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ヨナグニサンの想い出

それは、35年ぐらい前のこと。
今の私よりも若かった父@専業農家が
農協主催の視察だか何かで、台湾に旅行したことがあった。
思えは当時の私はちょうど今の息子と同じ、
小学校3年生ぐらいだったように思う。

台湾からのお土産として父が私と弟に買ってきたのは
いかにも中華圏というかんじのベタな 中華丸帽子 と
ヨナグニサンの標本 だった。

ヨナグニサンとは。
鱗翅目ヤママユガ科に分類される蛾の一種。
日本最大の蛾であり、台湾最大の蛾でもある。
少し前までは世界最大の蛾でもあったらしい。
モスラのモデルになったとも言われている。
大きいものだと、羽を広げると 30㎝ にもなるそうだ。
上翅がコブラの頭みたいな柄になってて
幾多もの修羅場を潜り抜けてきたであろう生物の進化の神秘を感じる。
苦手な方に配慮して画像は控えますが、
興味のある方は是非画像検索してみてください。すごいから。

冷静に考えれば、ですよ。
一般的には、カワイイモノに興味を持ち始める年齢であるはずの
小学校3年生の娘に
どでかい蛾の標本 をお土産に選ぶ父のセンスって一体どうなのよと思うのですが。
幸か不幸か、女子らしい趣味が皆無で
毎日、男子と野山を駆け回り
ファミコン「火の鳥」に命を懸けていた私は、
世界最大のどでかい蛾の標本に、すっかり魅了された。
ある意味、父のセレクトは大当たりだったというわけだ。
田舎生まれ田舎育ちの、虫が平気な娘で良かったですね。お父さん。

そんなわけで私のイメージは、長いこと、
台湾といえばヨナグニサン、
ヨナグニサンといえば台湾 だった。
台湾でも「皇蛾」と言われて珍しがられている生物とはいえ
しょせんは、蛾ですからね、蛾。
いま思えば台湾に失礼なことをしたと思うが、
ファーストインプレッションがヨナグニサンだったんだから仕方ない。
第一印象っていかに大事かということを身を以て実感しました。

で。今年、台湾に着任することになった私がふと思ったのは
「台湾に行ったら、ヨナグニサンを見てみたい」
だった。
第一印象の大事さもさることながら、
子供の頃の憧れっていくつになっても尽きることがないのね、ということも
身を以て実感しました。

そしてなんと、
台北市内の動物園の昆虫館では、
9月のみ期間限定でヨナグニサンが見られる ことが判明。
なん・・・だと・・・!
今じゃん!!

こんど動物園に行こうよと息子を誘ったら
「いいよー」と快諾してくれたので
35年来の憧れのヨナグニサンに、会いに行ってこようと思います。

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