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【誰も見ていないからこそ大切】お化粧室での気配り

私の好きな作家・川端康成氏の小説に「化粧」という話があります。斎場の化粧室を題材にしたもので、これを読んだ二十歳の時には、全く意味が分かりませんでした。

「葬式場の厠(かわや)で化粧をする喪服の女(中略)彼女等は皆落ち着きはらっている。誰にも見られていないと信じながら、しかも隠れて悪いことをしているという罪の思いを体に現わしている。

私はそういう奇怪な化粧を見たいとは思わない。(中略)彼女だけは、隠れて化粧に来たのではあるまい。隠れて泣きに来たのにちがいない。

その窓が私に植えつけた女への悪意が、彼女によってきれいに拭い取られてゆくのを感じていると、その時、全く思いがけなく、彼女は小さい鏡を持ち出し、鏡ににいっと一つ笑うと、ひらりと厠を出て行ってしまった。
私は水を浴びたような驚きで、危うく叫び出すところだった。私には謎の笑いである」
『掌の小説』川端康成(新潮文庫)

以前、ある静かなレストランで、かわいい雰囲気の女性たちと、サラリーマン風の男性陣の合コン風景に出くわしました。テーブルが近いということもあり、ついつい見てしまいました。その女性たちの愛想笑い、作り笑いが、私はどうも気になったのです。

私が化粧室へ行くと、その合コンの女性たちが入ってきて、いっせいに大きな声で、「あの男さ~」なんて悪口を言いながら、化粧をしたり、髪をとかしたりし始めたのです。そして、洗面所に落ちた抜け毛や、化粧の粉を片付けることもなく、さっさと席へ戻っていきました…。

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お化粧室は本性が現れる

お化粧室は、誰にも見られていない分、その人の本性が現れます。それを川端氏は言っているのでしょう。一八〇度態度が変わることについては、人それぞれの価値観の違いなので、ここでは言及しません。

しかし、自分が使った洗面所に飛び散った水や、落ちている髪の毛、化粧の粉などをそのままにするようでは、本物の美とは程遠いですね。

洗面所は、次に使う人への配慮が大切です。自分が使った後の汚れは、キレイに拭き取ってから、その場を後にすることも、美への一歩だと思います。

これは、外だからして欲しいということではありません。自分の家でも、いつも心がけることが大切です。普段やっていないことは、外ではできないものですから。常に意識をしてくださいね。

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丁寧な配慮が美しい生活を生む

そんな細かいことができるようになると、自然といろいろなことに目が行くようになるのです。

例えば、机の上のホコリが気になって、拭き掃除をまめにするようになったり、飾ってある観葉植物や花が少しでも元気がなくなったら、その変化に気が付いて手入れをしたり。

また、友人や仕事関係者の服に糸くずがついていたら、すかさず取ってあげたり、襟が曲がっていたら直してあげたり。

このような心遣いは、相手にとっても嬉しいし、きっと誰かが見ているものです。もう目の前にあるゴミは、見逃せなくなります。それによって、あなたの部屋がだんだんとキレイになるし、あなた自身も美人になるのです。


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