケ基礎】「在庫処分」か?「アウトレット」か?

小さなお店にとって、不良在庫は頭の痛い問題です。

売れないから、残ったまま。
しかし、新商品を仕入れない訳にはいかない。
少しずつ少しずつ、在庫は増え続けます。

「在庫処分セール」として、
ワゴン陳列で売り捌ければ良い方で、
やはり、残り物イメージが強く、期待できません。

たとえ売れても、不良在庫のままよりはマシ、
という程度で、赤字は覚悟しなければいけません。

何か良い方法は無いでしょうか。

私は相談を受けると、
あれこれご提案した後の最終的な手段として、
「フリーマーケットで売り捌く」
ということを言っています。

私が提案している
『ゲリラマーケティング』のひとつですが、
どうしても売れないものでも、
フリーマーケットなら、売りやすくなるのです。

ただし、いくつかの制約があります。

お店のイメージを損ねかねないので、
遠くで開催されるフリーマーケットで
なければいけないこと。

お店の名前を出さないこと。

この方法なら、
お店の客層とはまったく違うお客さまに出逢えるので、
売れる可能性が高くなるのです。

ワゴンセールの“処分品”イメージも薄れ、
ほんの少しではありますが、
価格を上げることもできます。

また、フリーマーケットの良いところは、
お客さまとのコミュニケーション方法を学べることです。

日常お相手しているお客さまとは、
会話のキッカケが違います。

まず“値切り”から始まりますから。

「ねぇ、まけて!」
「じゃあ、○○円」
「もう、ちょっと」

……と、お店ではあまり体験しない会話が続きます。

それだけ接点が多くなり、
コミュニケーションも深くなるというものです。

その会話の中で、商品の優れた点を話したり、
お客さまがどんな用途で使うのかを聞き出したり、
お客さまのライフスタイルを探ったりすれば、
かなりマーケティングの勉強になります。
会話術の鍛錬にもなります。

在庫品も捌ける上、
勉強もできるフリーマーケットはお奨めです。

とは言うものの、商品がフリーマーケット向きではない、
という場合もあります。

そんな場合の売り方をひとつ、お教えしましょう。

「在庫処分セール」のワゴン販売ではなく、
「アウトレットバーゲン」を開催します。

「うちはアウトレットなんて、扱っていないよ」
という方もおられるかもしれませんが、
実はこの2つは同じなのです。

言葉のイメージからは、
「在庫処分」は残り物、
「アウトレット」はブランド品のセール、
と思いがちです。

しかし、アウトレットの本来の意味は、
ブランド・メーカーの商品の中で、
流行遅れの商品や売れ残った商品、
多少傷のついた商品などを販売する
「在庫処分店」のことを示しています。

つまり、同じことなのです。

言葉の違いだけで、
お客さまの捉え方がまったく違ってくるのです。

よって、「在庫処分」ではなく、
「アウトレット」として販売する方が
有利だということが、おわかりいただけると思います。

価値あるものが安く売られている、
というイメージをお客さまが無意識に持つのです。

在庫に困ったら、「フリーマーケット」あるいは
「アウトレットバーゲン」を試してみてください。

この記事が参加している募集

#マーケティングの仕事

7,017件

よろしければサポートをお願いします!頂いたサポートは、取材活動に使わせていただきます。