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令和の歌姫「浜崎あゆみ」が16年前に伝えたかったこと

 浜崎あゆみが好きだ。めちゃくちゃ好きだ。彼女について一言でも触れられると、感情激ヤバ早口オタクの私がこんにちはしてしまう。愛猫の名前は彼女の作曲名である「クレア」だし、好きな数字は彼女の誕生日の1002。中学生のときからずっとギャルなのも彼女の影響だ。とにかく私の人生とあゆは切っても切れない。

 彼女の半生を描いたフィクション小説『M愛すべき人』はもちろん発売日に買った。「なんでこんなことするんだ…」と言いながら読んで、めちゃくちゃ泣いた。そしてやっぱりあゆが好きだと思ったし、やはりあゆはあゆだとも思った。だからこそ、同小説を題材にしたドラマ『M愛すべき人がいて』の1話をリアルタイムで視聴したときは怒りで気絶するかと思った。頭に血が昇り、手足が冷たくなって震えた。それ以降ドラマを直視することが出来ず、放送されている間ずっと怒り狂っていた。「M見た?」と笑いながら聞いてくる友人に怒りが沸き、鈴木おさむに怒り、最終的にはあゆと何の関係性もない森三中にまで怒っていた。ドラマ最終回の日にあゆがコメントを出してくれなかったら、一生森三中のことまで嫌いになって生きていくところだった。よかった。あゆがいいなら、いいのだ。

 あゆのファンになったのは中学1年生のときだ。だからだとは思うが「浜崎あゆみ」の話になると途端に10代の自分に戻ってしまう。感情がコントロールできず、いつも孤独だった不器用な自分だ。あの頃ひたすらに生き辛くて、あゆが歌ってくれなかったら絶対に死んでた。比喩とかじゃなくて本当に死んでたと思う。だから、一生浜崎あゆみを応援していくと決めてる。彼女がどんな選択をとっても、ずっと味方でいたい。

 あゆの曲で何が1番好きかと聞かれれば、「5時間頂戴!」と答える。どれが1番とかじゃない、すべての曲にあゆの物語があって、思い出がある。当たり前ではあるが浜崎あゆみと私は環境も年齢も違うので、発売した当時にはよくわらなかったことが今になって響いてくることもある。その時その時で好みが変わっていくのだ。その点もあわせてお伝えするには5時間は必要ということである。

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 少し話が逸れるが、あゆの曲をひとつ紹介するという前提のもと女性に対する価値観の話を聞いてほしい。
 最近私はフェミニズムや女性の権利などについて勉強している。男尊女卑の地「福岡」で生まれ育ったため、そこらへんの価値観がめちゃくちゃにズレていると気づいたのだ。令和2年の価値観、さらには10年後、20年後の価値観を考えるようになった。それは私が30代になり、物書きの仕事をしていることだとか、関東に住んでいるとか、複合的な要素から勉強をするに至ったと感じている。
 そんな中で「そういえば、あゆは昔から女一人で稼いでいたわけだけどそこのところどう思っているんだろう?」と、思った。ぼんやりとした疑問を抱えていると、偶然にも『my name's WOMEN』という曲のMVが目に入ってきた。これが、めちゃくちゃ衝撃的だった。

時代はほら
こんなにも移り変わり
それなのに涙が武器だなんて
ねぇいつの話

簡単には泣かないし
甘えてばかりでもない
私達着飾っただけの
人形なんかじゃないから
もろいところだってあるし
笑ってばかりでもない
都合よく存在している訳じゃないことを
忘れないで
『my name's WOMEN/浜崎あゆみ』

 この曲は、2004年12月15日に発売された『MYSTORY』というアルバムに入っている。当時はこの歌詞が刺さることもなく、「特筆するほど好きではないアルバム曲」という印象だった。
 けれどこれは「女性の権利を主張する曲」だったのだ。あの時ゴリゴリの男尊女卑の空間にいた私に刺さるはずがない。持ち合わせている価値観が全く持って違うのだ。
 今でこそ「男女は平等である」という価値観が大衆に広まってきたが、この曲が発売されたのは16年前である。16年前からこんなことを堂々と主張していたなんてさすが浜崎あゆみ、前衛的である。このことから、あゆは「平成の歌姫」であり「令和の歌姫」であると確信した。16年前から令和の価値観を歌っているなんて、かっこよすぎる。
 けれどこの事実は、彼女の「孤独」を証明してしまっている。2000年代にあらゆる場所で使われていた浜崎あゆみを表するキーワードだ。大衆に理解してもらえない価値観というのは持っているだけで苦しく、孤独である。何度もLIVEに足を運ぶ大ファンの私ですら彼女の伝えたいことを一切理解していなかったのだ。
 あゆの伝えたかったことが、16年越しにファンに届いた。これは「私とあゆだけの物語」であり、私からの一方的なラブレターである。あまりにも誰得すぎるテキストではあるが、とても衝撃的で嬉しかったのでここで発表させていただく。長々と、強火あゆオタの話を聞いてくれてありがとう。少しでも「浜崎あゆみ」に興味を持ってくれたら嬉しい。

 あ、ごめん、最後にもう少し時間頂戴!これ、あゆの新曲!小室哲哉作曲で「これぞ浜崎あゆみ」という曲だから最後に再生してって!!(早口)


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