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君らしくあってと願ってるよ【初乗車レポ】

「恋しい」や「寂しい」はちょっと違う
でもどんな時だって真ん中で
君らしくあってと願ってるよ
独りよがりでも

超特急/Thinking of You

初めて超特急を見たB9 Unlimited 8号車の日。全22曲、数えきれない程あるフレーズの中でこの歌詞が一際くっきりとした輪郭を持って耳に残っている。

大好きな人が彼らしくあれる場を初めて目の当たりにした日のこと、忘れないように記録に残しておこうと思う。




というわけで皆さん!ついに初乗車が叶いました~!やった~!前回のnoteで今回のツアーは行けないと書いたばかりなのですが直前で有難いご縁がありまして、初乗車、してきました。

記憶と感情の鮮度が落ちないうちに、大切に慎重に言葉にしておこうと思います。ちなみに超特急にハマったきっかけやその頃考えていたことをまとめたnoteはこちら、その後いくつか円盤を見た感想がこちらに詰まっておりますので、これまたくどくて長い文章なのですが併せて読んで頂けたら幸いです。





念願叶っての初乗車とはいえこの日も普通に仕事があった。前日の帰りが遅くて睡眠もろくにとっておらず、まだまだ慣れない仕事に疲弊していたら実感が一ミリも湧かないまま迎えた18時30分。開幕に向けて揺れる10色のペンライトは本当に綺麗だったけれど、その綺麗さが相まって夢みたいで、私はどこか他人事のような気持ちで東京ガーデンシアターの一番高い席から会場をボーッと眺めていた。

9人の影が見えてから最初にモニターに映ったのはたしかタクヤさんだったと思う。それすらハッキリ覚えていないくらい正直登場は記憶が無い。無い、というより目に焼き付ける作業を怠っていた。あ、いるいる。本物かな?わかんないな。みたいなよく分からない気持ちだった。これは私のコンディションのせいなので超特急は何も悪くない。


それでも最初の3曲を見て、”ああ、B9ってこういうことだったんだ”と思った。たしかこのアルバムのテーマは、前シングルの宇宙ドライブから打って変わって「ダサカッコいい」を封印したクール&スタイリッシュ。リード曲の『MORA MORA』に続けてアルバムの中でも特に”カッコいい”を前面に押し出した『KNOCK U DOWN』で一気にB9の世界に引き込まれる。その後はYouTubeでダンプラも出ているキレキレのダンスナンバー、『Beasty Spider』。今のコンセプトに合わせて6年前のアルバムから曲を引っ張ってこられること、超特急の楽曲の幅広さを実感した。


その後の『Kiss Me Baby』。私はこの曲の、例えるなら錯覚アートみたいな、歯車とか時計とかそんな感じのものが目まぐるしく回っていくみたいなイントロが大好きなのでめちゃくちゃテンション上がったし、やっと名前のコールができて嬉しかった。正直この曲までは精力的にペンラを振るわけでもなく双眼鏡を覗くわけでもなくただただ眺めていたんだけど、たしかラスサビのイントロでタクヤさんが楽しそうにニコニコしながらオンリーユー!しているのがモニターに抜かれてハッとした。

私はタクヤさんのこういう、ステージの上でだけ見せる本物の感情を見に来たのだと、それができる場所にやっと来られたのだと思い出した。初めてタクヤさんを「見た」と思った。

イントロのアロハのかっこよさに惚れ惚れした『Winning Run』を経て次は『No.1』。私はゴルエポの、会場の一番高いところで高く人差し指を突き上げる6人と星空みたいな照明、一糸乱れぬペンライトを初めて見た時からこの曲が本当に大好きで、自分がそのペンライトの一部になれたのが本当に嬉しかった。「今レコードに針を落とし」という天才の歌詞、コピーしやすい振り付け、「タクヤ(推しの名前)がNo.1!」とシンプルで切実な想いを叫べるコール。8.8でセトリ落ちしませんようにと心から願っていた曲のひとつだったのでイントロが聴こえた瞬間特大笑顔になったし、アロハと一緒に全力でスクラッチした。本当に楽しかったな~~~!!!



それから冒頭にも書いた『Thinking of You』。私は超特急の明るくてポップな曲を好む習性にあるので正直なところあまり聴いていなかった曲だったんだけど、二人の声で歌われる「どんな時だって真ん中で君らしくあってと願ってるよ。独りよがりでも」というフレーズがやけに濃く耳と心に残っている。こんな歌詞に気付かなかった今までの私は何をしてたんだろうか。”君を想っている”というタイトルの曲で”君らしくあってほしいと願う”ことが、見返りを求めずひたすらに与え続ける超特急そのもののように聴こえて、私もこんな愛をいつも心に宿していたいと思った。

