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【元P&Gが教える】集客効率が「ぐん!」と向上するスタートアップやスモールビジネスのためのハック的PR戦略

PRはスタートアップやスモールビジネスに重要なグロースハック!

2014年に最初の起業をして、スタートアップの経営に関わるようになり10年目になりました。その間に、累計6回、合計約30億円以上を資金調達を実現しました。スタートアップとしてのチャレンジはまだまだ途中ですが、社会に、私たちのお客様に、価値を提供しつづけられていることにとても感謝しています。

私自身は、マーケティング出身の起業家であることもあり、スタートアップ経営の中で、ブランディング、マーケティング、CRM、PRを統合的に考えて取り組んで来ていましたが、最近のスタートアップの潮流の中で、デジタルマーケティングやマーケティングオートメーション、または獲得型のテレビCMなどに関するナレッジがとても増えてきている中で、PR/広報に関するナレッジがあまり共有されていない現状があります。

私が勤める人工知能ベンチャーのシナモンAIでは、設立から短期間で様々なメディアに取材いただき、代表の平野が、2020年6月にはNHKスペシャルの生放送にも出演させていただいたり、設立から丸5年の2021年10月に新しい資本主義実現会議の有識者構成員に就任したりするなど、数えきれないほどのメディア露出を創出してきました。もちろんベンチャー企業のシナモンAIには、PR会社を使うゆとりは無いため、私を含めた自社のチームでこれらの広報対応を行っています。

スタートアップ企業が、短い期間でなぜこれほどの成果を出すことができたのか?裏側には、私自身がマーケターとしての集大成として、一貫して取り組んできたPRに対する考え方が存在しています。

このnoteでは、PR戦略の裏側に存在する、普遍的なアプローチを説明していきたいと思います。「マーケティングって、広告のことでしょ?」というのと同じくらい、PR/広報って、プレスリリースのことでしょ?」と考えられていることが多いです。このnoteでは、そういった考えを根本から覆す、ブランディングから広報までを一貫させ、グロースハック的にも、中長期の持続的な成長にも有効な戦略的PR/広報の秘密を解き明かしています

理論的な話は控えめにし、実践的なフレームワークを中心に、今すぐ活用できるノウハウとしてまとめています。一度読んで、頭の片隅に入れておいていただければ、確実に結果につながるなようになっています。

スタートアップの経営者、マーケター、広報、スモールビジネスオーナーの方々に実践いただけることを期待しています!

簡単な自己紹介

最初に、マーケティングや広報のバックグラウンドとともに、簡単な自己紹介をさせていただきます。

2003年に新卒で電通に入社し、テレビ媒体を担当する仕事に就きました。1年半で退職し、大手人材系会社の子会社立ち上げに参画。若手人材向けの転職情報サイトの立ち上げを行いました。電通時代に、マーケティングやメディアプランニングに関しての教科書的なことを学んでいましたが、この新規事業立ち上げの実践の中で学んだことがとても大きな経験になりました。この頃は、サービス名・ブランドロゴの開発、サーチ広告/SEO/バナーなどのウェブ集客、アクセスログ解析、記者発表を含む広報業務など、未経験ながら多岐に渡る業務を担当しました。

その後、2007年からリクルートに転職し、クロスメディアやデジタル広告技術を活用した新規事業の立ち上げに4年間携わりました。この時は、事業企画、商品/プロダクト企画、営業企画など、主に事業サイドから成長戦略の視点を身につけることができました。Kaizenplatformのスドケン、マンガサービス・アルのけんすう、とは同じフロアで一緒に仕事をさせてもらいました。

*スドケンとけんすうのnoteはこちら。

もともと海外志向が強かったため、2011年からP&Gシンガポールに転職。高級化粧品「SK-II」のブランド・マーケティングを担当します。P&Gのマーケティングでは、担当するブランドの短期および中長期的な収益性の向上に向けて、ブランド・エクイティの強化、コミュニケーション戦略の立案、広告開発、P&L管理などを行いました。この時、幸運にも高級化粧品というブランドイメージが価格形成に直結する商品を担当することで、ブランド・エクイティや広報活動が事業に与える影響を実感することができました。嗜好品である高級化粧品では、消費者が抱くイメージの形成や、美容家・美容評論家と呼ばれるようなインフルエンサーを通じたコミュニケーションがとても重要になりました。

その後、2014年に、自己資本では初めてとなるスタートアップのチャレンジを、シンガポールを拠点に行い、人的なネットワークが少ない中で注目度を高めるためにPRエージェンシーを活用しながらスタートアップ系のメディアでも取材記事を掲載いただき、投資家とのネットワーキングなどにも活用することができました。

2017年からは、現在のシナモンAIにフルコミットし、入社の当初から、意識的に広報活動に取り組み、会社の知名度やブランド力の向上に努めてきました。結果として、これまで数百回以上の登壇、メディア取材の実績が生まれており、広告価値に換算すれば数億円以上の投資効果を得ることができています。

私のプロフィールについてもっと細かい内容をお知りになりたい方はこちらのnoteもご覧ください。

それでは、ここからは具体的な考え方について記載していきたいと思います。

PRで効果を出すための大切な7つのポイント

具体的なPRの方法論に入る前に、少しだけ基本的な枠組みを説明します。PR活動には、大きく分けて戦略部分と実行部分が存在します。PRや広報と聞くと、「ああ、プレスリリースのこと?」と思われる方も多くいらっしゃいますが、実は、この戦略部分をどれだけしっかり考えられ、一貫性を持って取り組めているかが、PR活動の蓄積となり、重要な土台になるのです。もちろん、ユーザーやお客様が目にするのは実行部分が全てなので、実行が命であることは間違いありませんが、正しい戦略に基づいて、正しい実行を行う。これが、PR成功への鍵となります。

以下、本noteの大きな構成の説明です。

<Strategy / 戦略>
1.WHO:誰に買ってもらうのか?
2.ブランド・エクイティ・ピラミッド
3.キー・インフルエンサー・フロー

<Execution / 実行>
4.タッチポイント・デザイン
5.メディアの流れと切り口の作り方
6.プレスリリースの書き方
7.記者にとって頼れる広報窓口になる

1.WHO:誰に買ってもらうのか?

WHOとは、誰に買ってもらうのか?という顧客ターゲットのことです。ターゲットの議論をする時に、大事なポイントは3つあります。

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