中津村開拓日誌・第10号-2(2003年2月発行)

1月1日。私は朝6時過ぎに目覚めました。

きのうの夜は遅かったし、もう少し寝ようかなあ、
とも思ったのですが、突然“初日の出を見に行くのだ”
と神の啓示があったのです。

私は宗教を信じません。私が神なのだから。
何を言うとんのじゃ。

二人を起こし、出かけることに。

家から見える「犬ヶ丈」と言う山に登ってみることにしました。
車ですが。

確か車で登れるということを聞いたことがあります。
村の地図を見たのですが、古い地図なので、
新しくできた道が載っておらず、わかりずらい。

とりあえず行ってみることに。
私の勘を頼りに行ってみると、あれ~、おかしいぞ~、
この道だと家に戻ってしまうぞ~。一からやり直しです。

途中、山の中で、車の前を横切る灰色の動物が。
イタチかと思ったら、なんとリスだったのです。

こんなにデカいものか。田舎に来て6年。
リスを初めて見たのでした。
山の中に住んでいるのに、家のまわりでは見たことが無かったのです。
ちょっと感動。道を間違えて良かった。負け惜しみです。

今度は、最初に嫁はんが「ここ左とちゃうの」と言っていた方へ。

すぐに怪しい道がありました。
舗装はされていないけれど、軽四なら楽に通ることができる道です。
ものすごく凸凹なところがあり、ほんとにこの道かと思うほどです。
でも、正解でした。けっ!

頂上に着く前に太陽は出て来ましたが、
車の中から日の出を見ることはできました。

頂上に着いてからも、美しい山並みの間にある日の出を
目の高さより低い位置で見ることができました。

こんなに美しい日の出を見ることができるのに、
人の姿がありません。
もったいないなぁ。田舎とはそういうものかもしれませんが。

家に帰って外を見ると、まだ太陽は出ていません。
私たちは、二度、初日の出を見たのでした。

私は根性がねじれていますので、
“太陽なんか毎日出とるやんけ、何がおもろいねん”
と言っていましたから、見に行ったことが無かったのです。

翔馬が以前から見に行きたいと言っていたので、
うかつにも親心を出してしまったのです。

初日の出も結構いいじゃん、と横浜弁で思いました。

しかし、翔馬はじじくさいやつだ。
でも私は、心の奥底で“太陽は毎日出ている”と思っているのでした。

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