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#抗菌薬

黄色ブドウ球菌MSSA・MRSAが血液培養から検出されたらどうするか?

黄色ブドウ球菌MSSA・MRSAが血液培養から検出されたらどうするか?

読者の皆様こんちには~

お元気でお過ごしのことと思いますが、私共公立昭和病院感染症科・感染管理部一同は、相も変わらずCOVID-19関連の対応で忙しい日々を送っております。

本日は、気分転換に黄色ブドウ球菌MSSA・MRSAが血液培養から検出されたらどうするか?についてお話させていただきます。

まあ概要は、↑のスライドにお示しした通りです。記載チェックリストを一つずつ確認いただければ大きな問

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抗菌薬選択を限定するための細菌グルーピング~その②グラム陰性桿菌編

抗菌薬選択を限定するための細菌グルーピング~その②グラム陰性桿菌編

お久しぶりです。

本日は、抗菌薬選択を限定するための細菌グルーピング~その②と題して、グラム陰性桿菌に対する抗菌薬選択の概要をお話させていただきます。

まずは、冒頭のスライド~臨床現場で主に問題となるグラム陰性桿菌は大きく下記①~③の3グループにわけます。
①腸内細菌科グラム陰性桿菌:PEK+PMSECK
②ブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌:PAS
③グラム陰性嫌気性菌:BP

それでは、最初にの

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MIC?の数値から抗菌薬の有効性の判断・投与設計へ~最適治療抗菌薬の選び方④

MIC?の数値から抗菌薬の有効性の判断・投与設計へ~最適治療抗菌薬の選び方④

本日は、最適な抗菌薬選択に関するお話の続きです。

患者さんの検体を細菌検査に提出し、特定の菌種が原因菌(症例由来菌株)が培養される。

培養された原因菌(症例由来菌株)に対して、抗菌薬感受性検査を実施する。

原因菌(症例由来菌株)の特定の薬剤に対する最小発育阻止濃度っぽいもの(いわゆるMICっぽい数値ここでは”MIC?”で表現します)が得られます。

ここまでのMICの数値の意味合いについては

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MIC?(最小発育阻止濃度)の”ような”数値の解釈~あなたはわかりますか?

MIC?(最小発育阻止濃度)の”ような”数値の解釈~あなたはわかりますか?

本日は、菌種同定検査結果に記載がある「薬剤感受性MIC?」のような数字の解釈のお話しです。

冒頭のスライドをご参照ください。

右上に菌種:大腸菌 Escherichia coli

左側に、番号、薬剤名(略号)、MIC?数値が記載されております。

それでは、モンダイ!

一番MICの小さい薬剤はどれですか?回答者「そんなのカンタンじゃん!」

簡単ですか・・・では答えは?

回答者「7 ME

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抗菌薬治療期間~どうやって決めてるの?

抗菌薬治療期間~どうやって決めてるの?

モンダイ:抗菌薬治療期間はどうやって決めるのか?

本日は、細菌感染症の治療の際、どのようにして抗菌薬治療期間を決めているのか?のお話しです。

読者の皆様が、細菌感染症になり、医師が抗菌薬が必要な細菌感染症と判断した時、果たしてどのように抗菌薬治療期間・日数を決定しているのでしょうか?

抗菌薬治療期間~決めるために最も重要なものは?

そうです!

正しい診断なくして適切な治療なし~

でした

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