見出し画像

スタートアップ現役幹部にキャリア相談ができる「理想の人材エージェント」を創りはじめた理由

はじめまして。Professional Studio代表の市川です。
弊社は、”経営幹部人材輩出のエコシステムを創る”をミッションに掲げ、現在は主にスタートアップ幹部特化の人材エージェントをしています。

スクリーンショット 2021-05-23 19.06.23

私自身のスタートアップ採用人事としての経験や、2度の転職活動を通じて、現在の転職市場の在り方に疑問を感じたことをきっかけに、2020年9月より事業を開始しました。
お陰様で、約半年で累計150社以上のスタートアップ企業様、500名以上のスタートアップへの転職希望者からご相談を受けております。

本noteでは、私が弊社を立ち上げた背景/人材マーケットへの課題感、実現したいことをお伝えしていきます。

読んでみて、本記事の内容に少しでも共感頂けた方は、気軽にコンタクトください。弊社への興味ならびにキャリア相談でも大歓迎です。

1. 自己紹介

創業背景にも関わるため、簡単に私自身の自己紹介をさせてください。

・1989年生まれ。東京大学 教養学部  卒
・2014年4月にRettyに新卒1号社員(7番目社員)として入社し、メディア広告事業部の立ち上げ(セールス/広告商品開発)、採用人事などを経験
・2017年9月にボストン・コンサルティング・グループに入社し、経営コンサルタントとして、国内大手企業の中長期経営計画、新規事業戦略立案/立ち上げ、業務改革、M&A等の支援に従事
・2020年1月にスタートアップスタジオ/VCを運営するXTechに入社
・同年4月よりXTech子会社としてスタートアップ幹部採用支援を行うProfessional Studio株式会社を設立し、代表取締役に就任

2014年に大学卒業後、当時マンションの1室だったRettyにインターンを経て、新卒1号社員(7番目社員)として入社しました。
入社後の3年半で、社員が6名→100名まで増え、1年に1回以上オフィスを引っ越しするという、まさにスタートアップする瞬間を経験させてもらいました。(辞めた身ですが、昨年10月のIPOも本当に嬉しかったです。)

2014年当時はサイバーエージェントやDeNA等のメガベンチャーはすでに人気企業だったものの、スタートアップに新卒で就職する同期は皆無で、周りからの反応も「スタートアップって潰れない?大丈夫?」という時代でした。
今ではスタートアップ新卒というキャリアも徐々に市民権を得て来た気がします。

大学の横の席の2人(中島さん/佐々木くん)が立ち上げたColyというゲーム会社が今年2月に上場したり、Rettyで新卒採用担当をしていた際に面接した学生が上場企業の取締役やシリアルアントレプレナーになっていたり、当時は変わり者扱いをされていた同期や後輩達の嬉しいニュースを聞くにつけ、自分も身の引き締まる思いです。

その後、起業に備えて、経営を勉強すべく、ボストン・コンサルティング・グループという戦略コンサルティングファームで2年半修行させて頂きました。

Rettyで相当にリーン過ぎる仕事の仕方を身に着けていた自分にとっては、むしろマイナススタートで初期はかなり苦労したのですが、挑戦的な仕事、温かい上司/メンバーに恵まれて、やり甲斐しかない2年半でした。

30歳を迎えるに当たり、経営に挑戦したい意思が強くなり、スタートアップスタジオを手掛けるXTechにジョインし、スタートアップ企業に特化した幹部人材エージェントである子会社Professional Studioを設立しました。

2. 従来の人材エージェントについて

弊社サービスについて語る前に、従来の人材エージェントのビジネスモデルと私が感じたペインについて簡単にお伝えします。

▼従来の人材エージェントのビジネスモデル
まず、人材エージェントは全国で22,977事業所あり、実はラーメン屋(全国で26,500軒)と同じ数くらいあります。

一部の経営層相手のヘッドハンティングサービスを除けば、通常のエージェントは以下の通り「企業からの成功報酬」で成り立っているケースが大半です。
そのため、エージェントは基本的には企業サイドを向き、主に紹介決定数を追います。つまり、候補者から見ると求人を紹介することに重点が置かれたサービスとなります。

転職エージェントのビジネスモデル_2019-08-21+14.55.03

(Source : https://job-q.me/articles/94390)

▼私自身が転職活動時に感じたペイン
上記のエージェントのビジネスモデルに起因して、私自身が転職活動をしていた時にも以下のペインを感じていました。

・転職ありきでの話になるため、キャリアの壁打ち相手にならない

・自身の志向と異なるポジションを提案される(シード期スタートアップの事業開発志望だったが、コンサル出身というだけでレイターフェーズの経営企画ポジションだけをひたすら提案される)

・とにかく面談に行くことを勧められる(同じエージェントの方に3回同じ求人を提案されたこともあります)

・スタートアップ業界や企業のことをあまり知らない(なぜ伸びているのか/競合他社との優位性が説明できない、経営メンバー構成を知らない等)

