『らしさ』を言語化する、ブランドづくりの重要性
ブランディングを勉強する中で、特にインナーブランディングの重要性を感じるようになりました。
例えば、採用。
自分が企業へ転職したときのことを考えてみます。
求人情報、もしくはダイレクトメッセージを読み、応募を決め、面接で責任者や経営者と話をし、そこに勤めることを決める。
しかし、入ってみると思い描いていた会社と違う…。
ということは、往々にしてあるのではないでしょうか。
これは、表面上では理想とする会社の姿をつくってはいるものの、内部の現状は全くの別物、という状態です。
これでは、せっかく雇い入れた人材はすぐに離れていってしまいます。
実際、私自身の経験やクライアントの採用マーケティング支援を行う中でも、同じような壁にぶつかってきました。
企業としての強さを見出し、世の中に発信していくためには、インナーブランディングが必要不可欠なのではないかと常々感じているわけです。
インナーブランディングってなんですか
そもそも、インナーブランディングとは何か、というところから学んでいきたいと思います。
インナーブランディングとは、企業の理念やビジョン、価値観を働く従業員に共有し、理解を深めてもらうことです。
具体的には、社内報を発行したり社内イベントを催したりして企業のMVV(ミッション・ビジョン・バリュー)を伝えたり、日報や1on1などのマネジメントを通して価値観を浸透させたりします。
インナーブランディングがなぜ大事かを考える時に、「企業も人と同じである」と考えると分かりやすいように思います。
〇〇さんは優しい人だ。
▲▲くんはユーモアがあるけどお調子者だよね。
私たちはこんな風に、関わる人になんとなくのイメージをもっているのではないでしょうか。
これが「ブランド」です。
『ブランド=イメージづくり、らしさ』
とよく言われます。
ブランディングは、この『らしさ』を浸透させ育てていくことです。
ここで、「企業も人」と考えることに戻ってみます。
〇〇さんは優しい人だ。
と思っていたのに、次の日になると物凄くそっけなかったり、また次の日になるとすごく陽気だったり。
こうなってくると、〇〇さんがいったいどんな人なのか分からなくなってきませんか。
企業で働く従業員は『らしさ』を体現していく張本人です。
担当者によって、優しい人であったり、そっけない人であったり、陽気な人であったりしては、企業がいったいどんな人なのか分かりません。
だからこそ、インナーブランディングが必要になってきます。
MVVを従業員に浸透させることによって、企業として一貫した価値観を形成し、『らしさ』をつくっていくことにつながっていくはずです。
ブランディングの始まりは言語化から
ブランディングを行う上で最初に取り組むべき最も重要なことは、『らしさ』を言語化することです。
そうでなければ、この曖昧な『らしさ』を世の中や従業員に伝えていくことができません。
しかし、あなたの(企業の)『らしさ』=価値観はなんですか?
と聞かれて、すぐに明確な言葉で返せる人は少ないと思います。
「私の価値観は〇〇だ!」と日々強く思いながら働いている人は限られています。
だからこそ、その胸の内にもっている価値観を言葉にする時間と作業が必要です。
そしてこれが、ブランドづくりのはじまりです。
ブランドというと、何か格好良い言葉や見た目で飾らなければいけない、と思われる方もいるかもしれませんが、そうではありません。
これまで事業を進めてきた中で培われた強みや価値観が、ブランドとして輝かせる材料になります。
背伸びして見た目を取り繕うのではなく、今あるものを大切に見つめてあげることは、なんだかとてもあたたかい作業のような気がしませんか。
私はこの部分が、ブランドづくりのすてきなところだと感じます。
なぜこの事業を推進してきたのか?
やりがいを感じたのはどんな時か?
仕事を通じて楽しかった・嬉しかったエピソードは?
困難を乗り越えられたのはなぜか?
こういった、これまでの経験とその時感じた感情を丁寧に洗い出していけば、経営者としてどのような企業にしていきたいのか、それによって世の中にどんな価値を提供していきたいのか、といった価値観が言葉として現れてきます。
これを、MVVやブランドメッセージとして明確に言語化し、従業員へ伝えていくことがインナーブランディングの第一歩です。
また、こうして言語化することによって、自分自信がどのような気持ちで経営を行っているのかを改めて認識することに繋がり、強い気持ちで事業を推進していくことができるはずです。
言語化は対話の中から生まれる
これまでの経験とその時の感情をどのようにみていけばいいのか悩まれている方は、まず文章に書くところから始めてみるのはどうでしょうか。
私自信も今現在、自分の価値観を探している最中で、こうして日々noteに文章を書いています。
書いている中で自分自信との対話が進み、思わぬ発見があったりします。
また、書くだけだと自分の枠からはみ出ることがないため、他の方との対話をする中で感情と向き合っていくこともおすすめです。
話した中で感じたことを書く
書く中で見つけたものを話す
というループで行っていくと、より深く知ることができるのではないかと思います。
対話をする相手にお困りの方は、ぜひ言語化のお手伝いをさせていただければと思いますのでお気軽にお問い合わせください。
自分自信が日々言語化に取り組む中で、言葉にすることは見つめること、優しくてあたたかい作業だと感じています。
また、言葉にすることで、自分の心が安定し、軸をもって生きていけるような気がしています。
企業も人もひとつの人格。
ブランド=『らしさ』をつくることで、人を大切にし、あたたかくて優しい世界が広がってほしいな、とこの記事を書く中で改めて感じました。
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