ウィズコロナの初もうで。密をさける【新しいマナー】ご利益は? 幸先詣?
人材教育家でマナー講師の井垣利英です。2020年、ウィズコロナで初めて年末年始を迎えます。年末年始の過ごし方、お正月や『初もうで』などの年中行事が色々あります。新しい日常でコロナ対策はどうすれば良いのか?
今回は、年中行事の中でも、人出が集中する『初詣』について【新しいマナー】を紹介します。ウィズコロナの中、密をさけつつ、新年の年中行事である重要な『初詣』は、いつ行ったら良いのか? どこの寺社へ行ったら良いのか? 悩みますよね~。
コロナへの考え方は、十人十色です。あなたの考え方に合わせて、選べるように提案をします。これから『初詣』の予定を決めるとき、参考にして頂けたら嬉しいです。
◆時期をずらしても、ご利益(りやく)は変わらない
ご縁を頂いている複数の神社の宮司さん(その神社の長、最高の神官)に伺ったところ「神様のご加護は、いつ参拝されても変わらない」そうです。簡単に言うと、神様は心が広いので(笑)、お正月に行こうが、平日に行こうが、時期をずらしても、ご利益は変わらないのです。
これでちょっと安心でしょ?! あとは参拝する自分の気持ち次第でしょう。
◆神社仏閣のコロナ対策は万全で、安心できる
2020年のコロナ禍で、神社やお寺も、コロナ対策をしっかりされています。手や口を清める手水舎(てみずや)が変わっていたり、ご祈祷(きとう)の仕方も人数制限があったり、鈴がある神社は鈴緒(すずお)をはずすなど・・・神社仏閣も新しい日常【新しいマナー】が始まっています。
☆以前、記事『神社参拝のビフォー&アフター』に詳しく書きましたので、参照してください。
では、密をさけるために、初詣はいつ行ったら良いのでしょうか? これも、あなたのコロナへの考えに合わせて、参考にしてみてください。
1.『松の内』の間に初もうでに行く
そもそも『初詣』とは、除夜の鐘が鳴り終わってから、年が明けて初めて神様へごあいさつと、昨年の無事に感謝をし、新年も元気に幸せに過ごせるように願うもの。松の内(1月1日から7日)のあいだに、神社やお寺にお参りすることです。
だから、1月1日や三が日に初詣に行くことにこだわる必要はありません。
◆お正月は『年神様』をお迎えする行事
お正月とは、もともとは年神様を自分の家にお迎えして、昨年の無事を感謝し、「新しい年に豊かな実りがありますように、平和で幸せな年でありますように」と祈る行事です。
※年神様(としがみさま)=作物の実りをつかさどる農耕の神様。すごく大きい存在であり、しかも身近な方でもあるのです。
大昔は、食べるものは田んぼが頼り。あとは山になる果物とか木の実を食べるしかないのです。作物がとれなかったら飢えるしかありません。死ぬか生きるか、そういう世界です。
だから昔の人たちは、年の暮れから心を込めて準備をし、一年の最初に年神様に自分の家にきて、守って欲しいと切実に願いました。
◆年神様がいらっしゃる期間=『松の内』に初もうでへ
お正月の主な飾りつけは、門松、しめ縄、鏡もちです。年神様に関連するこれらのお正月飾りは、1月7日までの『松の内』のあいだは飾っておき、年神様がお帰りになる1月7日に片づけます。地方によっては15日のところも。
この年神様がおられる『松の内』を、大きなくくりでお正月の期間と考えられます。だから、この『松の内』1月1日から7日の間に、初詣に行けばOKだと思います。
2.節分の翌日『立春正月』までずらして初もうでに行く
『松の内』でも密が気になる人は、2月4日『立春』までに初詣をするのはいかがでしょうか? これこそ『ずらし初詣』のススメです。
昔の暦(こよみ)では立春は、新しい年の始まり。つまり、お正月だったのです。『立春正月』とも言います。
立春(2月4日)の前日、2月3日『節分』は、つまり大みそか。
「え~っ、1月にお正月を迎えたばかりなのに?」と思うかも知れませんが、昔の暦と明治時代のはじめに採用された新しい太陽暦のカレンダーにはズレがあります。
旧暦では立春のころ、つまり2月4日のころがお正月でした。
ソーシャルディスタンスが気になる人は、『ずらし初詣』の【新しいマナー】として、本来のお正月『2月4日』をめどに初詣に行くという考えも、ありだと思います。
◆「鬼は外~、福は内~」で疫病退散をプラスする
節分の豆まきは、悪い鬼を追いはらって福を招き入れ、すがすがしい気持ちで立春正月を迎えるためのもの。
「鬼は外~、福は内~」と豆をまく節分の行事は、昔の人たちにとっては、冬の「陰」を追い出して「陽」に変えて春を招く大事な行事でした。
2月3日に豆まきをして、鬼(=今ならコロナ)を追い出して、4日に新たな気持ちで本来の新年を迎えるのも気持ちが良いですよ。
3.伊勢神宮など有名神社の三が日の初もうでは?
