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~第46回~「鳥居の話」

全国に数多くある神社には押し並べて「鳥居」があります。
鳥居は神様の座する聖域と、人間が住む俗界を分ける境界を意味するものでもあり、ご神域への入口です。
鳥居の形式は、神明鳥居と明神鳥居の2種類の型に大別され、前者は簡易な構造が特徴で、一般的には直線・直角的なフォルムです。
後者は装飾的な構造が特徴で、流線的なフォルムを採ります。
「木造の明神鳥居としては日本一の大きさ」としても知られている明治神宮の第二鳥居(大鳥居)は高さ12メートルあり、創建当初の素材は台湾総督府の進献による台湾ヒノキでした。
昭和50年(1975年)に現在の鳥居に再建されたのですが、元々の鳥居は武蔵一宮氷川神社に寄贈され、氷川参道の第二鳥居として現在に至ります。
明治神宮では白木でしたが、当社では他の鳥居に合わせて朱色に塗られています。
当時の様子を記した埼玉新聞の記事には、氷川神社は東京遷都の際に明治天皇の行幸があったため、明治神宮とは縁があるとして話が進み、氷川神社にこの鳥居が立った時は「思わず歓声がわき上がった」と記されております。

明治神宮から寄贈された鳥居の下部の藁座(黒い部分)を1メートル足したため、氷川神社の鳥居は13メートルになりました。
この鳥居は台湾とのご縁も深いので、国際化・多様化の現代社会を今に示しているように感じますね。

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〔 Word : Keiko Yamasaki Photo : Hiroyuki Kudoh 〕

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