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楽食探訪&エッセイ

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#グルメ

【楽食探訪】人生61年。初の「あんまん」は、やっぱり……だった。

私は、生誕より61年間、 「あんまん」を食べたことがなかった。 嫌いだからという理由ではなく、 まったく意識しない存在だったからだ。 元々はあんこ嫌いなので、 まん系では豚まんオンリーユー。 一度か二度は、カレーまんや海鮮まんというものを 食べたことはあるけど、それもほんの気まぐれ。 ちょっとした好奇心だった。 食べたいと思うのは、いつも豚まんだけ。 実は、あんまんを食べたことがない、 と気づいたのは最近のことだ。 それほど、脳の中にも存在しないものだった。

楽食探訪:ぬれ煎餅で、銚子電鉄は救える??

ご近所さんから、「ぬれ煎餅」をいただいた。 以前ブームになった、銚子電鉄のそれだ。 「銚子電鉄 ぬれ煎餅 赤い濃口味」。 これが正式名称。 おぉ〜、これは珍しいものを。 どんなものかは気になっていたけど、 足を運ぶほどの鉄ちゃんではないし、 ネットで購入するほど、強い感情もなかった。 地方の赤字ローカル線が、 再起を掛けて売り出したものなので、 買ってあげた方が良いのか、という思いもあるけど、 廃線危機路線は他にもたくさんある。 地元にもあるので、応援するならそっち

楽食探訪:高級デニッシュ食パンを100円で食す!

ディスカウントストアで カートを押しながら歩いていると、 この場合、カートを押しているのは話とは関係ないけど、 歳を取ると、重たいカゴを持ち歩くのが辛くなるので、 カートを使っていることを一応伝えておくことにして、 話を続けると、レジ近くでイベント的に 「高級デニッシュ食パン」が売られていた。 「R.nine京都」というお店の商品だ。 聞いたことはない。 でも、田舎でこうしたハイカラなものを 売っていることはまずないので、興味がそそられた。 けど、値段を見て、速攻諦めた

楽食探訪:禁断の高級レトルトカレーに手を出してみた!

スーパー庶民には買えない、 高級レトルトカレーを買ってみた。 これまで、スーパーの棚に並ぶ、 高級レトルトカレーを眺めては、 一度は食べてみたいなぁ〜と思っていた。 でも、すごく高い。 だから、絶対に手を出さないと決めていた。 普段買っているのは、 値段の割には美味しいじゃないかという、 1つ80円ほどのもの。 とても安いけど、これが美味しい。 200円以下のものは、あれこれ試してきたけれど、 ハウス食品の「カレーマルシェ」以外は美味しくない、 あるいは、値段ほど

楽食探訪:お菓子のホームラン王は、時を経て、7番打者になっていた。

「ナボナはお菓子のホームラン王です」。 このテレビコマーシャルを見たのは、 「懐かしの〜」というタイトルがつく番組だったと思う。 私の年齢からすると、 リアルタイムで見ているのかもしれないけど、 私は兵庫生まれ兵庫育ちなので、 関西では流れていなかった可能性の方が高い。 だって、記憶にないから。 「ナボナ」は、東京自由が丘で誕生した 「亀屋万年堂」というお店が、 1963年に売り出した和菓子のような洋菓子だ。 厳密には違うらしいが、 「ブッセ」と似ていると言われる。

楽食探訪:印象と真逆の豚かつ屋さん。

どう見ても品の無い子ども連れ家族が、 ガチャガチャしながら食事をする光景。 そんな映像のコマーシャルがテレビから 流れてくる、豚かつ屋さん。 地元で長く営業していることは知っているけど、 このコマーシャルを見て、 行ってみたいと思ったことはなかった。 家族連れが利用する、やかましいファミレスの姿しか、 浮かんでこない。 なので、興味もなかった。 でも、頭の隅の方では、何かがずっと引っ掛かっていた。 その小さな思いは、 月日とともに少しずつ大きくなっていった。 そ

楽食探訪:ブランドさつま芋って、どんな味?

