親愛なる

 sumika。初めて「ライブ」というものに行ったバンド。初めて「ファンクラブ」というものに入ってみたバンド。初めて「人生観」というものを変えてくれたバンド。

 大学1年生のとき、友人がカラオケで歌っているのを聴いてsumikaを知った。そのあと運よくライブに行く機会に恵まれた。マイ人生、ファーストライブ。

 もうなにもかも圧巻だった。まずライブハウス内の熱量がすごい。とにかく誰しもの感情がダダ洩れ。笑う、泣く、まっしろ、まっくろ、ちょっとグレー、ぐちゃぐちゃ。「生きてる!!!!!!!」って叫びたくなるような。そしてなにより、わたしはここで「人間として生きる大人」という存在が地球上には生息している、ということを知れた。ひとつひとつ、お高いチョコレートみたいに繊細なわたしたちの感情をたいせつにしているひとたち。表面だけじゃない。心の底から溢れたことばを紡いでいるひとたち。ずっと、大人になったらそういうの諦めなきゃいけないって思っていた。とにかく感情を消して社会の仮面を被って、無でいる。それが大人。いつのまにか植え付けられていた考えが、ぐるんとひっくり返った。帰り道、なんだか世界がキラキラして見えた。わたし、ああいう大人になりたいなぁ。

 あの日から、少しずつ変わっていったと思う。やりたいことも、大切にしたいものも。そっと訪れていた、大きな転機。

 コロナウイルスの影響で、沢山のバンドのライブやフェスが中止を余儀なくされている。ネガティブになりがちな今だからこそ、夢を与えてくれるエンタメという存在が必要なはずなのに。テレビで見るのと生で見るのとでは、感じるきもちも生まれる愛の深さも違うもんなぁ。

 いいアイデアがなかなか生まれないことにもどかしさが募るけれど、とにかくコロナウイルス問題が終焉をむかえますように。またライブハウスであの歌が聴きたい。

 今日の夜はロールキャベツちゃん。