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SFジャックと豆の木(R18指定⚠️)

noteのどこかで、今日も黒い笑いがこだまする。笑 以前、書いた話でずっと下書きに戻していたのを、2000文字くらい増やして、登場人物が知人の名前を使ってるので、これも書き直しました。下ネタがすごすぎるので注意⚠️してください。

(1)
まず、ジャックが登場する。彼は気が狂っていた。彼は夜な夜な、自宅で飼育している乳牛を相手に、好ましからざる行為に耽り、見かねた母親はついに牛を手放すことを決意した。

大好きな牛を市場で売るジャックの気分はどん底だった。これから先、この牛なしでどうやっておれは生きていけばいいのだ。いくら牛に高値がつこうがジャックは帰りに死ぬつもりだった。彼は橋の下で首を吊り、ポケットから札束が舞い散るイメージを膨らませた。


ゴッドファーザーⅢの有名なシーン 札束が舞い散る。

売り場のジャックの元へ、まるで彼の事情をよく知っているような、彼に対して同情的にすら見える態度の、やけに馴れ馴れしいおじさんが現れた。


ジャックが鬱陶しそうな表情でおじさんをあしらうと、おじさんは背広の内ポケットから名刺と、何やら汚らしい豆を取り出し、是非ともその立派で素晴らしい乳牛と、私の持っている豆を交換してくれないだろうか、と持ち掛けてきた。

ジャックはもちろんおじさんの申し出を一笑に付し、豆をまともに見ようともしなかった。「おっさん、あっちへ行けよ。商売の邪魔だよ」

その時、おじさんはぐいとジャックに人差し指を突き出し、「ドーン!!!」と強制的にジャックの注意を、おじさんの両目に向けさせた。ジャックはおじさんの気合いに目を回し、まるで催眠術にかかったようにおじさんと、彼の持つ汚らしい豆に釘付けになった。

「是非とも、あなたの素晴らしい乳牛と、この豆を交換してくれませんか?この豆ならばきっと、乳牛を失うあなたの別離の悲しみを癒し、使い方によっては、一夜のうちに莫大な利益を生み出すことすら保証しましょう。」

ジャックにはおじさんの掌の豆が、大好きな乳牛には及ばないまでも、だんだんと大変な値打ちものに見えてきた。初めは干からび、しおれた豆粒だったのに、手に持っているうちに温まってきたのか、ぷっくらとピンク色をして、心なし大きくなったようにも見える。ジャックの両目に、同心円にぐるぐると渦巻きが発生した。


ヒッチコック めまい

・・・・・

ジャックは気がつくと、おじさんと豆を交換し、キャンディーのように口の中で豆を転がしながら、夕暮れの下、帰路についている最中だった。

この豆を舐めていると頭がとろけるようで、時間が経つのを忘れてしまう。家に帰ったら母親が激怒することは目に見えているのに、言い訳の言葉を考えることすらジャックの頭からはすっぽりと脱落していた。カラスがカーカー鳴いている。


(2)
ジャックが札束を持ち帰ってくることを期待した母親は、ジャックが「げえ」と口の中から出した、スーパーボール大にまで膨らんだ豆を見るや、我を失った。ジャックのベロを引っこ抜かんばかりに豆を掴むと、玄関に走り、暗闇に豆を放り投げた。

目をとトロンとさせて、たるみにたるんだジャックの顔も、豆が消えるやシャキッとした。すこし冷静になり、乳牛と豆の交換ではつり合いがとれないことは社会常識的にも明らかだから、急に弁解の言葉を述べる必要性を感じたものの、反面、不思議な豆の魅力にいまだ心を奪われており、目の前で怒り狂う母親にどうすればいいかわからず、ジャックは「あー」とか「うー」とか、言って立ちすくむしかなかった。

母親に、明日から町中這いずり回ってでも、おじさんを見つけて、必ず乳牛を取り戻してくるように言われて、それがたとえ捜索のためでも、大好きな乳牛のために大っぴらに活動できるなら、ジャックにとって自分を奮い立たせて、ワクワクできること。ジャックは「ひょほーーー!!」と大はりきりで、弁当におむすびと卵焼きとウインナーを準備すると、その日は床についた。ジャックは生きる希望をびんびんに感じていた。

