英語が気持ち悪い

しかたない。英語が気持ち悪くなってしまったのだから…。

教授から届く無数のメールも、奨学金が処理できないみたいなメールも、銀行に残高がありませんみたいなメールも、日本語だったらもう少し楽に受け止められる気がする。いや、そんなことないのだろうか。海外の大学に在籍している以上、仕方のないことなのだけれど…。

そもそも、なんで大学なんかに入ったんだっけ。カラオケが割引になるとか、美容院とかで、どうでもいい人と話すときに「学生です」って言えることくらいしか、良いことない。それ以外、地面にへばりついて顔でも踏みつけられているかのように、辛い。それに加えて、全ての授業が英語で行われるなんて…。

ふざけんなふざけんな。クソ喰らえ。FUCK YOU !

もうやりたくない。全身がいつもそう騒いでいた。このままではどうにかなってしまいそうだったので、できるだけ自分を甘やかしてきた。大丈夫よ。できなくても大丈夫。日本語で育っているわけだし、できなくて当然。翻訳機を使いなさい。ほら、翻訳機があるじゃない。提出できないことだってあるわよ。あなたが悪いんじゃない、課題が多すぎるのがいけないのよ。

そう、私は私の一番の味方だ。

しかし、英語は私の敵だ。

私の人生に与えられた敵。幼い頃から嫌で逃げてきたというのに、結局いつまでもついてくる。英語は私に、理解を求めてくる。ああ、なんと自分勝手!あなたになんて興味もない。自分が一番であるみたいな態度は、いい加減やめなさい!

とにかくもう、英語を見るだけで気持ち悪くなってしまうのである。できれば、大学が突然地面に音を立てながら沈んでいって、行方をくらまし、仕方がないからもう、生徒全員に卒業の資格を与えます。となってほしい。

そんなことホープレスに願いながら、気がつけば眠っていて、大地震の夢とか爪が全部剥がれる夢とかを見て目を覚まし、メールをチェックしなければいけないという現実を時間をかけて受け入れ、携帯を開くのである。苦しそうに鳴る心臓、頼りなく震える手、なんとか開いて画面を睨みつける目のすべてが、英語を嫌がっている…。

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