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未経験からデザイナーをスタートするならロゴコンペに出すのを強くお勧めします。

わたしは30歳になってからデザイナーを目指すようになりました。
前々からなりたかった職業で…というわけではなく、家で働きたい、そのために何ができるだろうか…という苦難の末の決断でした。

その頃のわたしのデザイナー像は、おしゃれで、ちょっと常識から外れていて、特殊技能を持っている人という偏見に満ちたものでした。なので自分がデザイナーになるなんて、想像したこともなかったですが、人生何があるかわからないですね…

家で働きたいと考え始めた当初、専門的な技術を身につけて長く太く働けるようにしたいと考えていました。しかし、身につけるスキルや仕事を選べるほど、知識も経験もありません。

そこに現れたのが、クラウドソーシングのロゴコンペ。「コンペなら採用されなければ責任もない!」。なんとも無責任な考え方ですが、そうに考えられたことが、デザイナーへの道を後押ししてくれました。

ロゴコンペにチャレンジするのがお勧めな理由

ロゴコンペなんて当選率も少ないし、モチベーション上がらない…なんて言ってる場合ではありません。

順当にデザイナーになろうとすれば、デザイン学校に出て、求人探して、応募しまくって、斡旋してもらって、デザイン会社に就職して、実績を身につけることが必要なのではと思います。しかもそれも結構な狭き道なのでは、と思います。

しかも家で働くということが条件になれば、見えないほどに細い道になりそうです。

どうせ狭き道なら、ロゴコンペで実績を積む方が「家で働く」を圧倒的に実現しやすい。わたしには、家で働くデザイナーに到達するための他の方法は思い浮かびません。

ロゴコンペをお勧めする理由①コンペはリアルな学びの場

デザインの学びの場(TETA子屋)をやっていて思うことは、実践の場だと力がぐっと伸びる、ということです。もちろん課題も行ってもらっていますが、成長のスピードは段違いです。
リアルな学びなんてフリーランスにはなかなか用意されていませんが、コンペはまさにそれ。

いきなり契約して、というのはリスクが高すぎますが、コンペは安全性を確保した上でチャレンジできます。

さらに初期は「ロゴコンペ」に絞ることで、学びが焦点化して成長が早まります。若い学生さんなんて毎日かなりの時間を学んでいるわけですから、それと肩を並べようと思えば、学ぶ範囲は絞る方が賢い。

早く仕事を獲得したい、と気持ちが焦りますが、ここで焦っても結局歩みは遅いのです。力がついてくれば、仕事のご縁は必ずあります。

ロゴコンペをお勧めする理由②ロゴをつくると他の制作物も作ってほしいと依頼される

ロゴは会社や商品にとって、最初につくるものでもあります。
コンペで採用されれば、同じデザイナーさんにお願いしたい!となってもおかしくはありません。

わたしもロゴを採用していただいた会社さんのちらしやパンフレット、webサイトなどさまざまなものを作らせていただきました。全て初めてチャレンジするものでしたが、チャンスをいただけてスキルをつけることができたと思っています。

ロゴコンペをお勧めする理由③ロゴにはデザインの多くの要素が詰まってる

「ロゴは短時間で作れる」そう思っていたとしたら、採用は難しいかもしれません。たまたま採用されることはあるかもしれませんが、連続して採用されていくためには、思いつきで作るのでは厳しいでしょう。

ロゴというのは会社の顔です。
顔をつくるためには、

  1. 同業種・類似業種でのマーケット調査

  2. 会社の目指す姿の把握

  3. 表現したいイメージの設計(デザインコンセプト)

  4. 形と色で表現する

  5. プレゼンする

  6. 納品データを作成する

というようなステップがあります。
それらは全てのデザインに必要になるステップです。

もちろん最初から全てできるわけではないと思いますので、あまり目標を高くして、結局全然応募できない、となるのは意味がありません。
できる範囲でつくって応募できるのがロゴコンペの良いところです。

企業や事業に必要な要素なども学びながらロゴをつくりつづけることで、さまざまなスキルが身についてきます。

ロゴコンペをお勧めする理由④デザインができても仕事を受注するスキルがないと意味がない

世の中にデザインができる人はごまんといますが、その中には仕事に困っているフリーランスも大勢います。デザイン学校を出たけど、仕事が受注できない、ということもよく聞きます。

時間や場所に制約があってもいい、ということであればどこかの会社に就職したり、アルバイトをしたりすることもできますが、それも狭き道ではあると思います。また会社によってはデザインの一部分しか体験できず、フリーランスになるために必要な要素を学べないということもあるでしょう。

デザインスキルと受注の両輪を回すことは必須なのです。

受注スキルを磨くためにもコンペは最適です。
プロフィール、応募メール、実績数くらいしかできることはありませんが、そこに集中してやるだけでも、どうしたら受注ができるのか、と考えるのには十分です。

「よろしくお願いします」とそっけない応募メールで提出する方がいますが、たとえそれで採用されたとしても、受注スキルが上がったわけではありません。

大事なのは、その後プロジェクト形式の案件に挑戦したり、直接受注を始めた際にも、自分のこと・作品のことをしっかりと伝えられる技術です。コンペを行いながらそこも鍛えなければ先が見えません。

「受注の仕方」が世界のどこかにあると思っていたらそれは間違い。そんな考えでは、インスタントな「誰でも受注できる方法」みたいな情報にひっかかってしまいます。自分が得たい情報を探すことに時間の大変を過ごすより、ロゴを作りながら受注スキルも磨いた方が、実績もつくれるし、スキルも磨かれるでしょう。

コンペの難しいところは…??

モチベーションの維持

コンペの難しいところはやはりモチベーションの維持。
それに対して大事なことは、初期は報酬や採用率を無視することです
まだ力がついていないのに、1件の受注や報酬の多少に右往左往するのは、客観的にみるとおかしいのですが、振り回されてしまいます。
感情が振り回されると疲れます。

コンペを卒業して、デザインのプロジェクト案件を受注できるようになるまでには、20件ほどの受注実績があれば始められます。(わたしは50件からスタートしました)

20件の採用実績をつくるのに何件のコンペ応募が必要そうですか?
10件に1件採用されるとしたら、200件の応募が必要です。
「これは学びだ。とにかく200件やりこなそう!」
行動できる目標に置き換えて、やっていきましょう。

目標数値を定め、報酬額を考えず、とにかく実績が積み上がるように、安い案件や応募数が少ない案件、自分が得意なジャンルの案件にチャレンジしていきましょう。

自分で客観的評価ができるか

コンペは採用されれば評価はわかりますが、採用されなければ「なぜだめだったのか」などの評価が全くわかりません。
採用率をあげていくためには、客観的に自分のデザインを評価できないといけないのですが、これが苦手な方がいます。

その場合には、誰かデザインをみてくれる人がいなければなかなか自分で気づくことができません。

客観的な気づきをもらえるような仲間や先輩を見つけられると成長していけるでしょう。




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