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未来世紀 日本書紀(本多のSFショートショート)

春🌸が来た。シェアハウスが楽しくなる予感。
 
今回は神話風に書いてみよう!せっかくだから、ラテンアメリカ文学のガルシア・マルケスっぽさも一行入れてみた!マジックリアリズムとSFの融合になるかはよくわからん。
 
陽気なブラジル🇧🇷のアマテラスが帰国して、太陽がリオデジャネイロに隠れてしまい、家が暗黒になった。
 
サンバの踊れない住民は太陽を永久に失ったかに見えた。
 
住民はたどたどしいサンバを覚えて地球の裏側からアマテラスの気を惹こうとしてみたものの、下手くそな踊りはブラジルまで届かず、かえって土着の神々の逆鱗に触れた。

住民は鬼から「こぶとり爺さんのこぶ」を頬っぺたにつけられただけではすまされなかった。 神々は愚かな住民の頭上にイカズチ⚡を落とした。

怒りの神は、病気をまん延させ、硫酸の雨と、放射能の灰を降らし、北朝鮮のテポドンをテレポートさせ、様々な災厄をこの家に与えた。
 
割れた天から落ちてくる、どんなエネルギーの核ミサイルも、家の敷地内を決して越えなかったが、爆音だけは大地に染み込んで、地球の裏側のブラジルまで届き、寝ているアマテラスの耳元で「ぽかん💥」と小さく可愛らしく炸裂した。

アマテラスは「ふわーっ」とあくびをして目を覚ました。朝日がやさしく射し込み、極楽鳥がさえずり、野生のチーターが床に寝そべっている。
 
リオデジャネイロにお隠れになった太陽を司るアマテラスは、眠気覚ましのサンバをラジオ体操感覚で踊ってシャキッとして、以前いた日本の家でなにか異変が起こっていることに気がついたが、アマテラスは神なのに瞬間移動能力(テレポーテーション)を持っておらず、飛行機✈️で帰国したので、なす術がなかった。

春が来た。さび猫のプリンちゃん以外はみんな死に絶えてしまった。
 
「未来世紀 日本書紀」より
 
明るいブラジルの方が家にいた時は、みんなのまとめ役になってくれて楽しくやっていたのだけど、いなくなってからは家の雰囲気が一気に悪くなった。木造家屋で暖房をつけても寒く、厳しい冬だった。それでも元気のふりをして、なんとか乗りきった。
 
春が来た。一人いなくなって、代わりに新しく引っ越してきた青年が、自分と同い年で話の合う人で良かった。ここには書かないけど、偶然すぎることがたくさんあってびっくり。
 
明日からフィリピンの方が二人やって来る。ワクワク。小学校で英語を教えてるんだって。
 
楽しくなりそうだから、引っ越さなくて本当によかったー!!

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