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「100年先も残る飲食店」になる3つの秘訣!イデアルホールディングスが考える「本物」とは?

株式会社イデアルを経営しています、和田 亮(わだ りょう)です。

イデアルは新潟県内に9店舗を経営している飲食企業。それぞれのお店では毎日、さまざまなスタッフがお客様に美味しい料理を提供しています。

普段、このイデアルのnoteは担当の小池が執筆しています。しかし、今回はイデアル社長の私からお話したいことがあり、小池に代わって執筆しています。

※和田の個人noteも読んでいただけるとうれしいです!

ところで、開店10年以内に90%の飲食店が潰れるという話をご存じですか?

そんな競争の激しい業界で長年複数の店舗を運営するイデアルのモットーは、「100年先も残る飲食店」であること。そして、100年後も残り続けるために重要なのは“本物”であり続けることです。

では、“本物”とは一体なんでしょうか?

世間を見渡すと、「本物の料理」、「本物の接客」といった物言いがあふれています。もちろん料理や接客のクオリティを上げるのは必要なことですが、イデアルが大事にしているのはもっと本質的なこと。

「飲食店とは何か?」
「飲食店とはどうあるべきか?」
これらを常々探求する中で、“本物”に欠かせない3つの心がけを見つけました。

その3つの心がけとはこちら。

①「ふとる」こと
②温故知新
③シンプルであること

今回は、イデアルの店舗を例に、この3つの心がけについて紹介していきたいと思います!

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愛される飲食店に欠かせないのは、「ふとる」こと!?居心地のいいお店作りの大原則

「100年先も残る飲食店」になるためには、お客様に愛されることが欠かせません。心地よくくつろげて、安心できて、満足できる場所に人は集まります。

そのために必要なのは、「ふとる」こと。「ふとる」、すなわち不快、不安、不満などの「不」を「取リ除く」気遣いを、イデアルでは何より大事にしています。

例えば、団体のお客様がいらした際に机を動かすことはよくありますよね。
席を動かせば、照明や空調の当たり方が変わるもの。スポットライトが顔に直撃するなど、ちょっとした変化で不快が生じてしまうこともあります。

「ふとる」ためには、そんな小さなことにも気付ける細やかさが必要なのです。

五郎 古町店」は、創業から40年近く経つ老舗の和食居酒屋。イデアルの第一歩目とも呼べるお店で、多くのお客様に長く大事にしていただいています。

このお店が長く愛されているのは、「ふとる」を徹底しているから
居酒屋の根本は、お酒を飲みに集まったお客様が楽しく、居心地よく過ごせる空間を提供すること。そんな空間をめざして、そのときどきの状況やお客様に真摯にむきあい、細かな調節、小さな進化を重ねてきました。

老舗だからこそ、「ずっと変わらない、居心地のいいお店」だと思ってもらうために、気遣いが必要なんです。

また、多様なお客様のニーズを満たすためには、新たなお店を作るのも一つの手です。

五郎 万代店」は、団体のお客様やご家族連れ、若い人たちもカジュアルに楽しめる「五郎」としてオープンしました。

歴史のある古町店は、コンパクトな店内もあいまって隠れ家的な雰囲気です。大勢で楽しく飲みたい方向けのお店ではありません。そんな「不」足を取り除くために生まれたのが、こちらのお店でした。

交通の便に優れた新潟駅前に位置し、古民家を改装した解放感のある内装。さらに、古町店では提供していない、串揚げなどのリーズナブルなメニューも充実させるなど、気軽に楽しく過ごせるお店づくりを徹底しています。

一方、同じく新潟駅エリアに、「五郎 古町店」のようなこだわりを感じていただける、言わばツウ向けの「越後一会 十郎もオープン。

店名の「越後一会」とは、「一期一会」のもじり。その名の通り、新潟の誇る食材との出会いを楽しんでもらえることがコンセプト。

新潟駅から徒歩3分に位置しているので、県外からのお客様でも、帰りの新幹線の時間を気にせず、ゆっくり楽しんでいただける店を目指しました。

「五郎 古町店」、「五郎 万代店」、「越後一会 十郎」は兄弟店ですが、それぞれにどんな「不」を取り除くのかは全く異なります。

要望をなんでもかんでも取り入れれば、お店は崩壊してしまうでしょう。それでは「100年先も残る店」にはなりえません。そのお店ではどんな「不」を「取る」のか、役割をしっかり見定めることが重要です。

たとえば古町に居を構える貝料理専門店の「たらふくうなりは、個室を作ったこともポイントのひとつ。

同じく古町に店を構える「五郎 古町店」は、個室のないワンフロアの店舗。プライベートな時間を楽しみたいときなんかには不向きです。

お友達同士でちょっと内緒話をしたいときには「たらふくうなり」に来ていただくなど、空間の特徴によってもお店の役割は変わるものです。

ただ「新しい」だけではダメ?新しい挑戦を始めるときの合言葉は「温故知新」

お客様の不快、不満、不安を取り除き、居心地のいい空間を作るのは飲食店作りの大前提。その大前提を徹底するのも大事ですが、同時に新しいことにも挑戦していかなければなりません。

