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【無駄話】食べ放題のおじやんに釘づけ。

先日、農家レストラン風の食べ放題に行ってきました。

野菜中心で種類も少ないのですが、
「いい仕事してますねぇ〜」と、
中島誠之助が言ってしまうような、
美味しい素朴な料理ばかりでした。

そこで見掛けた一人のおじやんが気になったので、
お話しましょう。

テーブルに座った私の前は、愛する嫁はん。
その後ろに一人でやって来たおじやんがいました。

私の方に向いて座ったので、イヤでも眼に入ります。
と言っても、目に入れても痛くないほど
可愛いというわけではありませんよ。

そのおじやんの動きが気になって、気になって。

テーブルに座っても、まったく動く気配がないんです。

気配がないと言っても、忍者ではありません。

もう、ええ!

じっと、ボーッと座ったままなんです。

何でや? どうしたん?
食べ放題は90分しかないんやから、早く動けよ!
と、人ごとなのにイライラします。

ムシャムシャ。
食べながらも、おじやんが気になります。

もう行ったか?
ええぇ〜何してんの? 時間なくなるで!

ムシャムシャ。
まだか?

おっ、動き始めたか。
おいおい、どこに行くねん。
そっちは飲み物のコーナーやろ。

あぁ〜、先に飲み物を用意するのか。

おじやん、のそ〜〜〜〜。

ええぇぇ、身体でも悪いんか。
何やの、その遅さ。
まだ、60代やろ。知らんけど。

ムシャムシャ。これ、旨いなぁ〜。

帰ってきたか?
ウソッ、何でや、水?
ジュース嫌いなんか?

水をテーブルに置くと、ゆっくりゆっくり、
カバンの中から何かを取り出しました。

何してんの?
おぉ〜そうか。薬か!

そら、失礼したわ。
食前に飲まなあかんやつやな。
早よ、飲み。

さぁ、料理を取りに行こか。早く、早く。

刻々……………。

まだ?
何か気になって、ゆっくり食べてられへんわ。

おじやん、ボーッ。

そら、そうや。人生は長い。
セカセカ動いても、しゃーないわな。

その人のペースっちゅうもんがあります。

けどな、もう10分以上過ぎてるで。

あっ、おかわりしてこよ。

で、戻ってきたけど、
おいおい、おじやん動いてへんがな。
何しに来たんや。

おっ、動くか。動くのか。
動いたがな。よしよし。

それでこそ、私が見込んだおじやんや。
何のこっちゃ!

これでゆっくり食えるがな。
ムシャムシャ、モリモリ。

あっ、帰ってきたな。

ぎょぎょぎょっ!
おじやん、それ、生野菜ばっかりやん。

唐揚げもあったやろ。
魚の揚げたんもあるで。
ちらし寿司は?
炒飯は?

嘘やん、それはないわ。
そんなん、女子やわ。
まいったなぁ〜。

まぁ、おじやんの好みやから、
ごちゃごちゃ言うてもしゃーないわな。
次に期待してるで。

私、ムシャムシャ。おじやん、モソモソ。

おぉ、おかわり行くんか?
今度は唐揚げやな。

えぇ〜何でや!
さっきと一緒ちゃうん。

まさかの菜食主義?
そんなタイプちゃうで。
見ためは野菜嫌いやで。

もしかして、ダイエット?
先に野菜を食べてから、唐揚げを楽しむんか。

それなら、わかるわ。
ほな、次な。

また、行ったな。
今度こそやな。

嘘やろ。ちょっとだけ玉子とか煮物も入ってるけど、
他はまた野菜やんか。

そんなんで、ええの。
中高年男子やで。
まだまだ油物やろ。

頼むわ。唐揚げ食べてや。
次こそ、やで。

あっ、しもた!
私らの時間切れやん。

うわぁ〜、おじやん観てられへんやん。
どうすんの、これ。
結末、知りたいやん。

もう、早く食べへんからやん。

………放っといたれ!

ハァ〜〜〜〜イ!

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