松田悠士郎

アマチュア小説家。クローン病(特定疾患)患者。

松田悠士郎

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最近の記事

七大世界戦の初日にボクシングへの思いを綴る

 どうも、松田悠士郎です。  今回は趣向を変えて、今日と明日の2日間に渡って開催される『Prime Boxing10』にかけて、私の個人的なボクシングへの思いについて書いてみます。  そもそも、私が最初にボクシングを知ったのは『週刊少年ジャンプ』にて連載されていた漫画『リングにかけろ』(車田正美著)です。ハッキリ言ってしまえば、人間離れしたパンチを打ち合う無茶苦茶な内容なのですが、幼い私にとってはとても面白いボクシング漫画でした。  しかしながら、実際はもっぱらテレビで『ワ

    • 嶋野のターゲットの周辺人物を考える

       どうも、松田悠士郎です。  前々回に引き続き、『鳳凰落とし』の続編の内容にさを作って行きます。今回は、ターゲットの少女の周辺に存在する人物を考えます。  今回ターゲットにされる少女には、同居する母親が居ます。その母親は重病に罹っていて余命いくばくも無い状態で物語に登場します。但し、年齢は比較的若めで、三十代後半から四十代前半辺りに設定する予定です。  ではここで、ビジュアルイメージの設定へ移行します。  少女のビジュアルを後藤花さん(アンジュルム)に設定しましたが、特に

      • 「こぶし探偵ともちん」第7話「ひとちがい」あとがき

         どうも、松田悠士郎です。  今回は、前回からの記事をお休みして、昨夜終了した「こぶし探偵ともちん」第7話「ひとちがい」(小説投稿サイト「カクヨム」にて不定期連載中)のあとがきと言う建て付けでお送りします。  まず、サブタイトルの「ひとちがい」ですが、こちらは以前にカクヨムの近況ノートにも書きましたが、尊敬する松田優作さんの主演映画のタイトルを元ネタにしていまして、今回は「ひとごろし」(大洲斎監督)から頂きました。この作品は優作さんのフィルモグラフィーの中でも数少ない時代劇

        • 嶋野龍平の次のターゲットを考える

           どうも、松田悠士郎です。  二週間前に「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」が終了し、こちらでの小説執筆は一旦休んでいましたが、そろそろ次回作の構想を練ろうと思いました。次に書くのはやはり、このnote上で最初に上梓した「鳳凰落とし」の続編にしようと、つい先程決めました。なので主人公は、孤高の殺し屋嶋野龍平に決定です。  さて、嶋野を主人公に据えて小説を書くには、嶋野が狙うターゲットを設定する必要があります。「鳳凰落とし」では、宗教団体『鳳凰教』の教祖である大鳥炎

        七大世界戦の初日にボクシングへの思いを綴る

          番外編 ビジュアルイメージ大全 その3

           どうも、松田悠士郎です。  本題に入る前に、前回の記事で「失念した」と書いた、MOMOのマネジャー藤村がストーカーだったと言う設定の元ネタが判明したのでお知らせします。それは、「仮面ライダーダブル」第13話「レディオでQ/狙われたプリンセス」及び第14話「レディオでQ/生中継大パニック」に登場した、園咲若菜のマネジャー上尾です。詳細は私のブログ「ハートボイルドマスターへの道」(はてなブログ)内の該当記事を参照頂ければ幸いです。  さて、今回は拙著の登場人物のビジュアルイ

          番外編 ビジュアルイメージ大全 その3

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」あとがき

           どうも、松田悠士郎です。  先週、ハートボイルド小説「その男、ジョーカー」の記念すべき第一話「卒業」が終了致しました。一度でも読んで頂いた方々、誠にありがとうございました。今回も「鳳凰落とし」と同様に「あとがき」と称して色々書いて行きます。  本編開始前の記事で書いた通り、「その男、ジョーカー」は私が尊敬する松田優作さん主演の元祖ハートボイルドドラマ「探偵物語」のあからさまなオマージュとして執筆開始しました。なので主人公のジョーこと青天目譲の台詞や地の文(一人称形式なので

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」あとがき

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#24

           翌日、ワタシを含めた結婚式参列者はひとり残らず坂上署で事情聴取された。何故か一番最後に回されたワタシは、これまた何故か取調室で薄らハゲ、もとい溝口さんと浜ちゃんとお話する事になった。 「おぅ青天目よ、随分しょうもない野郎をパクらせてくれたもんだよな、ああ?」  デスクを挟んでワタシの対面に座った溝口さんは、ワタシに向かって悪態を吐くと目の前の湯呑みを持ち上げて酒でも飲む様に呷った。まさか中身が酒って事は無いよな? 「そんな〜、殺人未遂に銃刀法違反、それに出来立てホヤホヤのス

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#24

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#23

          『喫茶 カメリア』内の中央に真っ赤なカーペットが敷かれ、簡易ながらヴァージンロードになっていた。その左右には椅子が背凭れをこちらに向けて並べられ、参列者が顔をワタシ達の方に向けて拍手している。店内には誰が用意したのか『結婚行進曲』が流れていた。ヴァージンロードの先にはすまし顔のニセ神父と、強面をやや引きつらせた大悟が立っていた。よく見ると、大悟の額にはうっすら汗が滲んでいる。緊張し過ぎ。  ゆっくりと歩を進め、新婦を送り届けたワタシは身体を屈めて参列者席の最後尾に回った。本来

