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小説に向かないRPGをあえて文章化!

実は、RPGって小説に向かないとはよく言われている話。
特にああいうツクールで作られた場合。
なぜかというと、「キャラが多い」。
ツクールって、複数のチビキャラで主人公キャラが設定できてしまう。
小説はたいてい、主役は一人。

あとは、RPGあるあるの「洞窟探検」の楽しみが、小説ではちょっと厳しい。
敵キャラとの戦闘シーンもゲームでは面白くても、小説だとゲームのようにはいかない。

「スィートドリーム」は、さらに独特で、「キャラが多い」上、全部「主人公がナレーション」という作者のこだわり縛りがあるという。主人公がその場にいなくても、主人公がナレーターをしないといけない。外伝のラストで理由が明らかになるけど、夢オチ(実は主人公の夢でした)ではないですよ。

六人で会話シーン

だから、原作者FAAさんも「これ、小説化は無理だろうなぁ」と当初から言っていた。いや、でも一般の小説の型とは違くても文章化は可能だろうと私は思う。主人公がナレーターの上、キャラが多く、特に1章は六人の主役キャラ目線の入れ替わりが激しいです。
 キャラが多い、つまりセリフが多いので、どれをだれが喋っているか?をわかるようにしないといけなくて、それだけで説明スペースを取られる。それで描写を入れてしまうと、くどくなる。あと、話のテンポが速いので、説明を入れすぎると、流れや雰囲気が壊れてしまう。

主人公がいなくても、主人公がナレーター

で、小説に普通あるはずの描写シーンが入れられない。主人公の性格からして無欲な神官で、そういう言い回しをしないとか、そういうのを気にしないタイプ。

なので、本格的な小説を期待している人向けではないです。
どちらかっていうと、サクサク読みたいタイプ向けです。
シナリオ本みたいなイメージで・・・。

でも、後編の三章、四章は、そのサクッとライトな文体のわりには話の展開が重くなっていきます。残酷なシーンもぽちぽちとあるけど、一般的な漫画とかのほうがもっと多い気がします。でも、残酷シーンが嫌いな私でも読めるくらいなので、ナレーターが純朴な神官というのもあり、まぁ抑え気味ではあるかなと思います。

やっぱり外伝で真ラストですね。最近、原作者さんも「外伝ってそんな壮大だったっけ?忘れてた。外伝が一番アツイ展開だよね」と思い出したようです。

なんにせよ、形にできるのが一番です。もう古いツクールは動かなくなるから…。(苦笑)

今年(2024年)、小説版スィートドリーム 原作 FAA を電子書籍で出す予定です。全巻出せるよう、がんばります!