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「“継続する”という偉業」

このブログを書いている今はダービーの2日後で、少しずつICUFCがない生活や、引退したという事実に実感が湧いてきました。今日は1年間僕がスタッフという立場でチームを見てきて、今一番みなさんに伝えたいことについて書こうと思います。それは、ICUFCがシーズンを通して継続してきたことは、数字には現れない偉業であるということです。

これを語る上でまず、僕たちが戦ってきた舞台について見つめ直してみたいと思います。今年のICUFCは、東京都2部に挑むはじめてのシーズンでした。

たとえ一つのカテゴリーでも、上のリーグに挑戦することの難しさを物語っているのが今年1部に昇格してシーズンを過ごした上智大学です。2部を堂々無敗で優勝して昇格したこのチームは、僕が夏に審判担当をした当時、1部で10試合を消化してまだ1勝も上げられていませんでした。この状況を知ったとき、ICUFCが1勝でもしていることが十分すごいことだと感じ、なかなか勝ち点が積み上げられないもどかしさがあった中での精神的な救いとなりました。これほど上のリーグで戦うというのは難しいことであり、ましてや2年連続で昇格してきたうちのようなチームにとってはより大きくのしかかるレベルの違いだと思います。

では、なぜ1年間戦い通し、残留、東京カップ出場権獲得と、ここまで胸を張れる結果を残せたのか。

その鍵となったのは、“継続性”だと僕は感じています。ICUFCはどんなときもみんながチームのことを想って考えながら行動し、ときに助け合い、ぶつかることもありながら成長を続けてきました。大学生になりほかの人たちが遊んでいたり、コロナ禍でボールにすら触れられず地味な筋トレなどのメニューが多かった時代があったりしながらも、週5,6の練習に欠かさず訪れ、目標達成のためにトレーニングを続けたメンタリティは尋常じゃないと思います。

これを特に感じたのがみんなの体力面の変化です。選手を辞めて運動不足になっていた僕が時々最後のダッシュに混ざったとき、吐きそうになっている僕に反してみんなは涼しい顔をして遥か先を走っていたことは印象的でした。(笑)このようにみんなにとって当たり前となっていた”継続すること”は、並の人が成し得ることのない真の偉業であり、みなさんに本当に実感してほしいところです。

来シーズン、また同じリーグで戦うものの人数は大きく減ってしまうという状況から、苦しい1年間を過ごすことになるのかもしれません。しかし、たとえリーグを代表するような圧倒的な選手がいなくても、ICUFCは全員が高いモチベーションを継続的に保ってトレーニングできることが強みのチームです。

これは選手だけでなく、監督、マネージャー、スタッフ、応援してくれるサポーターも含めての”全員”です。

来シーズンもICUFCに関わる人たちはこのことを忘れずに、どんな困難があっても、どれほど努力が数字に現れなくても、前を向いて歩み続けてほしいと思います。そして1年間やり通し、その軌跡を振り返ったときはじめて、自分たちが続けてきたことの偉大さに気づき大きな達成感を得ることができるのだと思います。

いつまでも、全員で戦い、全員で笑う僕の大好きなICUFCでいてください。

池谷和輝


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