女性が好きなものとして紹介される、さつま芋。 男の私には、不思議なことでしかない。 冬になり、落ち葉を集めて、焼き芋を作ることは、 数年に一度ある。 その時は、確かに美味しいと感じる。 それは、焚き火をする楽しさに、食欲が重なるから、 なおさら美味しく感じるのだろう。 日常的に食べたいと思うことはまったくない、 と言っても良い食材だ。 天ぷらにすれば食べるけど、無くてもいい。 スイートポテトは好きな方だけど、 絶滅したところで悲しくはない。 大学芋は、まわりの

楽食探訪:大分グルメなのに「りゅうきゅう」、を初体験。

大分県のご当地グルメ「りゅうきゅう」。 刺身のように切った生の魚を しょうゆベースのタレに漬け込んだもの。 そのまま酒の肴として、 またはご飯にのせて丼にして食べるようだ。 テレビで見た時に、ほんの少しだけ興味を持った。 ぜひ食べたいとまでは思わず、 どんなものだろうという好奇心。 その名前の響きが特に気になった。 「沖縄」を表す言葉だろうか、それとも別の意味が。 大分の漁師が沖縄(りゅうきゅう)の漁師に 作り方を教わったことから名づけられたという説。 漁師の

楽食探訪:昭和30年代を思わせる、じゃがいもだんご。

北海道枝幸町歌登地区の名物らしい。 「うたのぼりだんご 」。 じゃがいもにデンプンと塩を練り込んだものの中に、 あんこやチーズなどの具材を入れたもの。 じゃがいもの代わりに、かぼちゃを使ったものもある。 今回食べたのは、じゃがいものチーズ入り。 冷凍のままフライパンで焼いて食べる。 白く丸いだんごは、平たくなっている。 ひと口食べる。 だんごだ。 中にはチーズが入っている。 以上! と言いたくなるほど、特に語るべき味わいがない。 これが名物? お土産?

楽食探訪:世間の「美味しい!」は、私の「マズい!」?

10数年ぶり、あるいは20年経っているかもしれない。 ハンバーグの「びっくりドンキー」で食事をした。 テレビで特集をしていることもあり、 美味しそうというイメージは持っていた。 行ったことはあるけど、味の記憶はない。 わざわざ行ったわけではない。 昼時に家に帰ることができないので、仕方なく利用した。 「サイゼリア」とどちらにするかで迷ったけれど、 テレビで観た内容が頭に残っていた。 「味噌汁」が旨い。 利用者の声だ。 昔利用した時には、 味噌汁を飲んでいない

楽食探訪:珍味「からすみ」に挑む。

数十年前から、食べてみたいと思っていたものがある。 何が何でも、というほどではなく、 なんとなくだけれど。 それは、いわゆる珍味と呼ばれるもの。 「からすみ」。 ボラなどの卵巣を塩漬けした後、塩を抜き、 天日干しで乾燥させたもの。 酒呑みにはこたえられないものらしいけど、 それほど酒好きでもない私は、出逢う機会がなかった。 味の想像もできないほど、私の人生とは無縁のものだ。 名前の由来は、形状が中国伝来の墨 「唐墨」に似ていたためだと言う。 ボラだけではなく、

楽食探訪:ある駅弁への熱き想いが……。

昭和50年に誕生したその駅弁は、 八角形の経木の折に入り、 料亭の折詰のような佇まいをしていた。 大阪・新大阪の駅で売られている、 水了軒の「八角弁当」。 私が長年想い続けている駅弁だ。 最初に食べたのは、中学生の頃だと思う。 旅行の折に、と言いたいところだけど、 それほど裕福な家ではなかった。 親父が大阪に出た時に、何の気まぐれなのか、 お土産に買って帰ってくれた。 駅弁を食べた記憶が残っていない私にとって、 それは跳び上がって喜ぶほどの感動だった。 弁当はお

楽食探訪:華もなく、存在感も薄い「回鍋肉」。だけど……。

「餃子の王将」に、夫婦で行った。 注文するものは、いつもだいたい決まっている。 それが食べたいがために行くのだから。 炒飯、五目そば、餃子、鶏の唐揚。 夫婦がともに気に入っているものだ。 時に、一品が酢豚になったり、焼そばになったり、 焼豚やチャンポンになることも。 でも、たまには違うものを食べてみなくちゃ、 と冒険することもある。 そこで今回は、オーダーをすべて変えてみた。 30年以上前に食べた記憶だけが残っている「天津飯」。 割と新しいメニューである「極王

楽食探訪:地元で愛される手打ちうどん店の不思議。

そのお店の存在は知っていた。 手打ちうどんの専門店だけど、 興味を持ったことはなかった。 でも、たまたま地域の人気店をネットで探していると、 そのお店が出てきたのだ。 口コミを見ると、うどんが旨いという評価とともに、 「バラテキ定食」が旨いという感想が並んでいた。 初めて聞く料理だけど、はてさて何だろう? うどんが旨いだけでは、さほど興味は持たないけど、 この「バラテキ」という響きに心が惹かれてしまった。 どうやら、豚のバラ肉を 自家製のタレを絡めて焼いたものらし