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#23

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#22

           その後も『喫茶 カメリア』には式への参列者が続々と、と言う程多くないが、訪れた。まぁ殆どワタシが呼び寄せた友人知人で、新婦のMOMOちゃんには縁もゆかりも無い連中ばかりだが。その中に混じって、森崎もやって来た。勿論ワタシが呼んだ。何せ今回の仕事を早くしたのはコイツがMOMOちゃんを匿っていたお陰なのだから呼ばない訳には行かない。尚、他のファンに内緒で来ればMOMOちゃんとツーショット写真を撮らせてやるからと、撮らされる側の了承を一切得ずに口説いたのは永遠の秘密だ。 「探偵さ

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#22

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#21

           事務所に戻ったワタシは、中折れ帽をプライベートスペースへ放り込んでから、デスクにMOMOちゃんの携帯電話を置いて椅子に腰を下ろした。ジャケットの裾のポケットから煙草を一本抜き出して火を点け、ゆっくりと吸い込んで天井を見上げ、盛大に主流煙を吐き散らした。同時に「あ〜」と声を漏らす。流石に疲れた。  もうひと口吸ってから、ワタシは携帯電話を取り上げて電源を入れた。数秒後、けたたましい着信音のオンパレードを食らい、ワタシは思わず携帯電話をお手玉してしまった。クソ、誰だこんなもん考

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#21

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#20

          『私、MOMOは、今日でアイドル卒業しまぁす!』 『えぇ〜!?』  場内を震わせる程のどよめきを、ワタシはステージ袖で聞いていた。思った通りのインパクトだ。 『何でかってゆぅとぉ〜、実は私ぃ〜』  思わせぶりに言葉を切るMOMOちゃん、なかなかやるな。観客は固唾を飲んで次の言葉を待っているらしく、水を打った様な静けさだ。だがワタシの後ろからは物音が聞こえて来る。どうやらMOMOちゃんの発言に驚いた鈴井と藤村が、控室の扉を開けようとしている様だ。バリ封しといて正解。 『結婚しま

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#20

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#19

           ワタシは困惑顔のオッサンふたりと女子ひとりを促して控室に入ると、スタッフへの挨拶もそこそこにオッサンふたりを締め出してMOMOちゃんとふたりきりになった。 「それで〜、私は今日どぉしたらいいの?」  若干目を泳がせながら訊くMOMOちゃんに、ワタシは身体を屈めて目の高さを合わせて言った。 「まずは声を小さく。外の大人達には聞かれたくないからね」 「は、はい」  MOMOちゃんは急に神妙な顔つきになって頷いた。良い娘だ。 「いいかい、今日はファンの皆さんにキミが結婚する事を発

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#19

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#18

           その後、ワタシは藤村や鈴井の追及を何とかはぐらかし続けて数日を過ごした。それだけでなく、MOMOちゃんからもやれ大悟に会わせろだのライヴのリハーサルをさせろだのと散々ねじ込まれたが、その度に宥めすかして黙らせた。さすがに胃に穴が開くかと思ったよ全く。  ライヴ当日の昼、ワタシは藤村の携帯に電話をかけた。 『もしもし探偵さん!? 本当に大丈夫なんでしょうね〜?』  電話に出た途端、藤村の情けない声がワタシの鼓膜を直撃した。思わず顔を顰めて受話器を離してしまった。 「何だその声

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#18

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#17

           翌日、ワタシは昼食の為に『喫茶 カメリア』へ入り、奥のカウンター席に陣取った。ランチタイムだからか、店内はそこそこ賑わっていて大悟も忙しく動き回っていた。 「お待たせしましたジョーさん、いらっしゃいませ」  申し訳無さそうな顔で水の入ったグラスを差し出した大悟を手招きして、ワタシは小声で言った。 「結婚式、ここでやろう。五日後」 「え!? ここでですか? い、五日?」  大悟が素っ頓狂な声を上げたので、他の客の視線が一斉にこちらに浴びせられた。ワタシは周囲に愛想笑いを振り撒

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#17

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#16

           夜半を過ぎた頃、ワタシはMOMOちゃんを連れて『HONEY FLASH』の前にバンデン・プラを乗り付けた。周辺には酔客が多く往来していて、後部座席のMOMOちゃんは若干怯えている様だ。 「遅ぇなアカネの奴、寝てんじゃねぇだろうな?」  独りごちたワタシは煙草に手を伸ばしかけて止めた。どうせ後ろからアイドルの純真無垢な手が伸びて来て阻止されるから。  ハンドルに掛けた右手を小刻みに動かしながら待っていると、不意にワタシの右からノック音がした。見ると、すっかり出来上がったアカネ

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#16

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#15

           ワタシは大悟が持って来たコードレスホンを受け取ると、ジャケットのポケットから鈴井の名刺を取り出してテーブルに置き、事務所の電話番号を押した。 『お待たせ致しました、鈴井プロダクションでございます』  三コール未満で出たのは、先日ワタシが事務所を訪れた際に応対してくれた女性事務員らしかった。ご丁寧にどうも。 「ワタシ、先日お伺いした探偵のジョーですけど、藤村さん居ます?」 『あ、申し訳ございません、藤村は只今出先でして』  事務員の返答に、ワタシはかぶりを振った。またかよ。軽

          「その男、ジョーカー」EPISODE1「卒業」#15