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チャプター 【完結】

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2021年6月の記事一覧

chapter13

 左の胸に締め付けられるような痛みがあり、心の居場所を見つけたような気がした。  「ボク…

井川文文
3年前
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Chapter12

 なぜか広告代理店に就職できた。  一見華やかなイメージがあるが、実態はそんなことはなく…

井川文文
3年前
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Chapter11

 妹・サクラの一番最初の彼氏。それが佐川オサムだった。  すでに携帯電話が普及していたに…

井川文文
3年前
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Chapter10

 付き合う前の印象を聞かれたから「どちからといえば苦手だったかも」と答えただけなのに、彼…

井川文文
3年前
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Chapter7.5

 「最後にエッチを持ってきちゃダメなんだって! 女は肉体関係を持ってからが始まりなんだよ…

井川文文
3年前
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Chapter9

 8歳下の彼女ができたら、自分の弱みを見せることが出来るか分からない。  対等な関係でいた…

井川文文
3年前
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Chapter8

 彼からは何度か別れ話を持ちかけられたことがある。  理由も思い出せないようなケンカを2週間ほど引きずり、連絡頻度が減り、LINE内容もそっけなくなったとき、彼から「ボクたち別れた方がいいのかも」と切り出されたのだ。  あまりの唐突さに怒りが湧き上がったが、ここで別れるという選択をすることの方がくだらないと思い、私が謝り歩み寄る姿勢を見せ、ことなきを得た。  彼の様子を観察していて分かったことがある。   小さなケンカも、大きなケンカでも、問題が解決しようがしまいが、彼は一

Chapter6.5

 高校時代を思い出す。  友達は「清純が一番だ」と言っていた。  何も知らないウブな女の子…

井川文文
3年前
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Chapter7

 私は徐々に男を好きになる。  もちろん一目惚れをしないということではない。  しかし、そ…

井川文文
3年前

Chapter6

 年上の女性に惹かれることが多かった。  それは、性の初体験が年上の先輩だったことが原因…

井川文文
3年前
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Chapter5

 「ごめん、別れたい」  イタリアンレストランでの夕食後、公園のベンチに座ってコンビニで…

井川文文
3年前
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Chapter4

 「人を心の底から信用してはならない」  トイレに入るたびに胸ぐらを掴まれたような気分に…

井川文文
3年前
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Chapter3

「ごめん、会社にバレた」  オサムはいつも無機質なLINEを送ってくる。  「!」とか「(笑)…

井川文文
3年前
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Chapter2

 4年の間に色々なことが起きた。  一番大きな変化はやはりボクの転職だろう。  昔から社内恋愛は禁止されていた。いや、厳密には禁止というルールはないのだが、社内恋愛がバレるとカップルのどちらかが自主的に会社を離れていくという風習があった。  上司に呼び出され、人事部との話し合いが始まる。  「佐川、お前、藤野ハルと付き合っているのか?」  広すぎる会議室に男二人という妙な状況に反して、上司は飲み屋で恋愛相談に乗るかのような軽い口ぶりで聞いてきた。  鼻頭に脂が光り、目は真剣だ