タカシくんの歌声って『Asayake』とか『Synchronism』みたいな、一帯にベールをかけるようなどこまでも伸びていく嫋やかさがありながらもポップに跳ねたり力強くそこにあり続けたりするところが大好きだったんだけど、この曲を生で聴いてバラードの彼の歌は夜の湖みたいだと思った。波を立てずに静かに真っ直ぐに続いているようなところ。歌詞の切なさや心情を、眩しく照り返すのではなくそのまま映し出すところ。でも凍り固まっているわけじゃなくて、ダンサー達やシューヤくんの表現を受けて柔らかく揺れるところ。タカシくんの歌がもっともっと大好きになった一曲だった。



たしかこの曲から衣装が変わって、全身真っ黒に揃えたものからグラデーションのセットアップになった。肩のあたりに星空みたいなキラキラがついているネイビーから、腰回りは紫、ズボンの裾にかけてピンクに変わっていく感じで本当にかわいかったな~。私も着たい。素材はベロアに見えたけど合ってるかな?衣装展、欲しいですね。

この衣装をプロデュースしたカイさんがMCで「『Thinking of You』から『シャンディ』、『Before Dawn』と夜が明けていくようなセトリに合わせて、夜空から朝焼けに変わるようなグラデーションにした」「真っ黒な一着目の次に色を纏うなら8号車のピンクがいいなと思った」というような事を話しているのを聞きながら、超特急が夜明けの先に8号車を見ているのに対して私は私の夜に超特急を呼びつけてばかりだなと考えたりしていた。歌詞やダンスだけじゃなくてセトリそのものや衣装にも細やかなこだわりが込められているの、解釈型オタクには有難いですね。



MC明けは『Typhoon』からの『NEW WORLD』。今までは『TRAIN』だったはずだけど、タクヤさんがセンターでしゃがんだ瞬間に『NEW WORLD』を確信して大興奮した。勝手な意見だけど『NEW WORLD』の振り付けってタクヤさんのしなやかなダンスに合ってるなと思ってたから、生で見られて本当に嬉しかったな。テンポが速いダンスよりこの曲のサビみたいに音をたっぷり使ったダンスの方が難しいと私は考えてて、遅れることも音を余すこともなくこういう振り付けを最大限魅せ切られるタクヤさんのダンスが大好きだと改めて思った。


サマラブ→ラキラキ→激おこ→超えアバのブチ上がりセトリを越えて次はまさかの『a kind of love』。イントロがかかった瞬間からボロボロと涙が止まらなくて大変だった。晴れやかでキラキラしたイントロも解像度の高い歌詞も、6人体制になって初めてのシングルという曲自体が持つドラマ性も全部全部大好きな曲。いつもライブの中の大事なところで食い込んでくるこの曲は披露される度にメンバーや8号車たちの想いや願いや呪いなんかも蓄積されていると思うんだけど、いつもいつもそれらを軽々と飛び越えて”今”が最高だという顔で踊ってくれるイメージがある。

消し去るんじゃなくて過去の思い出も全部背負ったまま、それでも新曲みたいにフレッシュに「この先の未来 君と描いていきたい」と明るく先を見据えてくれるこの曲は、ある意味見る度印象が変わる曲でもあるかもしれない。壮大で深い愛の歌をいつまでも鮮度を保ったまま歌い踊ってくれる超特急の未来を私も見ていたいなあと思ったし、「僕らなしでも世界は必ず回り続ける それでもね僕には君が必要なんだよ」を聴いて、アイドルなんていなくてもただ”生きていく”ことはできるこの人生で私は大好きで大切なアイドルに出会えて本当に幸せだな~としみじみした。

あとね、ラスサビの両手を広げてくるくる回るところのタクヤさんがずっと大好きだったからやっと生で見られて感無量だったし、ライブ後の深夜の配信でタクヤさん自身もダバダバ泣きながら踊ってたと教えてくれたのもかなり嬉しかったな。



涙も枯れたと思ったら次は『fanfare』。前回のnoteに書いたようにfanfareも本当に大好きで…(泣) 二人の声で聴きたい曲のひとつだったのでようやく聴けるのが嬉しくてめちゃくちゃ笑顔になった。でも2サビ前の「この場所で目を閉じるなんてもったいない」という大好きな歌詞でまたまた泣くことに。歌詞に反して涙で視界が霞んでしまって慌てて拭った。


ありふれた日常が奇跡に変わる瞬間を信じて
運命の出会いとか たとえば感動の再会も
きっとその手の中

二人が歌うのを聴くのが心の底から楽しみだった落ちサビは前半がタカシくん、後半がシューヤくん、最後はハモっていて、希望そのものかと思った。二人の歌声、生で聴くまではタカシくんのほうが優しくてシューヤくんのほうが鋭いイメージだったんだけど、この落ちサビはタカシくんが力強くてシューヤくんが柔らかい感じがしたのが意外だったな。なんて言うんだろう、タカシくんの歌は優しさが軸にありながら感情を強く込める時に輪郭を固く補強する感じで、シューヤくんの歌はベースにある芯の強さはそのままに外側がふわっとほぐれるような感じに印象が変わった。最後のハモリを聴いて、またタカシくんが誰かと歌うことができて、シューヤくんが歌で生きていくことを諦めないでいてくれて、本当によかったな~とまたメソメソした。