新しいことを始める時にこそ重要なのが、「温故知新」という考え方。ただ新しいだけではなく、歴史やほかの地域・文化に対するリスペクトをもった挑戦であることが大事なのです。

新潟にはまだないお店など、多くの挑戦を行ってきたイデアル。その背景には常に、徹底したリサーチがありました。

例えば、新潟初のオイスターバーとして出店した「マリスコ」。こちらは、お客様のある一言がきっかけで生まれました。

万代五郎で冬にカキの食べ比べイベントを開催したところ、お客様から「これでカキを食べに東京まで行かなくて済むよ!」の声が。

それを受けて早速東京のオイスターバーに足を運んでみたところ、その楽しさに感激。ニューヨークのグランド・セントラル駅直結の老舗オイスターバーにも実際に食べに行きました。

そこには、電車の待ち時間にちょっと立ち寄って、白ワインとカキ1、2個をつるっと食べて帰る文化があったのです。

仕事帰りにいつでも味わえる、新鮮なカキ1個分の非日常。新潟にもそんなカルチャーがあってもいいのではないかと考え、当時新潟駅直結だったビルに「マリスコ」をオープンしました。

“本物”を提供するためには、コンセプトだけではなく、料理についてもリサーチを欠かせません。

FIREPIT」の前身となった肉料理専門店「NIQ」、デートでも使える焼肉店というコンセプトの「焼NIQ」の売りは、熟成肉

イデアルとして初の肉料理専門店を出すにあたり、今度も徹底的にリサーチ。看板メニューとなる熟成肉と出会ったのは、世界二大ステーキハウスと称されるアメリカの「ピーター・ルーガ―」、「ウルフギャング・ステーキハウス」でした。

「これは日本にはない、本物だ!」と確信した私は、熟成肉のルーツや歴史、その製造法についても調査を重ねていきました。

※熟成肉との出会いについては、こちらの記事もぜひご覧ください!

二大ステーキハウス御用達の肉店「マスターパーベイヤー」の熟成方法も見学し、「NIQ」の2階に本場のやり方を踏襲した自家製の熟成庫を作りました。これで、いつでも“本物”の熟成肉を提供できるというわけです。

一時期飲食店で流行となった「熟成肉」ですが、私たちがメニューに取り入れたのはそれ以前。ブームが過ぎ去ったあとも、人気メニューとして提供を続けています。

流行りはいつか廃れてしまうもの。単なる流行で終わらせないためにも、「温故知新」で“本物”を探求し続ける必要があるのです。

おいしいものや居心地のいい空間は変わらない!普遍的なものは、いつも「シンプル」

「温故知新」を突き詰めると、いつも「シンプル」であることの重要性にたどり着きます。「100年先も残る店」とは、言い換えれば普遍的で、シンプルだということだからです。

薪火料理を楽しめる「FIREPIT」は、イデアル至上もっとも「普遍的でシンプル」な店舗と言えるかもしれません。

繰り返しになりますが、「FIREPIT」の前身は、肉料理専門店の「NIQ」。薪火レストランへ転身した背景には、コロナ禍がありました。

アクリル板でテーブルを仕切らなければならないご時世。みんなで取り分ける大皿料理がメニューの中心だった「NIQ」は、転換を余儀なくされる状況です

外に出かけることすらはばかられる中で、「家では絶対に食べられないものってなんだろう?」と考えて出てきたのが、薪火料理でした。

薪で起こした火を使って素材を焼く。調理方法としてはものすごく原始的ですよね。薪火料理は原始的でシンプルだからこそ、肉・魚・野菜、それぞれの素材のよさをストレートに味わえる調理法なんです。

100年先まで残る店を作っていくためには、「温故知新」が重要だということはすでにお伝えした通りです。

人間が普遍的においしいと感じるもの、居心地がいいと感じる空間は、100年経っても変わりません。そしてそれは、100年前、あるいはもっと昔からあるものに学び、そのシンプルな本質を新しい挑戦に活かしていくことだと言い換えられるのです。

「Make People Happy」を胸に、100年先も感動を与えられる飲食店を目指していく

「100年先も残る店」を目指し、たくさんのお客様に愛されてきたイデアル。今回は、そんな私たちが大事にしている3つの心がけをご紹介しました。

「ふとる」こと、温故知新、そして、シンプルであること。
この3つに共通するのは、目先の新しさや小手先の儲けに惑わされずに、“本物”をお客様に提供することです。

これは、きっとどんな飲食店でも、成長していくために大事にしていただくべき心がけのはず。そしてなにより、この3つの心がけを使って、お客様が感動できる、地域に必要とされる「本物の飲食店」が増えていくことを願っています。

その先がけとなれるよう、経営理念である「Make People Happy」を胸に、イデアルはさらに進化してまいります!

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最後までお読みいただき、ありがとうございました!

今後もイデアルに関することをご紹介する予定です。ぜひチェックいただけると嬉しいです。よろしくお願いいたします。


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