松山のじいちゃん

出来ん理由を並べるより、どうやったら出来るんか考えてみる…

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  • 書庫

    国立国会図書館のデジタルアーカイブ 上巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/1174125/1/5 下巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/1174137/1/2 より、ダウンロードできます。

最近の記事

樂訓 巻之下

 讀書 一  凡そ讀書の楽しみは、色を好まずして悦び深く、山林に入らずして心閑かに、富貴ならずして心ゆたけし。 此の故に、人間の楽しみ是れに代わる物無し。 天地陰陽を以て道の法とし、古今天下を以て、心を遊ばしめる境界として、其のおもむき至りて大に廣き事、極まりなし。 一日書を読むの楽しみ至れるかな。 聖賢の文を見て、其のこころを待て楽しむは、楽しき事の至りなり。 其の次に、古の事を知らせる史には、我が國は神武天皇より今年まで二千三百七十年、もろこしは、黄帝より今まで四千四百

    • 樂訓 巻之中 節序

      一  一年の内、天地の道常にめぐり、四時に行われて、萬古よりこのかた止まず。 其の間霞たつより雪の積もれるまで、其の景色、折々に異なり。 又、朝夕の景色日々に異なれる、変態極まりなき眺めなり。 天にありて象をなされるは、日月の輝き、風雨の潤い、霜雪の清らかなる、雲烟のたなびけるは、天の文なり。 地にありて形をなせるは、山河のそばたち流れ、江海の深く廣き、鳥獣の鳴き動き、草木の生茂れるは、地の文なり。 かくの如く、天地の内、四時の行われ、百物のなれる有様、目の前にみちみちて、人

      • 心を快くする魔法(わざ)

        心を快くするわざなり。

        • 樂訓 巻之上 總論

          一  あめつちの惠をうけて、生きとし生ける諸々極まりなき内に、人ばかり貴き物なし。 如何となれば、人は萬物の霊なればなり。 されば、人と斯く生まれきぬる事、至て得難き幸いなり。 然るに我輩おろかにして、人の道を知らざれば、天地より生まれ得たる人の心を失い、人の行くべき道をば行かで、行くまじき道に迷い、朝夕心を苦しめ、其の上、我が身に私して、人に情けなく、おもんばかり無くて、人の憂いを知らず。 いたりて近き父母に事へてだに、其の心にかなわず。 凡その人倫に交わりて道を失い、人と

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          心をなぐさめる魔法

          益軒十訓上 楽訓巻之上 284ページ 4行目 心をなぐさむわざなり。 と… フリーレンの言う所の伝説級の魔法に見え無くもないか… 三十五  旅行して、他郷にあそび、名勝の地、山水の麗しき佳境にのぞめば、良心を感じ起こし鄙吝を洗い濯ぐ助けとなれり。 是れも亦、我が徳をすすめ、知を廣めるよすがなるべし。 又、いいしれぬ異境に行きて、見なれぬ山川のありさまを見て、目をあそばしめ、其の里人に会いて、其の所の風土を問い、あるは奥まりたる山ふところに、岩根ふみて尋ねいり、もと

          心をなぐさめる魔法

          葬送のフリーレンの魔導書を考えると…

          古典は、それにあたるよう、貝原益軒の魔法を集めた、「益軒十訓」も一つの魔導書のよう 国立国会図書館のデジタルアーカイブ 上巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/1174125/1/5 下巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/1174137/1/2 より、ダウンロードできます。

          葬送のフリーレンの魔導書を考えると…

          五常訓 巻之六 信

          一  信は、説文に曰く、誠也从人从言會意。 徐曰、於文人言爲信、言而不信非爲人也。 信の字、人偏に言の字を書くは、六書においては、會意に属す。 偏旁の意を以て作りし字なり。 いう意は、人の言に誠あらざるは、人にあらず。 故に人の言は、必ず信あるべしと云う意なり。 五常においては、心に誠あるを云う。 口に偽りをいわざるも、其の内にあり。 仁義禮智の、偽りなき眞實なるを、信と云う。 信なければ、仁義禮智にあらず。 仁義禮智四徳の外に、又、信あるにあらず。 親によく仕えるは孝なれど

          五常訓 巻之六 信

          五常訓 巻之五 智

          一  智は、增韻に心有る所知る也といえり。 知は心の明なり。 和訓には、さとると読む。 是非を照らす心の光なり。 心明らかにして、人倫事物の道理に通じ、是非善悪をわきまえ知りて、迷わざる徳なり。 仁義禮も、智によりて、其の理明らかにして行わる。 智なければ、道理くらくして、善心あれども、行うすべを知らず。 あやまりて、ひが事のみ多し。 周子は、通ずるを知と云うといえり。 萬理に通ずるなり。 朱子は、智は分別是非の理と云えり。 分別とは、わかちわかつなり。 心中に善悪をわかち辨

