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私は、「白黒思考」をやめた

春は,出会いと別れの季節。
私は、新しい生活のスターに際して、先生方や生徒たちが、おだやかで,ほっとできて,ハッピーであってほしいと願っている。
そんな時、「心理的安全」を保つことができているだろうかと心配になる。

「心理的安全」を自らつくるための具体的な考え方をいくつか述べる。


■「正解」にこだわらない

一つ目は,「自分の正解にこだわらない」ということである。
社会の変化,相手の変化,環境の変化などの中で,自分の考え方や うまくいく「正解」自体も変わっていくのは当然である。自分の正解に固執すると,変化を拒み,相手を否定し,反論しか言わない。これは「心理的安全」を妨げる場合が多い。

安心して話していたときに、相手に突然反論されたりキレられたりしたらどうだろう。おそらく次から心を開いて話すことはできないだろう。この突然の否定は、「自分が正しい」という思いが強いときに出やすい行動パターンだ。当然ながら、自分にとって正しいことが,常に相手にとって正しいわけはない。ひとりひとり見えている世界が違うのだから。

以前,学年会や職員会で、自分の考えに「こだわる」発言をする先生がいた。そんなときは、議論にならず、会議は全く前に進まない。多くの人のやる気は下がり,会議が終わるとエネルギーと時間だけが失われていた。話の内容よりも、会議自体を苦痛に感じる人もおそらく居たことだろう。正直なところ、私も早く会議を終えて部活の指導に行きたいと思うこともあった。結局,みんなの「心理的安全」を妨げていたのだと思う。
その頃から私は、「こだわる」ことはみんながハッピーに過ごす上では、役に立たないことが多いと思うようになった。「過度な’こだわり’は、’こわばり’を生む」のだと思う。
だから私は「白黒思考」をやめている。年度初めに「白とか黒でなく,グレーでいい」という話を先生方にするのは、こんな思いからである。

■言葉で伝える

二つ目は,「言葉で伝える」ということである。
「それくらいわかってよー」と思うことはよくあると思う。「ひとりひとり見えている世界が違う」ので,自分の見ている世界、考えていることをわかってもらうには、言葉にして伝えるしかないのである。
そのためには「心理的安全」な関係が大前提であり,だからこそ、日頃から関係を築いておくことが重要なのである。
この「言葉で伝える」ことは,意見や考えをつたえることはもちろんであるが,特に大切なのは「ありがとう」を伝えることである。この魔法の一言で,自分も相手も前に進んでいく。

■出会いをポジティブにとらえる

 三つめは,出会いをポジティブにとらえるということである。われわれは、「出会うべき時に,出会うべき人に巡り合っている」と考えるようにしている。
学校では、4月になると新しいメンバーとの出会いがある。そのとき,その変化を拒み,ネガティブな気持ちになるのではなく,新しい出来事や新しい人との出会いを楽しみ、ポジティブに捉えたいものだ。私自身,そう考えて日々過ごしている。心から出会った方々に感謝している。私の周りには「心理的安全」がある。

■自分から始める

 最後に,「心理的安全」づくりは,まずは自分から始めることだ。そうすれば,自分自身も、チームも進化することができる。


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