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GDPって何?

初めに

みなさん初めまして、identity academy2期メンバーのR.Kです。identity academy2期では活動内容を週2回程度noteを使って発信していきます。
初回は、よく耳にするけどいまいち分からない、GDPについてです。数式や抽象的で難しい言葉がたくさん出てくるような説明は大学の授業や本にお譲りするとして、ここではGDPを初めて聞くような人でも分かる説明を心がけたいと思います。(自分もGDPを聞いたことがあるけど中身については理解していない人だったので...)

1. GDPとは一体何?

まず初めに、GDPの概要についてです。GDPは、「Gross Domestic Product (国内総生産)」の略称で、一般的には「ある国で1年間に個人、企業、政府によって生み出されたモノやサービスの付加価値の総和」であるとされています。これはモノやサービスを生産する立場から見たGDPで、「生産面のGDP」と呼ばれます。新たに生まれた付加価値は、そのモノやサービスを生み出す要素である労働者へのお給料や固定資本の減耗分などとして分配され、それもとに個人や企業は消費や投資を行います。そのため、「生産面のGDP」「分配面のGDP」「支出面のGDP」は全て同じになり、これを「三面等価の原則」といいます。
次に、GDP構成比がどうなっているのかを見てみると、個人消費が53%も占め、続いて政府消費、設備消費となっています。(日本経済新聞, 2021年5月19日記事より)

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日本のGDPは、2020年時点で約540兆円で世界第3位です。みなさんご存知の通り、日本はかつて世界2位の経済大国でしたが、今ではアメリカ、中国に大きく離されてしまっています。また、日本のGDPが540兆円であることを考えると、コロナ対策費の40兆円がいかに高いかもわかります。(ガベージニュースより)

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2. なんでGDPは重要なんだろう

次に、なぜGDPがこんなにもニュースや新聞などで取り上げられているのかについて考えてみたいと思います。それは、GDPは「その国が一年間で生み出した利益を定量的に測ることができ、経済の大きさが分かるという点で唯一無二の経済指標だから」です。GDPが前年同期や前期と比べてどのくらい増減したのかを見ることで、国内の景気変動や経済成長を推定することができ、経済全体の流れを理解することができます。また、世界各国がある程度統一された基準でGDPの値を作成しているため、国際比較ができるという点でも優れています。
一方でGDPにも測れない価値もあり、健康や環境、育児、強いては人の幸福などの豊かさについては測れないとされています。例えば、GDPが大きくてもある一部の国民のみがその恩恵を享受している場合や、自動車が盛んに生産されていてもそれによって排気ガスが大量に排出されているかどうかGDPの数字では分かりません。さらに、もしベビーシッターを雇って子供の世話をした場合、それはサービスになるのでGDPに含まれますが、両親が同じことをしても給料は支払われずGDPには含まれません。

3. GDPを上げるには

具体的な数字の上げ方の前に、まずは乗数効果について説明します。
乗数効果とは、個人が新たにお金を消費すればそれが企業の収入となり、社員さんの給料がupしてその人の消費が増え、それがまた別の企業に行き、、、と元々あったお金が相乗効果によって何倍にも広がっていく効果のことです。
みなさんお分かりの通り、というかもはやこの文章の通りになってしまいます、GDPを上げる最も簡単な方法は「とにかくお金を使うこと」になります。GDP構成比を見るとわかるように、日本のGDPの53%は個人消費によって支えられているので、個人の消費金額をあげれば必然的にGDPも上がるということです。そのためには、それぞれの企業の給料をあげて個人が消費できるお金を増やし、さらに物の値段をあげて企業の収入を増やせれば、好循環が生まれて乗数効果が期待できます。
こうしてみると、政府による10万円の給付金も、貯蓄するのではなくたくさんお金を使ってもらってGDPを向上させようという狙いがあったのです。(僕は親に取られましたが)

4. なぜ日本のGDPは低いままなの?

さて、GDPが重要だということが分かり、GDPの数値の上げ方もわかって、なぜ日本のGDPはずっと低いままなのでしょうか?最後にその点について少し書きたいと思います。
上のグラフにもあるように、日本のGDPはバブル期までは世界2位という輝かしい位置付けにいましたが、バブル崩壊と同時に停滞期へと突入してしまいました。この理由について、identity academyで取り上げたものは大きく分けて3つあります。①急激な少子高齢化。②国としての生産性が低い。③日本人のマインドに問題がある。の3点です。
①に関しては、GDP世界1位のアメリカは常に移民がいるために労働人口が保たれているのに対して、日本は高度経済成長期を終えて一気に少子高齢化が進み、経済成長を支えてきた労働人口が保てなくなってしまったということです。日本は先進国に追いつくために、みんなで頑張って長時間働いて成長率を維持してきましたが、欧米諸国に追いつきさらに労働人口も減ったことで成長率を維持できなくなってしまったのだと考えることができます。
②については、ドイツと日本を比べてみると分かりやすいです。両国は同じ敗戦国で製造業を中心としているのに対し、ドイツの生産性は日本よりも40%高いとされています。この理由としては、生産性のない仕事や自己満足で終わってしまいかねない仕事に価値を感じてしまう日本人特有の仕事観があります。例えば、DXが日本で進まない理由には、DXによって仕事が失われるのではないかと考える人が多くいるからであり、他の先進諸国と比べても日本の失業率は極めて低い水準となっています。
また、アメリカンドリームという言葉があるようにアメリカ人は将来に大きな夢を持つ一方で、日本人には明るい未来を信じていない人が多いということもあげられます。これが3つ目の理由で、今回の10万円給付金も貯蓄に回した人が多いように、日本人にとって銀行口座は何かあった時のため(その何かが起こるかはわからないが) の心の安心材料となっています。そのため、アメリカ人に比べて積極的に消費活動が行われず、GDPも上昇していかないのだと考えられます。

まとめ

2期の初回noteはGDPの簡単な概要についてでした。全部をまとめると、GDPは経済状況を知るために重要で、とにかくお金を使うべき!ということです。(笑)
今後も、identity academyの活動内容を継続的に発信していくのでぜひご覧ください。
最後までお読みくださりありがとうございました!

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