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『メッセージ』知らないは怖い、それを解決するのは vol.531

好きな系統のSF映画『メッセージ』。

なんかの予告動画かなんかで見て、面白そうと思ってはいましたが、いつものパターン。

見るにまでは至りませんでした。

たまたま都心に出かける用事があって、その間の暇つぶし用に映画を探していたら、目に止まったのでダウンロードしました。

まぁ実際には、その日までの間に見終わってしまったのですが💦。

ある日、突如として地球上に降り立った巨大な球体型宇宙船。言語学者のルイーズは、謎の知的生命体との意思疎通をはかる役目を担うこととなり、“彼ら”が人類に何を伝えようとしているのかを探っていくのだが……。

https://eiga.com/movie/85583/

この映画を見ての感想を書いていきます。

言語もやはり具体と抽象

ある日突然現れたUFOと宇宙人。

しかし、人類はその相手に対して何かを伝える術がありません。

その中で地球人の言語を教えようと奮闘する言語学者と物理学者。

政府の人間は、そのままの言葉で相手に投げかけるしかできない中、言語学者は1から言語を教える手段を取ります。

最近、具体と抽象についての本を読んだ関係で、物事をその視点で捉えられるようになりました。

言語を伝えるという部分でも、大きくこの具体と抽象の観点が役に立ち、まさに人類の叡智だな感じました。

「地球に来た目的は何か?」

という質問をするために、まず一人称を伝えます。

自分と自分以外、あなたとあなた以外、これが別物であること。

実際にUFOにやってきた宇宙人は2匹。

質問をするとしても、あなた個人について答えてほしいのか、あなたたちに答えてほしいのかで意味合いが変わってきます。

言葉はそれらを抽象的に全部を包括してしまっていますが、この概念形成から伝えていく。

そんな言語を具体と抽象の観点から見ていく姿が実に興味深く感じました。

伝えるために

自分と自分達が別物であることを証明、理解してもらうために言語学者の彼女は自分の防護服を脱ぎます。

得体も知れない空間の中で、このような行為に及ぶのは非常に危険であることは重々理解しているにも関わらずです。

自分自身が相手へと誠心誠意を持って伝えるためには、自分自身もどこかでリスクを負わなければならない。

相手に求めるだけでなく、自ら近づこうとうする。

そんな覚悟が垣間見られた瞬間でした。

そこまでして彼女を動かすものはなんなのか。

一体、どうして彼女はそんな選択をできたのか。

自分の命を捨てる覚悟をしてまで、それをできた理由、いまも正解は浮かんできません。

辛い未来を分かってもその道を選べるのか

どこでどう時間がつながっているのか、それはこの宇宙人の知能を理解しなければわかりません。

それでも彼女は未来を予見する能力を手に入れてしまいました。

そして、その能力で自分のまだいない娘が病気で死んでしまう未来を見えてしまうのです。

自分にとってはまだわからない娘、それでも本当に自分の娘、死んでしまう娘。

その中でも彼女はそんな人生を自ら受け入れて進むことを覚悟するのです。

これはもう、私たち人類が理解できる領域を超えた時間や生命に対する価値観を表現しているのかもしれません。

私たちの知識はまだまだ未熟なもの。

その中でどのように生きていくのか再度思い返す時間をくれる映画なのかもしれません。

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