ハンガーにかけられたジャックのポケットからおじさんの名刺がはらりと落ちた。「♥️ココロのスキマ・・・お埋めします 喪黒福造」

(3)
翌日、ジャックの家には朝がやって来なかった。いつまで経っても外が暗い。

ジャックの自宅の東側は、民家もなく原野になっているが、空を覆い隠すほどの扁平をした楕円が、太陽の前に立ちはだかっていた。


この映画、有名だけど観たことないです。


楕円の周囲はツヤのある黒い蔦が密生し、それを形容するのにぴったりのことばがあるとすれば「毛むくじゃら」だった。

ジャックはリュックに弁当箱を詰め込むと、巨大なぺちゃんこのラグビーボール、屹立する餃子、もしくはオムレツに向かって走った。

ぐるりとそれの正面に回り込むと、家の前に聳え立っているのは天まで届く巨大な女性器だった。日光を浴びて黄金のように光っている。おじさんがくれた豆は、豆は豆でも「陰核」だったのだ。ジャックはごくりと唾を飲んだ。

ジャックは雲の高さまで登れば、天国が待っていると確信した。彼は陰毛の蔦にしがみつくと、小さな一歩を踏み出した。

(4)

その頃、遠い星から地球を定点観測していたエロい宇宙人・ワガ星人が、地球に生えた巨大な女性器を発見した。星人は管制室に並ぶスクリーンに映し出された画面いっぱいの性器に、びっくりして突出した両目で、画面を叩き割るくらい驚くや、即座に男根型の宇宙船に飛び乗り(無免許運転)、鼻息荒く、ワープ航法を繰り返しながら地球を目指した。

宇宙人は地球の真上でキキキキと急ブレーキをかけて、宇宙船を強引に停車すると、「どすん!」と目標地点に飛び降りた。ワガ星人はしたたか足をくじいた。

宇宙人の着陸で地上では大きな地震が起こった。彼は巨人族だった。

とっくに女性器を踏破して、頂上の陰核に座って、雲からの景色を望みながら弁当をパクついていたジャックは、性器を犯そうと息を荒くしているワガ星人と目が合った。

ワガ星人は激怒した。彼は、ジャックが女性器を征服し、ゆうゆうとおにぎりを食べていると勘違いしたのだ。星人のいちもつは怒張している。ぐわとがさつで毛深い手を伸ばした。ジャックを捕まえて食べるつもりだ。

ジャック、危うし!!

(5)
そこへおじさんが駆けつけた。なんと、昨日、ジャックの乳牛と豆を交換したおじさんだ。捜していたおじさんの方から現れるとは!

おじさんは胸ポケットからペンライトのような機械を取り出すと、右手に持ち高々と掲げて、スイッチを点火。機械は閃光とともにフラッシュビームを放射し、ビームがネオンライトのようにおじさんを包み込むと、彼もまた銀色の巨人に変身した。


おじさんはウルトラマンに変身

いちもつを大きくして鼻息の荒い、まるで原始人が巨大化したような野蛮な宇宙人と、銀色のスーツに身を包み、スマートな身なりのウルトラマンのような巨人。どっちが正義の味方か明らかだ。

こうして巨人どうしの世紀(性器!?)の戦いが始まった。

ジャックは陰核の特等席にまたがり、巨人たちの目線の高さで、世紀のバトルを観戦しながら、おにぎりを食べる手を止める一方で、手すさびに陰核を揉んでいた。

ウルトラマンは両手を交差させて必殺光線を出すが、星人にはまったく効かない。むしろ当たったのが股間なので、心地よい刺激となり、勃起を持続させている。

星人はゲラゲラと笑い出し、その殺人的な音波は近隣の民家や自動車の窓ガラスを割り、振動でクラクションやエアバッグを作動させ、必ず人を怒らせる不快な踊りをチャカチャカ踊り、ウルトラマンを苦しめている。ヒーローのピンチだ。

至近距離のジャックが無傷でいられるのは、陰核の上の彼は、星人の口よりも高い位置にあるし、指向性をもった音波が彼の高さまで届かなかったからだ。


(6)

ウルトラマンが絶命しかけて、星人に踏みつぶされているところで、再び地震が起こった。ジャックが戦いに注視し、なんとなく揉んでいた女性器がいつの間にか、絶頂に達し、大きく振動している。

女性器がくじらのように潮をふいた。潮吹きの勢いが強すぎて、これをまともに浴びた星人は、バラバラに切断されて死んだ。

「へあっ!!!」

ウルトラマンはジャックにお礼を言い、まだプルプルと不安定な女性器から落ちそうになっているジャックを両手で包み込むと、そっと彼を地上に降ろしてやった。

変身したウルトラマンが太陽エネルギーの弱い地球上で活動できる時間はわずか3分である。テレビでは胸のランプを赤く点滅させて、「へあっ!!」と飛び立つところだ。

しかし、このウルトラマンは空を飛べない。


(7)
ウルトラマンは等身大のおじさんの姿に戻ると、彼の正体をジャックに明かした。おじさんの正体も宇宙人だった。宇宙船の事故で地球に不時着し、地球人・喪黒福造に化けて、故郷の星に帰る方法を探していた。

