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ブラックな会議

 “ブラック会議”・・・
*結論が出ない,何も決まらない,先送りばかり
*出席者が多すぎる,時間が長い,一人一人の発言が長い
*報告会のよう,資料説明が多い,空気がどんより
*否定的コメントや代案のない批判が多い
*最後にどんでん返し,今までの議論は何だったのかと思ってしまう
*意見対立で終わっていいと思っている

 いつの時代も学校現場では,課題に直面し、教師が多様な考えを語り合う中で「答え」を打ち出していくことが求められる。

会議の中で今求めるのは,拡散か?収束か?参加者に明確に伝えること、拡散と収束は異質な思考の営みであるため,会議の進め方や促し方が重要になる。
 学校における「会議」は,十分な拡散を経た上での丁寧な収束が求められる場面が多い。そのため話し合いでは,参加者に拡散か収束のどちらかを明確に求めなければならない。その役割は,司会進行役になる。いくつかのポイントをまとめる。(しかし,私は長い会議は嫌いである。笑。)
 

■司会役のポイント


 まず,定義として,
【拡散】各参加者が考えの固定化する枠を取り外し述べ合うことで,考えを広げながら多様性の中から学ぶ
【収束】各参加者が自分の考えを整理して(個の収束),チームとして行う方策などの方向性を定める
 

■拡散を促すために

次に,司会役の心得として
①   否定せず,耳を澄ます
 多様な考えが存在することを喜ぶ。
②   参加者に「自分はどう考えるか?」を向ける
 期待したほど意見が出ないときもある。
 そんなとき「なぜそうなのか?」と参加者自身が自問するように向けてみる。年齢や役職の違いは忘れて,未来志向で自分に問いながら考えてほしい。
 

■収束を促すために


①   自身の変容を歓迎する
 元々の自分の考えとは違う方向に向かっていくとき,
 自分の考えを変えていくことは決して後退ではない。
 これまでの考えにとらわれることなく,自分を更新していく感覚をもつ。
②   会議の目的を再確認する
 時に,’そもそも論’になって、否定的な意見に終始することがある。
 これは,会議の目的と参加者の思考がズレていることであり,
 そうならないために,ホワイトボード等で全体像や目的を見える化する
 などの配慮も必要になる。
 
 

■進め方


最後に,進め方。
進め方の基本は,「拡散」と「収束」を組み合わせて意思決定することである。
 
①   身近な同僚や担当者との会話で「拡散」
 (思いや多様性に触れておく)(たっぷり雑談)
②   その会話で気付いた考えの軸になることや見落としていた視点をもって
  個を「収束」させる
③   会議内の「拡散」,司会進行役が「拡散」を促す
④   会議内の「収束」,司会進行役が「収束」を促す
 
※限られた時間の中で,可能な限り開かれたものにするために,
 また,ボトムアップするためにも特に①と②は重要である。

 
 

■個人力と組織力


この「会議」において,私は,「個人力」と「組織力」の向上を目指すことが重要だと考えている。
 
「個人力」について
昭和の時代の会議のやり方しか知らない人,学校の世界しか知らない人が多いことが大きな足かせとなっているように思える。
やはり,様々な経験や新しい取組をしている情報などを取り入れることで,視野を広げていかなければ,「多様性」や「柔軟性」,「コミュニケーション力」は高まらない。効率的で段取り上手になるには,日常での様々な取組において,意識化されてなくてはならない。「会議」について考えることも「個人力」向上という考えである。何をするにしても必ずヒントを得ることができる。
 
「組織力」について
まずは,「個人力」の向上の考え方が,“ブラック会議”を避けることができる。そうすることで,それぞれのメンバーが優秀な「個人力」を発揮しやすくなり,その総和が「組織力」ということになる。
 
 “ブラック会議”の例をあげると・・・
・結論が出ない,何も決まらない,先送りばかり
・出席者が多すぎる,時間が長い,一人一人の発言が長い
・報告会のよう,資料説明が多い,空気がどんより
・否定的コメントや代案のない批判が多い
・最後にどんでん返し,今までの議論は何だったのかと思ってしまう
・意見対立で終わっていいと思っている
 
 ここまで,「会議」についてとりとめもなく述べてきたが,やはり,表面の「身近な同僚や担当者との会話で拡散,思いや多様性に触れておく,たっぷり雑談」といったことが,すぐに始められる一番有効な方法だと思う。
このことは,その会話で気付いた考えの軸になることや見落としていた視点をもって個を収束させることにつながり,「個人力」を高める。たっぷり雑談することで,意外と「組織力」も高めている。
 
会議の在り方ついて考えることは,「働き方改革」にもつながる。
「働き方改革」といえばは,勤務時間のことばかりに目が行きがちだが,「教員が笑顔になる」「日々の生活や教員人生を豊かにする」ことが何より大切である。
“ブラック会議”では…それは,あり得ない。


 

 
 
 

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