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飲食店を作る時に必要なのは直感と情熱。イデアルがお店作りで大切にしていること。

株式会社イデアルを経営しています、和田 亮(わだ りょう)です。

イデアルは新潟県内に9店舗を経営している飲食企業。それぞれのお店では毎日、さまざまなスタッフがお客様に美味しい料理を提供しています。

普段、このイデアルのnoteは担当の小池が執筆しています。しかし、今回はイデアル社長の私からお話したいことがあり、小池に代わって執筆しています。

※和田の個人noteも読んでいただけるとうれしいです!

今回はイデアルや私がお店作りをする上で大切にしていることを話したいと思います。


直感は何もないところからは生まれない。直感を磨くために必要なこととは?

イデアルは現在、新潟県内で9店舗のお店を経営しています。

どのお店にも違う個性があり、また違うコンセプトがあります。

お店を作る時、誰もがコンセプトを大切にしていると思います。イデアルもコンセプトを大切にしていますが、もしかすると他とは少し違うかもしれません。

イデアルがお店を作る時に大切にしているコンセプトは「魅力的かどうか」です。

この「魅力的かどうか」はお客様に対してだけではありません。私やイデアルや働くスタッフ、そしてお店を開店する地域にとって魅力的かどうかも大切にしています。

この魅力的かどうかを判断する時、私は直感と情熱を大切にしています。

直感は「こういうお店があったらいいよね」「こういうものが美味しいよね」といった閃き程度のものです。

この話をすると「直感はどうやって磨いているのですか?」と思う方がいるかもしれません。

私は直感を磨くには経験が必要だと思っています。

私は今までたくさんのお店を作りたくさん失敗して来ました。その経験が直感となり、魅力的なお店のアイデアとなって閃くのです。

他にも、直感を磨くために行っていることがあります。

それはいろいろな場所や人に飛び込んでみること

いろいろな場所や人に興味を持ち、「合いそう!」と思った人とおしゃべりしてみる。直感はそういった経験から磨かれていくと思っています。


情熱はその場限りのものではない。流行りものにあまり情熱を注げない理由とは?

お店が魅力的であるかどうかの判断でもう一つ大切なのが情熱です。

情熱も自分やスタッフが情熱を注げられるものだけではいけません。お客様も情熱を注げられるようなものでなくては魅力的なお店とは言えません

そういう意味では、イデアルは流行りに乗っただけのお店を作ることはほぼしてきませんでした。「流行り廃り」という言葉がありますが、流行りのものはお客様だけでなくお店のスタッフの情熱もすぐに冷めてしまう傾向にあります。

もちろん、その流行りが本当に「100年後も情熱を注げる」というのであれば別ですが…。

この情熱に関しては、イデアルのお店での具体的なエピソードをご紹介しましょう。

イデアルには「Spanish&Oyster マリスコ」というオイスターバーのお店があります。

「Spanish&Oyster マリスコ」の外観
「Spanish&Oyster マリスコ」の内観

オイスターバーを立ち上げたくらいだから、そのお店の経営者は牡蠣が好きなのだろう、と思われるかもしれません。実はそうではなく、私はあまり牡蠣が好きではありませんでした。

しかし、お店に立っていると、新潟には牡蠣を好きなお客様が多い

それこそ牡蠣に情熱を燃やしているお客様がたくさんいて、「新潟で牡蠣が食べられない時は東京まで食べに行く!」とおっしゃっている方がいるほど。

なぜお客様はそんなにも牡蠣に情熱を注いでいるのか。興味を持った私は、オイスターバーを研究することにしました。

東京のオイスターバーまで足を運んでみることにしたのです。

するとオイスターバーがとても楽しい!牡蠣があまり好きでない私でも、いろいろな種類の牡蠣が並べられているカウンターを見たり、他のお客様とワイワイ食事したりするのがとても楽しかったのです。

その後、本場ニューヨークのオイスターバーにまで行き「これは良い!」と確信。新潟にオイスターバーのマリスコを開店させたのでした。


直感と情熱は必要だが、それだけでは魅力的なお店は作れない!?

魅力的なお店を作るには直感と情熱が必要と書いてきましたが、実はそれだけでは魅力的なお店を作ることはできません。

先ほどマリスコの開店までの話を書きましたが、直感と情熱を感じた後はリサーチが必要になります。

牡蠣があまり好きでない私はオイスターバーのリサーチをしなければ、そこまでオイスターバーに情熱を注げなかったかもしれません。

リサーチしたからこそ、オイスターバーの楽しさや魅力に気づきマリスコを開店させる情熱を持てたのかもしれません。

マリスコの他にも同じような例で「薪焼きイタリアンFIREPIT」があります。

「FIREPIT」の外観
「FIREPIT」の内観

FIREPIT(元NIQ)を開店する前、イデアルのお店は魚介類のお店が続いていました。

私は個人的に肉が好きなので「次のお店は肉がいいよね」「肉は肉でも塊肉がよい」、さらに「塊肉の他にも、もう一つ特徴がほしい」とも直感的に思いました。

事実、肉は薄切りで焼くよりも塊のまま焼いた方が旨味を閉じ込められて美味しい。

「FIREPIT」の塊肉を焼いて切り分けてもの

ただ、確かに塊肉は美味しいが「それだけでは足りないな」と思ったのです。

その後、塊肉をリサーチするためにニューヨークへ行きました。

そこで熟成肉と出会います

本場ニューヨークのレストランの熟成肉

熟成肉とは文字通り、お肉を一定期間熟成させたもの。熟成させることで肉の中のたんぱく質が分解されてアミノ酸が増加し、新鮮な肉よりも旨味が強くなります。

私は知らなかったのですが、熟成肉はとても歴史ある食べ物でした。

冷蔵庫がなかった時代、スコットランドでは洞窟に肉をつるして保存する文化がありました。そしてスコットランドの移民がアメリカに熟成肉を伝え、ニューヨークでブームになったそうです。

ニューヨークにて。大きな塊を肉吊るして熟成させる

熟成肉は伝統あるもので、長い間たくさんの人々を魅了してきた食べ物だったのです。

私は「熟成肉は本物だ」と感じ、新潟でFIREPITを開店させました。

このようにイデアルではお店を作る時、自分やスタッフ、お客様やその地域にとって「魅力的かどうか」を大切にしています

魅力的かどうかは直感と情熱で決め、その後のリサーチを経て具体的にお店を作り、開店しています。

おかげ様で今回ご紹介したマリスコやFIREPITだけでなく、今まで開店したお店はスタッフにもお客様にもその地域にも愛されるお店になりました

これからも直感と情熱を大切にし、自分やスタッフだけでなくお客様や地域に魅力的なお店を作っていきたいと思っています。




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