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IN&OUT of TOKYO 23「コバケン(小林健太)との会話」 微発見151

朝、恵比寿のPOSTに作品の搬入立ち会いに行く。

横田大輔と小林健太のコラボ新作「THE SCRAP」1800 × 1200の大作を展示した。

10時半に行ったらPOSTの中島佑介さんと、店の女性が2人で掃除をしたり、本棚を整えたりしているがのが、気持ちよかった。

当たり前の話だが、きちんとしておくと、良い気流がおきる。

良いオーラは客商売では必須だ。

POSTは中島佑介さんの人格がそのままの店で、「風通しの良さ」がとても魅力だ。

今回、NEOTOKYOZINEのお披露目をPOSTでやらせていただいて、とても感謝しているのは、この「風通しの良さ」の中に、プロジェクトが入りこめていることだと思う。

プロジェクトというと大袈裟な話に
なりがちだが、プロジェクトも「MY PROJECT」という面持ちが大切な時代になったと思うから。

横田・コバケンの大作も、この「ヌケ」のよい気流の中に、すっぽり入りこんだ。

中島さんが、てきぱきと柱にネジを打ち込み、僕と2人だけで大きな作品を一緒に設営できたのは、楽しかった。

品数や店内インテリアをもっとゴージャスにしたアートブックストアは、作れるだろうが、POSTの魅力は、「不必要なもの」をうまく排除している中島さんのセンスだと思う。

面白いし、とても学べる。


2時過ぎにコバケン(小林健太)が来た。コバケンは湘南に住んでいて、心身の修行をしながら作品を作っている。

まだ20代だがそれこそ「速さ」と「深さ」と「オープンネス」をあわせもつ才人だと思う。

話の内容、レスポンス、流れ、表情、速度がとても良くて、誰もがコバケンのことを好きになってしまう。
先日あった浅井佑介くんにも、同じようなソフトでしなやかな知性と野生(生命)を感じたのを思い出す。

時代は明らかに、彼らのような方向にある。

彼らにはエゴをひけらかすということや、欲望をむき出しにする事はまるでない。
だからといって野心がないわけではなく、探究という誠実がある。

納品され展示された作品を、コバケンと2人で見る。「うまくいった」という感覚が瞬時に共有される。

そしてシフトして、音楽の話になる。
音楽という「ハイディメンショナル(高次元)」なアートフォームは、これからの写真などのメディアアートの方向として明確にある、というのが、僕の持論だ。

「スティル」から「動的」に。そこには「身体が生成する時間」、そして同時に「深さの時間」(オンとロジカルなもの)もある。


コバケンは「最近音楽を作り出しているんですよ」と言って、携帯の中に保存しているトラックを会場で再生させ、僕に聞かせる。

僕らは、その音楽が「THE SCRAP」の中の細部とシンクロしているのだということが、瞬時にわかる。
これはシェーンべルグやカンディンスキーの時代には、カンタンには味わえなかった体験だ。

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