私は名古屋出身で、お隣の三重県にある伊勢神宮へ、生まれる前から参拝しています。父が学習塾の経営者でしたので、社員の先生たちも一緒に初詣に行っていました。上の写真は私の幼少期、毎年1月2日に行っていた伊勢神宮の初詣。当時から、こんな混雑しています。
ご存じの通り伊勢神宮は日本国の守り神で、一年中、全国各地から参拝客が大勢訪れます。いつも車で行っていますが、朝7時台に到着しても、初詣は駐車場も大渋滞です。
上の写真は、数年前の初詣の伊勢神宮内宮の鳥居からのご来光。例年、このように、ご来光が拝めるので、日の出を待つ人も多くごった返します。
今年2020年6月、県をまたぐ移動が解禁されてすぐに、伊勢神宮へ行きました。参拝客がかなり少なかったです。今は『Go To キャンペーン』が始まり、客足が戻ってきていると思います。2021年の三が日は、どうなのかな?
伊勢神宮、明治神宮など、毎年テレビで初詣の混雑がニュースになるような有名な神社に行くのは・・・密が気になるという人は、地元の寺社へ『ずらし初詣』に行ったほうが良いかも知れません。
4.歩いて行ける氏神様に初もうでに行く
実は、元日に神社仏閣に初詣に行くのが年中行事になったのは、明治時代以降のことで、まだ歴史が浅いのです。しかも当初は、歩いて行ける範囲の神社やお寺に、初詣の参拝に行っていました。
徐々に公共交通機関や車、道路の整備などにより、遠方に初詣に行く習慣が根付き、今のように知名度の高い神社仏閣へ行くようになったのです。
住んでいる場所から離れた有名な寺社へ行くのも良いのですが、普段私たちを守ってくださっている、住んでいる土地の守り神=氏神様(うじがみさま)へのお参りは大切だと思います。
上の写真は、私の会社がある渋谷区恵比寿の『恵比寿神社』への初詣です。毎年、仕事始めの日に、スタッフと『松の内』で初詣に行っています。
近所の寺社への初詣は、有名神社に比べたら例年の三が日でも、案外、混んでいないですよ。上の写真は、名古屋の『白龍神社』の1月1日の初詣です。何年も参拝していますが、密になったことがありません。
5.行かなくても初もうでのご祈祷ができる『エア初詣』
これは神社仏閣によりますが、ご祈祷をしたことがある神社から、新春や夏越しの祓(なごしのはらい)など、時期によってご祈祷の案内が郵送で届きます。上の写真は、2020年6月『夏越しの祓』で、熊野本宮大社から届いた『祈コロナ終息』ご祈祷の案内がありました。
新年のご祈祷の案内は、12月頭には届きます。案内の通りにすれば、神社へ行かなくても、新年のご祈祷をして頂けます。
◆エア初もうでで、後日、特別なお札が届く
熊野本宮大社の場合、過去に参拝したことがない人も、郵送で「名前、住所、電話番号、願い事を書いた用紙、ご祈祷料(5000円~)、郵送料(1000円)」を同封して、現金書留で送ると受け付けてもらえます。
新年にお参りに行かなくても、『エア初詣』でご祈祷をして頂けて、後日、お札が送られてきます。写真の左が普段のお札で、右が『新年特別祈祷』のお札です。
このサービスは、神社やお寺によって違いますので、よく行っている寺社や、気になっている寺社にお問い合わせくださいね。
6.地方によっては『幸先詣(さいさきもうで)』を実施
「福岡県神社庁は、加盟するおよそ3300社のうち多くの参拝客が見込まれる神社に対してはお守りなどの縁起物の取り扱いを例年より一月早く12月1日に始め、2月まで続ける『幸先詣』の実施を呼びかけます。
初詣の時期を分散させて混雑を緩和させるためで、太宰府天満宮や宗像大社、櫛田神社などが実施を検討しています。」※福岡県神社庁「初詣は時期と行先の分散を」より抜粋
◆日にちや寺社をずらす『ずらし初詣』のススメ
今回ご紹介した通り、元日(1月1日)や三が日だけをお正月ととらえず、『松の内』や『立春正月』までをお正月期間ととらえて『ずらし初詣』に行こう! と考えてみたらいかがでしょうか?
今まで初詣で遠出をしていた人も、今回は原点に立ち返って歩いて行ける寺社に行ってみると、新しい行動によって、新しい発見があるかも知れませんよ。新しい日常、新しい行動。ワクワク楽しみましょう♪
☆今回の記事は『開運#年中行事はじめました』井垣利英(致知出版社)から色々と抜粋しました。
※年中行事には諸説があります。いわれやしきたりは、地域によって異なる場合があります。
★井垣利英Instagram★年中行事についてアップしています。ライブ配信も不定期で配信中です。
ちょこっとマナー&プラス思考を伝えて、日本中を、明るい笑顔でいっぱいにしたい! 夢と自信をもって、多くの人たちがキラキラ輝いて生きられるように☆ 心が明るく、軽くなる記事、動画をアップし続けます。これからも、 一緒にワクワク笑顔を増やしましょう。ご縁に感謝。