努力

どんな努力をしていますか?

先日の『エッセンシャル思考』に引き続き、グレッグ・マキューン氏の『エフォートレス思考 努力を最小化して成果を最大化する』を読了。前著が考え方主体であったことに対して、本著は具体的行動についても詳述されていたように思う。個人的に目新しさは感じなかったものの、著者が前著から本著に至るまでに、エッセンシャル思考を持っていながらも対応に苦慮した実例などが記述されており、体験談の部分は興味深く読むことが出来た。

エフォートレス思考と言いつつも、この考え方を実践していくためには、終着や感情を手放す努力、本質を考え続ける努力、状況や変化を観察し続ける努力など、一定の努力は必要になるように思う。反射的かつ瞬間的な努力ではなく、継続的に緩やかな努力を習慣化していくことが重要だということだろう。

個人的にはこの考え方は腹落ちして実践も心掛けるようにはしているのだけれど、そもそも努力が美徳だという成功体験を得たことがある人に、どうやったら思考の変容を促すことが出来るのかは本当に難しい。また、そもそもそのやり方を手放すこと自体が、本人の問題解決に適しているのか、本人の幸せに繋がるのかも難しいところである。人によっては、思考よりも肉体を動かしていた方が好きな人もいるだろうし、そういう人にこの考えを押し付けても実践まで結びつきにくいのではないだろうか。

それこそ、ここ数日報道されている、ロシアとウクライナの衝突など、心身ともに危機的な状況に陥ったところに本質を説いても、それどころではないようにも思う。そのような状態に至る前に、本質的思考によって課題を整理して物事を対処していかないと、最後は武力による解決に走らざるを得ず、そういう状態でのエフォートレス思考は無力である。むしろ、いかに楽に人を殺したり制圧したりというところで役立てられるかもしれない・・・

結局のところ、良質な気付きや問いをたくさん人生の中で得て、本質を見極めていくことが重要なのだろう。このエッセンシャル思考やエフォートレス思考を体現しているような人が増えてきて、その人達がメンターとなって気付きを与えていく。そんな形が出来上がらないと、今の社会システムの中で競争の中、教育を受けて育っていく限りは、いたちごっこのような気がする。そこをエフォートレスに改善するにはどうすればいいのか。引き続き考えていきたいとは思う。

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