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開発コンサルタントになるまで

当社の公式インスタグラムで展開している社員紹介「IC Netに集う人たち」では紹介しきれなかった内容をnoteでお届けします。
今回は、開発コンサルタントとして、水産関係のプロジェクトに携わる西山が、どんな経緯で国際協力の業界を目指すことになったのか、その経緯や軌跡、現場で大切にしているマインド等についてお伝えします。

西山和郎
日本の大学院を経てイギリスの大学院で水産経済を専攻。JICA海外協力隊としてチリに派遣され、計画的な漁業生産の仕組み作りや、水産物の加工・流通改善に携わる。日本の水産会社で営業職として勤務した後、2009年よりアイ・シー・ネットで勤務。開発コンサルタントとして、主に水産関係のプロジェクト、国内の研修事業に従事している。

きっかけは一冊の本から

水産関係の開発コンサルタントとして長年、様々な国のプロジェクトに携わってきた私ですが、実のところ大学卒業まで国際協力という業界すら知りませんでした。小学校のころから生き物が好きで、中学校では釣りにハマり、生き物に携わる仕事への関心から大学では水産工学を専攻しました。就職活動は難航し、卒業後の進路について迷走していたときに、たまたま本屋で見つけた国際公務員やJPOのガイドブック。それを読んだとき、世界の国々に仕事として携わる働き方があることを知り衝撃を受けました。国際協力への関心と、知らないところへ行ってみたいという好奇心が強く掻き立てられ、水産分野で国際協力の業界を目指すため、イギリスの大学院で水産経済を専攻することを決めました。今思えば、あのガイドブックとの出会いが私の人生の分岐点だったと思います。

決め手はいろいろな国の現場に関わるチャンスがあること

大学院卒業後はJICA海外協力隊で、漁業生産隊員としてチリで漁業の課題解決に従事しました。帰国後は進路について悩みました。協力隊時代は、自分の持っている知識を現場で活かしきれないもどかしさや、仕事をするうえでの経験不足を感じることもあり、社会人経験を積むため民間の水産会社に就職しました。

協力隊時代は漁に出て釣ったイカの美味しい食べ方も考案

アイ・シー・ネットへ入社するきっかけとなったのは、協力隊で出会った当社の社員であり大学院の先輩の存在でした。話を聞くうちに、国際協力で自分が果たすべきキャリアパス、自分の目指すべき姿が見えてきて、色々な国の現場に関わるチャンスがあるということが、入社の決め手となりました。

入社後は、主に水産分野の国内外の業務に従事しており、セネガルとカリブ海では水産資源の共同資源管理のプロジェクトで漁獲量の適正化などに携わってきました。また今後は、モザンビークの水産バリューチェーンの改善に関わるプロジェクトを担当することが決まっています。

セネガル漁業者を対象にしたワークショップの一幕

言葉を通して、その国の人となりを知る

国際協力業界を目指すきっかけになったのは、知らないところへの好奇心ですが、今でも新しい国へ行くときは、胸が高鳴ります。これまで、イギリス留学で英語、協力隊のチリでスペイン語、仕事で活かせるようにとフランス語を独学で学んできました。次の現場であるモザンビークに備えて、現在はポルトガル語を勉強中です。昨今は便利な翻訳機能がありますが、私は語学からその国の人々の考え方がわかるような気がして、語学を学ぶことが好きなのです。また、プロフェッショナルとして現地の人々の考えや人となりを知るうえでも、語学は大事だなと感じています。

セネガルで、カウンターパートや研修参加者と移動中の写真

コンサルタントとして、いかに現地の人々の本音を聞けるか

長年コンサルタントとして仕事をしてきて思うのが、「相手の話に耳を傾けること」の重要性です。私たちコンサルタントは、1年のプロジェクト期間中、実際に現地に行けるのは数カ月ほどです。そのため現地の人々から話を深く聞くチャンスは実はそんなに多くはありません。半日から1日のワークショップだけではなかなか本音が聞けないこともあるので、工夫してコミュニケーションの機会を作り、できるだけ本音を拾えるように意識しています。コンサルタントとして、時間のないなかでもいかに現地の人々の本音を聞けるか。それが現地をよくするために最も大切なことだと思います。

日本の漁業の経験を海外へ伝えるとともに、現地の漁業に関わる方々と何が課題かを話し合いながら、世界をよくする仕事を今後も続けていきたいと思います。