一番最初の記憶

俺の一番最初の記憶は、夜行列車の中で寝てしまった母の頬をペチペチと叩いている記憶。
後に母に聞いたら母が離婚をして秋田の親戚を頼るために夜行列車に乗って向かっているときではないかという事だった。
だからという話だけれど、2歳だった頃のが鮮明に覚えている記憶。
今でも心が寒くなる記憶。
思い出すと母がこのまま起きないのではないかという不安と、悲しさ。
2歳の僕はきっと起こしたいことくらいしか考えずに頬を叩くだけだけど、後付の感情がこの寒さをつけているのではないか。
人は自分勝手に過去を変えてしまうのかな。

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