転職希望者のジャーニーとして、

(1)キャリアゴールを描く
(2)転職の準備をする
(3)転職を実現する
(4)キャリアの見直しをする

というステップがあると思うのですが、従来のエージェントでは、

(1)のキャリアゴールを同じ目線で描くための相談役がいない
(2)の転職準備段階でのスタートアップ業界について充分な情報提供ができる人が少ない

ことが問題だと感じています。

3. Professional Studioが創る人材エージェントのカタチ

上でも述べた自身の原体験/転職活動時のペインから、弊社では以下のニーズを満たすサービスを提供しています。

▼弊社サービスの特徴

・モヤモヤ以上転職未満のタイミングからフラットなキャリア相談ができる

・スタートアップ業界にインサイダーとして精通しており、業界のトレンドも踏まえ、様々な求人が紹介できる

・エージェント全員がスタートアップ業界経験があり、スタートアップ企業を自身の経験を元に解像度高く説明できる

▼他人材エージェントとの違い
具体的に、他エージェントとの大きな違いは以下3点です。

①キャリアメンタリング付きの求人紹介モデル
弊社では簡単に言うと「キャリアメンタリング+求人紹介」という新しい紹介モデルにトライしています。
(内省を促すコーチングに対し、具体アドバイスを伴うサービスなのでメンタリング、という言葉をあえて使っています)

通常エージェント相手ですと、どうしても転職前提かつ自社保有求人に寄ったキャリア支援になってしまうのですが、医療でいうセカンドオピニオンのように、スタートアップ現役幹部/OBから第三者目線でフラットなキャリアアドバイスが受けられるサービスを提供しています。
(現在50名以上のメンターの方々に登録を頂いております)

これにより、候補者の方にまずスタートアップへの転職是非含め、キャリアをフラットに検討して頂くプロセスを提供しています。

画像6

②スタートアップ経験者のみのエージェントによる高精度なマッチング
弊社エージェントは全員スタートアップ在籍経験があるメンバーに厳選しています。
外からは見えないスタートアップで働くリアルを業界インサイダーの観点から、ポジティブな面だけでなく、ネガティブな面も含めて、率直にお伝えしています。

③スタートアップスタジオ/VCを運営するXTechグループによる業界へのネットワークや情報キャッチアップ
弊社はスタートアップスタジオ/VCを運営するXTechグループに所属しており、グループ内に15社のスタートアップ企業があることもあり、常に業界動向をウォッチしています。

上記の情報も活用しながら、成長性が高く、かつ候補者が活躍できる可能性が高い企業を、弊社独自の観点でDD(企業査定)した上で企業をご紹介しています。
※スタートアップ企業の目利きは非常に難しいのですが、弊社なりにここは必ず見て欲しい!という基準は別記事で近日公開予定です。

参考)XTechグループ企業のポートフォリオ

画像5

4. 弊社を立ち上げた背景

XTech入社後、私自身が中小企業の経営者家系出身であったこと、Retty時代に関わったスタートアップ企業や飲食店などに思い入れがあったことから、中小企業の支援を軸に事業アイデアを100個近く考える中で、経営人材不足の課題に行き着きました。

中でも、スタートアップは日本全体の課題である新産業創出の先鋒を担う重要な存在ですが、国内スタートアップの投資額はこの5年間で2千億円(2014年時点)から5千億円(2020年)に膨らんだことで、起業はしやすくなった(起業家の数が増えた)一方で、起業家を支える幹部人材の不足が大きな課題になっています。

画像6

(Source : INITIAL  2020年 スタートアップ調達トレンドの全て)

以下の通り、スタートアップ廃業理由としては、資金繰りに次いで、経営チームを作れなかったことが3番目の廃業理由になっています。
例えば、2桁億円以上調達しているスタートアップでもCOO、CFOなどが不在という企業も珍しくなく、経営チームが作れないことが上場や事業成長に向けたボトルネックになっているケースも多いと感じます。

画像7

(Source : CB Insights)

一方の候補者側では、日本は米国に比べ、大手企業に優秀人材が流れていることも背景に、経営人材になれるポテンシャル/能力があるが、大手企業の中で力を十分に発揮できていないハイパフォーマーが多くいると感じます。

ただ直近では、大企業 to スタートアップで活躍しているロールモデル人材が増えたこと、スタートアップの資金繰り良化で給与水準が大企業と遜色ないレベルに改善されたことを背景に、大手企業のハイパフォーマーがスタートアップに挑戦するトレンドが来ていると感じます。

私がいたコンサルファームでも現在は転職先の約3割がスタートアップですし、ビズリーチ内でスタートアップに転職した方の数がここ2年で2倍以上になっているそうです。

喉から手が出るほど経営幹部が欲しいスタートアップ、スタートアップに挑戦したいハイパフォーマーの増加、という2つの事象だけ見れば、双方が磁石のように引きつけられ、どんどんマッチングが産まれてもおかしくないのですが、両者を正しく結びつける役割がまだまだ不足していて、すれ違いが起きている、というのが私のマーケットの見立てです。

