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あくまでホリデイ

フィンランドのworking holiday VISA取得のための本人確認の手続きで、在日フィンランド大使館を訪れた。

事前にオンラインで提出した書類の原本の確認と指紋登録が行われる。英語での簡単な受け答えが必要と聞いていたので、かなり緊張していたが、通された個室では、いかにも優しそうなフィンランド人の女性が高い声で“Good morning. How are you?”とにこやかに出迎えてくれて、ほっとした。

フィンランドに行く理由、出発予定日など、いくつか質問を受けるなかで、現地で働くつもりがあるかどうかを聞かれた。

フィンランド語どころか英語も話せないので、働くのは難しいと考えている、でもベストは尽くす、とカタコトの英語で答えると、女性は頷き、透き通った緑色の眼で真っ直ぐこちらを見てこう言った。

“working holidayはあくまでもholidayなの、だから働かないといけないわけではないのよ。”


working holidayで渡航することを周りに話すと、たいてい渡航後の仕事について聞かれる。その度に、英語もフィンランド語も話せないから働ける見込みはないんだよね、と曖昧に答えてきた。
しかし、言語力は努力次第でどうにかなるわけで、そもそも「holiday>working」という意識で過ごしたいという意志がある。
もちろん、人間関係を築いたり、仕事を含めたライフスタイルを体験するという意味で働けるものなら働きたいが、最初から仕事を生活の中心に置くつもりはない。
でも、なんとなくそのことを堂々と口にするのは憚られて、言語力を理由にしていた。

資金的な余裕がないので、そう悠長なことも言っていられないのだが。


外国人とやりとりを始めて数か月だが、何人かに日本人は忙しすぎると言われる場面があった。わたしの働き方を伝えたわけではなく、“一般的に”という意味合いで。日本には素晴らしい場所がたくさんあるのに、日本人自身が忙しすぎてそのことに気がつけないのはもったいないと。

そう、その通り。
休み方がわからなくて、自分がなくなってしまうような気がして、わざわざ海外にまで休みに行く日本人がここにいるよ。

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