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『母親になって後悔してる』を巡って親子で話し合ったこと。

先日、息子とテレビを見ていたときの話です。
我が家のおおよそのルーティーンは

19:00 帰宅
19:00~19:30 息子が好きなアニメを見る
19:30~20:00 惰性でそのままテレビを見る
20:00~20:30 息子が好きな韓国ドラマを見る

なのですが、ある日、ふと気が付いてしまった。

19:30~20:00 惰性でそのままテレビを見る ←ココ。

無駄じゃね?
っていうか、どう考えても無駄だよね。
というわけで息子に打診してみました。

私「この時間もったいないから、ニュースにしてもいい?
  8時になったら、またこのチャンネルに戻すから」
子「いいよー」

息子、「ニュース」と聞いて素早くNHKにチャンネルを切り替える。
わかっていらっしゃる。
そうしたら「クローズアップ現代」の時間で、
テーマは
「母親になって後悔してる」 だった。

うわ、なんか重いテーマにあたっちゃったな・・・

と思ったものの、息子は
子「えーっ、あのお母さん、カウンセラーにそんなひどいこと言われたの?
 かわいそうに!カウンセラーの人、ひどいねぇ!!」
と、早くも番組に感情移入している。
・・・じゃあこのまましばらく様子を見るか。と思った矢先、
息子から、笑顔で

子「ママはどう?(母親になって)後悔してる?」

と、 いきなり剛速球 が飛んできた。
えっ、それ、あなたの母親である私に、さらっと聞いちゃうんだ??
これでもし私が
「あァそうだよ、めっちゃ後悔してるよ!!」
とか言ったら
この場の空気ってどうなっちゃうわけ?言わんけど。
それとも、そんな質問してきたってことは、
ママは絶対に後悔してないはず!っていう
確固たる自信と、私への全幅の信頼があったのかな?知らんけど。

母「うーん、後悔はしてないね」
子「なんで?」
母「だって単純に、息子君といたら楽しいじゃん」

息子といたら楽しい、というのも十分本心なわけですが
たぶんこんな薄っぺらい答えでは
息子は納得しないだろうな・・・と思って、補足した。

私「そうだねー、後悔はしてないんだけど。
  でも、『母親だからこうあるべき』とか『母親なのに』
  とか言われるのはすごく嫌だなってのは思うね。
  たとえば、仕事が遅くなったときに 
  『お母さん家にいなくていいのー?
  お子さんは大丈夫なのー?』とか聞かれることがあるけど
  そういうのは別に、『お母さん』じゃなくても
  誰か信頼できる大人がいればいいことだよね。 
 
  あとは、いまの女の人って、
  社会からいろいろなことを求められてて。 
  仕事もしろ育児もしろ家事もしろ、って
  1人でいろいろ背負わないといけないようになると
  それってすごく辛い状況だから、
  そうしたら、『なんで母親になったんだろう』って
  後悔する人もいるかもしれないよね。
  ただ、ママの場合はパパがよくやってくれてて、
  『1人でいろいろ背負わないといけない』ってことは
  あんまりないから、だから後悔もしてないよ。
  
  息子君もさ、将来結婚して、子供ができたとするじゃん?
  もし、奥さん1人に負担かけちゃうと、
  それこそ、奥さんが後悔しちゃうかもしれなくて、
  そうすると、奥さんも息子君も悲しくなっちゃうからさ、
  結婚したら、奥さんのことちゃんと助けてあげるんだよ」

息子、力強く頷いていました。頼んだぞ。

その後、あらためていろいろと考えてみて、
「これも言っておかないと」と思ったことがあったので
もう一度、補足した。

私「さっきの『母親になって後悔してる』かどうかって話。
  ママがなんで『後悔してない』って言えるのか、
  あらためて考えてみたんだけどね。

  それまで、自分の大好きな仕事を一生懸命してた人が、
  母親になったことでその仕事を続けられなくなったり、
  これまでと違う、やり甲斐のない、面白くない仕事ばっかり
  させられるようになったとしたら、
  そりゃ、後悔する人もいるかもしれないよね。
   
  でもさ、ありがたいことに、ママ、いま、
  自分が好きな仕事を続けることができてるんだよね。
  そりゃ、大変なこともあるけど。
  だから、母親になったことで
  制約を受けたり取り上げられたりしたものが少ないから
  『後悔してない』って言えるんだと思うな。」

息子、力強く頷いていました。
伝わったかな。きっと、全部ではないにしても
私の言いたいことは、あらかた伝わったことでしょう。


きみが社会に出て、伴侶を得る頃、
どんな社会になっているか、私にはまだわからないけど。
どうか、「母親になって後悔してる」って苦しむ女性が
今よりも減っている社会でありますように。

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