その原因は主に以下の3つだと考えています。

①候補者自身がキャリアゴールを描けない
総合職採用が浸透している日本では、"30歳でようやく人生の進路を真剣に考え始める(考える材料が揃う)"という30歳成人説は現代の状況を正しく捉えているなと感じるのですが、キャリアには「描く→実現→見直す」という3ステップがある中で、現在のHRマーケットには、キャリアゴールを同じ目線で考えてくれる相談役が不足していると感じています。

<30歳成人説>
30歳成人説とは日本の民法が成年を満20歳と定めているのに対し、「精神年齢でいけば今の30歳は、昔の20歳くらいにあたる」という考え方。
作家の村上春樹は「自分が本当にやりたいことなんかそう簡単に分かるものではない、30までは色んなことをやって30になってから人生の進路を決めればよい」という趣旨のことを述べている。

私自身も転職時に様々な方に相談をしたり、サービスを試したのですが、以下の点で非常に悩んだ経験があります。

・身近や社内に同様のバックグラウンド/志向を持ったロールモデルがおらず、同じ目線でキャリアプランを考えて提案をしてくれる方がいない

・既存エージェントはキャリア相談よりも求人紹介の比重が高く、ニーズに合致しない求人をもらうケースも多い

・コーチング系サービスは内省を促してくれるものの、経験等に基づいた具体的なアドバイスはもらえないので、行動に繋がりにくい

②企業と候補者間の「情報格差」によるマッチングのすれ違い
キャリアプランが決まった後に候補者が直面するのが情報収集とマッチングの難しさです。以下のように、企業リサーチ〜自身のフィット度合いの確認まで悩む方が非常に多いのではないかと思います。

・求人媒体に目を通しても、企業主語かつ非公開求人も多く、正しい情報が取れない。スタートアップはIR等もないため、企業リサーチに慣れているはずのコンサル/投資銀行の方でもどの企業が良いのか判断ができない

・候補者自身のメタ認知/自己評価と企業の人材ニーズが乖離している

・JOB型が主流になりつつある大企業と異なり、アメーバ型の柔軟な働き方が求められるスタートアップにおいて、スキルフィットは当然のこと、カルチャーフィットや既存メンバーとの相性などマッチングに必要な要素が多い

③紹介量が重視される「ビジネスモデル」
上記の情報格差を本来はエージェントが埋めるべきですが、マネタイズが企業側への完全成果報酬モデルであることに起因して、エージェントが1人1人に丁寧なカウンセリングを施すインセンティブが薄い→紹介量をこなす業務アプローチになります。

この3つの構造をドラスティックに変えていかなければ、ハイパフォーマーとスタートアップ企業の適切なマッチングの達成は難しいと考えています。

5. Professional Studioが実現したい世界

Professional Studioとして目指す世界ですが、
充分な力が発揮できていないハイパフォーマーたちのポテンシャルを開放し、経営人材を日本に溢れさせることです。

そのためには、自社で"人材エージェント/マッチング事業者としてのあるべき姿"を体現しながら、業界構造に異を唱えて、変革を促していきたいと思っています。

具体的には主に以下のことに取り組んでいきたいと思っています。

・候補者のキャリアゴールを描く支援機能の充実
・候補者のスキルセットを補完する実践型のトレーニング機会の提供
・候補者と企業の情報非対称性をなくすダイレクトマッチングサービスの開発
・地方セクターへのマッチング機会の提供や副業など多様化する働き方のニーズに応じた提案幅の拡張

現在、スタートアップ企業の支援が中心ですが、先々では地方でユニークなアセットを保有し、高い成長ポテンシャルを秘めている中小企業にも目を向け、中小企業向けに経営人材のマッチング等まで担っていきたいと考えています。
(私の家系も事業承継の課題を抱えており、見逃してはならない大きな社会課題だと思っています。このままでは直近10年あまりで60万社が黒字倒産し、日本全体で650万人の雇用とGDP22兆円を失います。)

画像8

6. 最後に

長文にも関わらず最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。

上記の通り、登る山は見えているものの、まだまだ弊社には強い仲間(創業メンバー)が足りません。もし以下にピンと来た方はお気軽にご連絡頂けたら幸いです。

・人材エージェントに新しい概念を提唱したい方
・創業期のスタートアップで0→1を経験してみたい方
・日本に経営幹部を溢れさせるというミッションに共感頂ける方

また、弊社では、スタートアップ経営幹部に挑戦したい候補者の方のキャリア相談もいつでも受け付けています

長文にも関わらず最後まで読んで頂き、誠にありがとうございました。
弊社に興味を持って頂いた方は以下までお気軽にコンタクトください。

▼問い合わせアドレス : info@professional-studio.co.jp



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?