          五常訓 巻之五 智

          五常訓 巻之四 禮

          一  禮は、心につつしみありて、人を敬うを本とし、萬事を行うに、則にしたがいて、正しく理あるを文とす。 則とは、作法なり。 孝経に、禮敬而已矣。 云う意は、禮は敬を専らとす。 而已とは、此の外には無しと云う詞なり。 朱子曰く、禮の本は在干敬人。 人を敬うは、心のつつしみより起こる。 人を敬うも、其の人をあわれむ心より出づる故、朱子も、禮は、仁のあらわれたる也といえり。 禮記曰く、禮は理也。 周子曰く、理を曰ふ禮と、理は筋目なり。 筋目とは、萬事を行うに、各々正しき則ありて、其

          五常訓 巻之四 禮

          憲法十七条

          日本書紀 : 原文 下巻 (日本古典全集 ; 第3期 [第17]) 『日本書紀』第二十二巻 憲法十七条 一曰  和やかにおさまる貴さを考える 和  なごやかに 爲  おさまる 貴  とおとさを 以  考える 忤  くいちがわ 無  ない 宗  根本の考えの 爲  ために 人  ひとは 皆  みな 黨  なかま(党) 有  ある 亦  また 達  志を遂げる 者  ものは 少  すくない 是  これで 以  もって 順  ある見解や立場を踏まえ守る 不  こと出来

          葬送のフリーレン 日本の古典をすごく理解して表現しとるように見える。 https://abema.app/Ajj3

          葬送のフリーレン 日本の古典をすごく理解して表現しとるように見える。 https://abema.app/Ajj3

          葉隠 https://dl.ndl.go.jp/pid/758897/1/1

          葉隠 https://dl.ndl.go.jp/pid/758897/1/1

          日本書紀 : 原文 下巻 (日本古典全集 ; 第3期 [第17])

          『日本書紀』第二十二巻 https://dl.ndl.go.jp/pid/1941048/1/34 憲法十七条 一曰 以和爲貴 無忤爲宗 人皆有黨 亦少達者  以是或不順君父 乍違于隣里 然上和下睦 諧於論事 則事理自通 何事不成 二曰 篤敬三寶 三寶者佛法僧也 則四生之終歸 万國之極宗 何世何人非貴是法 人鮮尤惡 能敎従之 其不歸三寶 何以直枉 三曰 承詔必謹 君則天之 臣則地之 天覆地載 四時順行 方氣得通 地欲覆天 則致壊耳 是以君言臣承 上行下靡 故承詔必愼

          日本書紀 : 原文 下巻 (日本古典全集 ; 第3期 [第17])

          二宮翁夜話 第十五章

          第十五章 處世修養の巻 九十三 修行の道に限度あり  翁曰く、佛者も釈迦が有難く思われ、儒者も孔子が尊く見える内は、能く修行すべし。 其の地位に至る時は、國家を利益し、世を救うの外に道なく、世の中に益ある事を勤めるの外に道なし。 譬えば山に登るが如し。 山の高く見える内は勤めて登るべし。 登り詰めれば外に高今日山なく、四方共に眼下なるが如し。 此の場に至って、仰ぎて彌々高きは只だ天のみなり。 此の處まで登るを修行と云う。 天の外に高き物ありと見える内は勤めて登るべし、学ぶ

          二宮翁夜話 第十五章

          二宮翁夜話 第十四章

          第十四章 青年訓の巻 八十五 先づ瑕のない人となれ  年若きもの敷名居れり、翁喩して曰く、世の中の人を見よ。 一銭の柿を買うにも、二銭の梨子を買うにも、眞頭の眞直人なる瑕のなきを撰りて、取るにあらずや。 又、茶碗を一つ買うにも、色の好き形の宜きを撰り撫でて見、鳴らして音を聞き、撰りに撰りてとなるなり。 世人皆然り。 柿や梨子は買うといえども、悪しくば捨てて可なり。 夫れさえも此の如し。 然れば人に撰ばれて、聟となり嫁となる者、或は仕官して立身を願う者、己が身に瑕ありては人

          二宮翁夜話 第十四章

          二宮翁夜話 第十三章

          第十三章 家政の巻 七十八 家政の本は節倹にあり   翁曰く、何程富貴なりとも、家法をば節倹に立て、驕奢に馴れる事を厳に禁ずべし。 夫れ奢侈は不徳の源にして滅亡の基なり。 如何とはれば、奢侈を欲するよりして、利を貪るの念を増長し、慈善の心薄らぎ、自然欲深く成りて、吝嗇に陥り、夫れより知らず知らず、職業も不正になり行きて、災を生ずる物なり。 恐るべし。 論語に周公の才ありとも奢り且つ吝かなれば、其の余は見るに足らずとあり。 家法は節倹に立て、我が身能く之れを守り、驕奢に馴れ

          二宮翁夜話 第十三章