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抗菌薬治療期間~どうやって決めてるの?
モンダイ:抗菌薬治療期間はどうやって決めるのか?
本日は、細菌感染症の治療の際、どのようにして抗菌薬治療期間を決めているのか?のお話しです。
読者の皆様が、細菌感染症になり、医師が抗菌薬が必要な細菌感染症と判断した時、果たしてどのように抗菌薬治療期間・日数を決定しているのでしょうか?
抗菌薬治療期間~決めるために最も重要なものは?
そうです!
正しい診断なくして適切な治療なし~
でしたね。
ですから、抗菌薬治療期間を決める最も重要な要因は
2つの感染症診断
・臓器・解剖学的診断
・微生物学的診断
となります。
この2つの感染症診断がそろっていると、標準的な抗菌薬治療期間を過去の知見を勉強することで、知る(学ぶ)ことが可能となります。
ただし、ここで「感染症治療の3つの軸」の評価が必要となります。
・患者の免疫力
・感染源コントロール
・感染症治療薬
もしこれから抗菌薬治療を受ける患者の皆様の「免疫力」が低下していたら?
免疫力で、細菌をやっつけることが期待できにくくなるわけですので、その分、抗菌薬治療期間を長くして、免疫力の足りない部分を補ってあげる場合があります。
それでは「感染源コントロール」とは?
例えば、おなかの中に膿がたまっている場合、その「膿を出し切ること」≒「感染源コントロール」ができた場合には、治療は比較的順調にいく場合が多いため、標準的な抗菌薬治療期間で十分な場合が多くなります。
しかしながら、膿のある場所が奥の方で、手術やその他いろいろな方法でもなかなか膿を出し切ることができない場合があります。
そのような場合には、その分抗菌薬治療期間を長めにする必要のある場合もあるのです。
バイタルサインの安定化とは?
バイタルサイン=「生命徴候」とは、意識レベル、血圧、脈拍、呼吸数等の数値化可能な指標で、この数値の悪化は命の危険が迫っていることを示しています。
治療前のバイタルサインがよろしくない場合、抗菌薬治療後にバイタルサインの改善があればそれは抗菌薬治療がうまく行っている可能性を示しているため、抗菌薬治療を標準的な治療期間で終了可能である判断がしやすくなります。
また、抗菌薬治療は、現在の症状がとりあえずよくなることが最終目標ではありません。
抗菌薬治療のは、可能な限り後遺症・合併症を防ぐことも求められます。
この視点からも、症状や医師の診察所見、レントゲンやエコー、CT等の画像所見を注意深く様子を見て抗菌薬治療の止め時を考えることも重要となります。
血液培養から原因菌が検出された場合には、血液培養をもう一度行い、血液中から原因菌がすぐにいなくなるかどうか?も抗菌薬治療期間決定の重要な判断材料になります。
これらの抗菌薬治療期間・抗菌薬終了の参考となる様々な要因を検討し、臨床医が最終的に抗菌薬治療期間を考えて判断することとなります。
以上、抗菌薬の治療期間のお話しをさせていただきました。
実は、抗菌薬治療期間、特に抗菌薬をいつ終了するか?は筆者にも大変悩ましい、頭を抱えてしまうことも少なくない問題なのです。
ですから、日々、新しい知見を学び、患者の皆様の状況を注意深く観察する努力を重ねていくことで、「抗菌薬治療期間」・「特に抗菌薬の止め時」を適切に判断できるように実践を重ねていく必要があるのですね。
モンダイ:抗菌薬治療期間はどうやって決めるのか?
こたえ:2つの感染症診断をもとに、標準的な抗菌薬治療期間を調べ、その他さまざまな要因を考慮して医師が抗菌薬治療期間、特に抗菌薬の終了タイミングを決定している
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