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「自由」を選ぶか? 「温もり」を選ぶか?

私は中年、妻子持ち。これまでの人生を振り返れば、楽しいこと、嬉しいことがたくさんあった。だが、悲しいこと、辛いこともたくさんあった。その大半は、結婚後に経験したことである。

正直なところ、結婚には良い面と悪い面がある。夫婦になったことで、楽しさは2倍になり、子どもができたことで、3倍、4倍となる。だが、困った問題が起きる可能性も3倍、4倍となってしまう。「もし独身なら、こんな辛い思いをしなくていいのに」ということもある。

逆に楽しい時は、隣に一緒に笑える家族がいるので、楽しさも大きくなる。また、常に家族の「温もり」を感じていられることは、精神的に心強い。

結婚した方が良いのか、しない方が良いのかは、簡単に言えることではない。だが、結婚しなければ、良い面も悪い面も知ることができないので、「私は独身の方が良い」という判断・決断は、正しいとは言い切れない。

「結婚すると、……でしょ!」と言ったところで、それは想像でしかない。結婚してみなければわからないことである。

私は、一度は結婚することを奨める。経験した上で失敗すれば、離婚で元に戻ることができる。昔と違って、バツ1・バツ2を恥じることもない。

「独身の方が自由だ」という、独身者の主張はよくわかる。確かにそうである。家族がいれば、縛られて、身動きが取れなくなることもある。「自由」を犠牲にしなければならないのが、結婚である。

だが、その犠牲の代わりに別のものを得ることができる。「温もり」である。

独身で「自由」を謳歌しているうちは、あまり気づかないが、歳を重ねるにつれて、“淋しさ”を感じるようになる。

同級生や同年代の人間が、家族の話ばかりしていると、羨ましく思えたりするものだ。逆に、所帯染みた話が嫌になり、仲間と疎遠になってしまうこともあり、結局、友だちさえいなくなる。

そして、淋しさは一層強まり、結婚を意識してしまう。結婚できないまでも、パートナーを求めるのである。女性より男性の方がその傾向は強いようだが、中高年になると、いまから相手を探すことは難しくなる。

さらに歳を取ると、ひとりで生きることに「不安」を抱くようになる。病気になったら…、介護が必要になったら…と、自分勝手な理由で相手を求めてしまう。新聞の見出しに、「孤独な老人が自宅で…」の文字を見つけて、不安はさらに高まる。

このように、いろんな側面から考えると、ある程度の年齢で結婚した方が良いのではないかと思える。中高年になる前に、気づくべきである。中高年でも遅くはないので、家族づくりを考えてはどうだろう。

便利な時代になったので、ひとりでも生きてはいける。だが、人は、精神的にひとりでは生きられないのではないか。

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