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完全趣味的音楽レビュー

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#ライブ評

【7/25】かがやけみらい――Dannie May自主企画『Welcone Home!』ゲスト小林私、感想【@渋谷O-nest】

【7/25】かがやけみらい――Dannie May自主企画『Welcone Home!』ゲスト小林私、感想【@渋谷O-nest】

インディーズミュージシャンを応援していると、必ずと言っていい程ファンの多くが「売れてほしい、でも売れてほしくない」というような葛藤に駆られている場面に遭遇する。いわゆる「安易な売れ線になってほしくない、でも彼等の音楽は広く認められてほしい」というような批評的な目線もあるかと思うし、「まだ知られてほしくない(=遠い存在になってほしくない)、でも彼等の生活は保障されてほしい」というようなある種何様感あ

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【5/13】たとえ何処にも行けなくても――TempalayのZepp Hanedaワンマンライブに連れて行ってもらったら凄まじかった話

【5/13】たとえ何処にも行けなくても――TempalayのZepp Hanedaワンマンライブに連れて行ってもらったら凄まじかった話

霧雨に靄った何もない道を友人と連れ立って歩いていくと、巨大な鉄の塊のような建物が靄の向こうに見えてくる。人影が見えなさ過ぎて怖い程だった視界の端に、人間の気配をうっすらと感じるようになった。小さなエレベータに乗り込んで上へ。煩わしい傘は早々に閉じ、吸い込まれるようにして喧騒の中に身を投じた。

アニメショップらしき店にカフェなど、きっと普段はお客で賑わい、人気が絶えないのであろう店々が軒を連ねる空

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【4/18】ディストピアの灯台守――ビレッジマンズストア、下北沢シャングリラ凱旋

【4/18】ディストピアの灯台守――ビレッジマンズストア、下北沢シャングリラ凱旋

ビレッジマンズストアが東京にやってくる。今年4月、その事実が一体どれ程のひとにとって希望の狼煙のように見えたことだろう。
長く暗い産道のような階段を上った先に出たフロアの壁は、月並みな言い方かもしれないが、まるで彼等を待ち構えていたかのように真っ赤なペンキで彩られていた。

16時30分、開場。筆者はこの日、同じく彼等との邂逅を待ち焦がれていた友人と共に下北沢シャングリラへ赴いた。地下へと続くライ

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【3/18】Dannie May初自主企画『Welcone Home!』感想――この光さえ見えていればどこに行ったって帰れると思った【@渋谷o-nest】

【3/18】Dannie May初自主企画『Welcone Home!』感想――この光さえ見えていればどこに行ったって帰れると思った【@渋谷o-nest】

「ライブハウスでしか呼吸が出来ない、ここが俺のホーム」なんて言う人種のひと達からしてみたら甘ちゃんなのかもしれないが、筆者にとっては何処までも、ライブハウスは非日常だ。非日常だからこそ、時々、定期的に帰りたい場所でもある。

この日筆者が約1年ぶりに帰ったのは初めて行ったライブハウスで、1年前では考えられない程の大観衆を前に威風堂々振る舞う3人の前だった。

螺旋の外階段をおっかなびっくり降りた場

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【2/28】幻想の隣人――小林私、初めてのバンドセットワンマンライブがめちゃめちゃ楽しかった話【@渋谷クラブクアトロ】

【2/28】幻想の隣人――小林私、初めてのバンドセットワンマンライブがめちゃめちゃ楽しかった話【@渋谷クラブクアトロ】

よく晴れた2月の終わり、筆者は約1年ぶりにライブハウスに赴いた。同行の友人と共に見慣れた渋谷クラブクアトロの煉瓦調の壁を横目に、あの薄暗く踏み外しそうな階段を上る。人数を間引くためか椅子の敷き詰められたフロアには、それでも尚このご時世ではちょっと心配になってしまいそうな程に観客が肩を並べていた。デビュー1年目の歌手の二度目のワンマンライブにしては、上出来過ぎる程の賑わいだろう。

SEには、筆者を

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