おじさんはついに、地球を脱出する方法を見つけた。ワガ星人が地球にやって来た男根型光速宇宙船で帰ればいいのだ。

ペットの羽ゴリラに背中を掴んでもらうと、地球の上空に停車している宇宙船に乗り込むことに成功。ウルトラマンは自分の星へと帰っていった。


オズの魔法使いに出てくる羽猿

ジャックは、地球を去るウルトラマンから、珍味「ゴリラの丸焼き」をもらい、豆と交換した乳牛も返してもらった。

ウルトラマンは、ジャックの牛に改造を施していた。牛の黒いぶちと、白いぶちでは次元が異なる。牛の黒い部分は、どこかの暗黒星雲やダークマターの一部であり、またその入り口だった。ウルトラマンは牛を使って、故郷への帰り道をつくろうとしていたのだ。

ジャックは家に乳牛を連れて帰ったが、その日のうちに、乳牛を残して姿を消した。牛の黒いぶちの中に入って帰ってこられなくなったのである。

数年後、宇宙をさまよう牛の黒いぶちがブラックホールとつながり、地球や太陽、太陽系のすべての惑星と衛星がブラックホールに飲み込まれることになる。われわれの太陽系は乳牛になった。


巨大な女性器もしおれて横たわってしまった。やがて腐敗してまん臭というより死臭を放ちはじめた。

(8)
この一連の騒動を、また別の星系にある惑星から天体観測している宇宙人タックがいた。

タックも宇宙船で星間航行をしている最中にアクシデントに見舞われて、辺境の惑星に不時着したのだった。

地球から発進したウルトラマンの宇宙船の航路が幸いにもタックのいる惑星の附近を通過することがわかった。おじさんはとっくに、巨人のウルトラマンに戻って、宇宙船を操縦している。

タックは無線機でポン・ポン・ポンとSOS信号を打ち上げ、ウルトラマンがやって来る前に、惑星にリアルで巨大な「女体の地上絵」を描きあげた。タックは女体の陰部にあたる部分の地面をシャベルで大きく掘削し、そこを彼が栽培している食用の、ヌルヌルのクロレラから作った潤滑ゼリーの沼にした。

SOS信号をキャッチ。無視してそのまま通り過ぎようとしたウルトラマンだったが、目が飛び出さんばかりに吃驚仰天した。辺境の惑星に肉眼でくっきりと見えるリアルな女体があるではないか!

ウルトラマンは「へあっ!!」と惑星に飛び降りると、スーツの股間部分をもっこりさせて、地上絵と交わった。

タックも巨人タイプの宇宙人だった。ウルトラマンがへとへとになって仰臥したまま寝ているのを見届けると、宇宙船に飛び乗り、故郷の惑星を目指した。


(9)
この辺境の惑星での騒動を、同じ星系の、またまた別の惑星から天体望遠鏡で観測している宇宙人ホンダがいた。ホンダは、覗いている接眼レンズを通りこして、目玉で対物レンズを突き破らんばかりに驚いた。


彼はこの話を書きとめて人に話したが誰も信じてはくれなかった。

ホンダは腹いせに、女体の地上絵で手淫をしようと再び望遠鏡を覗き込んだが、地上絵は風が吹いて消えてしまい、もはや観測できなかった。ウルトラマンの白骨化した無惨な骸(むくろ)らしきものだけが力尽きて、横たわっているが、これもピューピューと風化している。

ホンダの住んでいる惑星は中世にあり、それほど科学は発展しておらず、代わりに奇妙な宇宙観や宗教観がこの惑星を支配していた。

ホンダは神を冒涜していると、宗教裁判にかけられ処刑された。

ホンダの最期のことばは、「それでも恥丘は回っている」だったそうだ。

やがてウルトラマンが交わった辺境の惑星は、妊娠して月を出産した。ウルトラマンの顔をした衛星が惑星の周囲を回っている。




月に顔があるなんて、地球の中世ヨーロッパの天体を擬人化した絵とそっくりではないか。そういえばこの太陽系の太陽にも顔がある。

こういうのが彼らの宗教世界をより頑迷なものにしているらしい。


(10)
このホンダの処刑を遠い宇宙から大爆笑しながら目撃していた存在がいた。

これがまたまたどこか別の天体の宇宙人オヨヨンなのか、自分の惑星に帰還したタックなのか、はたまた神(GOD)なのか。

これは読者の世界観に任せるとしよう。

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