『Together As One』で本編が終わり、アンコールの『浮つきWAVES』後のMCではひとりひとりからの挨拶がある。タクヤさんの発する言葉には既に惚れ切っているので覚悟はしていたけど、やっぱりまたメロメロになってしまった。

これまでの自分の事を振り返るメンバーが多い中タクヤさんは「去年のこの日は同じ楽屋の中で5人と4人に分かれてたけど、今日楽屋入ってみんなぐちゃぐちゃになって座ってるのを見て、”ああなんか 幸せだな”って思いました」と言っていて。その”ああなんか 幸せだな”の言い方が、噛みしめている感じじゃなくて軽い感じだったんですよね。良い意味で幸せのハードルが低いって本当に素敵なこと。「些細な幸せにメンバーといると気づかされる」とも言っていたけど、メンバーのおかげだけじゃなくて、それはきっと貴方が網目の細かい感受性で人が零してしまうような小さな幸せを日頃から大事にすくっているからだろうと、そんな貴方の感性に恋をしたんだよなんて思って、また涙が出た。

これからもずっと、タクヤさんの発する言葉をリアルタイムの表情や息遣いとともに、私が汲んでいたいと思った。パフォーマンス中も勿論だけど、会場全体を見渡しながら話している時のタクヤさんが本当に綺麗で、息が詰まるようだった。”儚くて消えそう”なんて使い古された言葉じゃ足りない、消えそうなほど淡い光じゃない。もっと芯から力強く光を放っていて、私のとは段違いに重い魂がそこにあることを思い知らされた。顔がかわいいとか肌が綺麗だとかそういうのでは済まされない輝きがあって、この人が笑ったり泣いたりするところをずっと見ていたいと思った。



挨拶後はサマラブの二回戦と、大好きな『Call My Name』。この曲はホストを題材にしたドラマの主題歌だったのもあってシャンパンコールのような盛り上がりを見せる部分があったり”No.1”という言葉がそういう意味で使われたりしていると思うんだけど、ドラマの主題歌としてではなく超特急の曲として聞くと一気にヒーローからの救済ソングになるところが大好き。遠慮はいらないからいつでも呼んでね、僕は君の為にここにいるよって好きなアイドルが歌ってくれること、どうにもこうにも救済すぎて、たぶん泣く曲じゃないけどちょっと泣いた。


ダブアンではユーキさんが「この曲やらないとダメだよ!」と叫んで始まった『gr8est journey』。「僕たちは(想いを乗せて)」のところでハルが振り向いてタクヤさんと目を合わせて楽しそうに笑ってたのが見えて、こういうのを見にライブに来たんだよ~!!と思った。タクヤさんは後ろを向いたままだったけどきっと良い顔してたんだろうな。

ラスサビの「響かせて届けよう」のタクヤさんを生で見られたのも本当に嬉しかった!タクヤさんのああいう胸まで腕かのように使うダンスが大好きで、ああ、魂が燃えてるねって1番思う。MCではあまり積極的には話さないしメンバーの挨拶中もあまり大きく表情が変わらない(ように見えた)し、公演を通してとにかく感情の動きが見えにくい人だなあと考えてたんだけど、こういう踊り方とか歌詞を口ずさんでるのとかが見えた時にタクヤさんの心の真ん中のところが透けて見える気がして嬉しかった。こうやって彼の見えないものが感じられる瞬間を見逃したくないと思った。


本当に最後の曲、『君と、奏で』も双眼鏡で彼を追って、この時間と二人の歌を噛みしめる姿を目いっぱい観察して私の初乗車は幕を閉じた。




メンバーのMCを聞いたり全力でペンライトを振る8号車を見たりして、私に8号車は荷が重いかもとすら思ったのが正直なところ。もう現場入りませんってことじゃなくて、超特急が超特急のこと好きすぎるから、超特急が大切にしている超特急を下手に消費することはできないなと思いました。

超特急が、タクヤさんが、ステージに立ち続ける限り私はその歴史をできるだけリアルタイムで目に焼き付けていたいと思ったし、まだまだ聴きたい&見たい曲もたくさんあるのでB9は終わってしまったけど私のハチコ人生はようやく始まったのかなと思います!年末のツアーも決まったことだし、私は私の人生をまた頑張らなきゃな。


とにかく今まで円盤に映る一瞬一瞬を必死で追っていた人が目の前で踊っていて、どこにいても好き勝手に見つめていられるのが心の底から有り難くて幸せでした。飾ることはしない、無理に繕うことも下手に笑うこともないタクヤさんだから私がこんなことを祈る必要は無いのかもしれないけど、いつもタクヤさんがタクヤさんらしくあってと願ってるよ。


最後まで読んでくださった皆さん、ありがとうございました!

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