植本一子

日記をよく書く写真家です。日記の著書に「働けECD わたしの育児混沌記」「かなわない」…

植本一子

日記をよく書く写真家です。日記の著書に「働けECD わたしの育児混沌記」「かなわない」「家族最後の日」「降伏の記録」「台風一過」、写真と紀行文「フェルメール」、写真集に「うれしい生活」があります。 2020年3月に自費出版の日記「個人的な三月 コロナジャーナル」を出しました。

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    ECD『ECDIARY』

    出版社 ‏ : ‎ レディメイド・インターナショナル (2004/9/19) 発売日 ‏ : ‎ 2004/9/19 単行本 ‏ : ‎ 189ページ ラッパーECDの3ヶ月に渡る日記と読書と音楽と短編小説。 「レディメイド・マガジン」を創刊するときに最初に頭に浮かんだ執筆者がECDだった。ぼくたちは、と言うのはよそう、ぼくは音楽や食べることなどの話を するときはひどく饒舌なのに、それ以外のあらゆることを語ろうとする途端、失語症になる。そんなときECDはよく通る声で喋る。もちろんか彼はぼくたちの 代弁者なんかではない。けれども彼の言葉をよむときのこのぞくぞくするような爽快感は何だろう。いつも正論を、ときとして笑い出してしまうほど痛快な正論 を吐く男。誰もが待っていたはずの本だ。 ~小西康晴~ 【本文より抜粋】 ★とにかく、いったい何とひきかえに僕達はこんなに侘しい女性の姿ばかり見せられるハメになっているのか ★結局、猫はストレスを感じさせないからいいなあ、とそういうことである ★うまくいきすぎると不安になる ★先進国でテロが起こらないようにするためにイラクが戦場になっている、と ★ポルノはどこにでも潜んでいる ★脚本とか演出とかそんなものに奉仕するだけの役者をわざわざ生の舞台で見たいとは思わないのだった ★イラクの人達にもアメリカ大統領選の選挙権を与えるべきだ ★CUTするのは気持ちがいいだ ★“片思い”は恥ずかしいことでもなんでもないはずなのに ★そんな状態でライヴなどできるわけがなった ★どうせなら“爛熟”してほしい ★壁のないところには落書きもない ★後からで店を出た僕は途中で襲われてレコードを奪われるんじゃないかと、裏通りを抜けて次の店に向かった ★ほっといてほしいからこそ、つっぱねようとしているのだ ★むくわれないことに不満を感じるのは、最初からその善意は押し売りでしかなかったことにはならないだろうか ★“操作された結果、自分が利口になったと思い込んでいる”こんなに恐ろしいことはない ★トイレに入ったら便器がキレイになっていた ★そして今、街には警官があふれている ★二度とこういうところには近づかないようにしようと思う ★塗装業者に同じことを仕事として依頼したら一体、いくらの見積りが計上されるのだろう ★そんな自己犠牲の精神は僕には全くないのだ ★パンツ姿の女子高生なんか見たくはない ★セキュリティが一番儲かる商売なのだ ★人々をつなげるためにあるはずのものが人々をバラバラにしていく ★見栄張らないで、近所の公立にやってれば、ガキなんか、朝メシだけ食わせれば勝手に行って帰ってくるのに ★今こそ「メーワク」を解放しろ!
    1,320円
    石田商店
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    『さびしさについて』

    署名、植本のみ可能 ご希望の方は備考欄にお書きください ひとりだから、できること ひとりをおそれる写真家と、 子どもが生まれた小説家による 10往復の手紙のやりとり。 「折々のことば」にも取り上げられた自主制作本を文庫化。 === 母のこと、子どものこと、文章を書くこと、社会のこと、戦争のこと、過ぎ去った日々のこと。近所に住む写真家と小説家が、ときに応答しながら、親密な手紙を交わす。気持ちよい正直さと、心地よい逡巡にあふれるやりとりが、いつしか読者の記憶を掘り起こしていく。完売した自主制作本に、あらたな2往復のやりとりを加える。 自主制作版解説 武田砂鉄 文庫版解説 O JUN === 【目次】 滝口さんへ 往復書簡をやりませんか? 一子さんへ 絵を習っていた話 滝口さんへ チャイルドシートを外した日 一子さんへ 思うようにならないこと 滝口さんへ 離ればなれになる道 一子さんへ 凡庸な感慨 滝口さんへ さびしさについて 一子さんへ 「み」の距離 滝口さんへ 誰かと一緒に生きること 一子さんへ 子どもの性別 滝口さんへ 最後に会ったのはいつですか 一子さんへ 家事について 滝口さんへ 母の言葉     一子さんへ 誰かに思い出される 滝口さんへ 誰かについて書くこと 一子さんへ ひとりになること      滝口さんへ いちこがんばれ      一子さんへ 愛は時間がかかる      滝口さんへ ひとりは、わるいものじゃないですね 一子さんへ 生活 * それぞれなんとかやっていて 武田砂鉄      解説 滝口さんと植本さんの手紙のこと O JUN 植本 一子(うえもと・いちこ):写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『愛は時間がかかる』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『台風一過』『うれしい生活』『家族最初の日』などがある。 滝口 悠生(たきぐち・ゆうしょう):小説家。1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。主な著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『水平線』などがある。 筑摩書房 (2024/2/13発売)
    902円
    石田商店
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    『こころはひとりぼっち』(自主制作)

    最後に会って3カ月 別れの手紙から1カ月が経った パートナーとの関係を解消してからの数カ月の日記 友人・碇雪恵による寄稿も 目次 8月1日〜8月10日 毎日さびしい。毎日つらい。 9月11日〜9月20日 今はひとりでいることに挑戦しているのだ。 10月20日 誰かひとりでも、いてくれたらいいのだけど。 寄稿 ひとりぼっちじゃない 碇雪恵 『こころはひとりぼっち』 2023年12月10日初版発行 2023年12月15日二刷発行 著者 植本一子 寄稿 碇雪恵 題字 華雪 校正 藤本徹 協力 柴山浩紀 装丁 川名潤 感謝 ソフィ・カル    中園孔二 印刷 モリモト印刷株式会社 ※帯は3種類がランダムで届きます ※帯は手巻きのためズレはご容赦ください 感想をいただきました ーーーーーーーーーー 「ひとり」という言葉が、いろんな色を放っている。 ひとりは淋しい、ひとりは不安、ひとりは楽しい、ひとりは強い。 夜の学校のプール、散歩道のゆずの木、ひとりだから見えてきた風景の描写がとりわけいい。かつて自らの内側を引っ掻くように文章を書いてきた植本さんは、今、言葉によって世界と出会い直している。 いちこがんばれ、いちこがんばれ、読みながらそう何度もつぶやいていた。 黒田杏子(ON READING) ーーーーーーーーーー ひとりになって、旅に出る理由は色々あるし、人それぞれだ。 人それぞれだけれど、旅に出て見つかる答えはそう違わないのではないだろうか。 大切な人には幸福であってほしい。大切な人には頼れる誰かがいてほしい。 たとえそこに自分がいなくとも。 そこに辿り着くのは本当に険しい道のりだけれど、いつかその場所に着いた時、またひとりでも歩き出せるのではないか。 ”独りになってしまった”というあの冷たく震える感情を久しぶりに思い出した。 ”何をしていてもあの人を想い出す”といういつも振り出しに戻る生活。 けれどこの私的な日記を読み進める内に少しずつ温もりを取り戻して行った。 吉川祥一郎(blackbird books) ーーーーーーーーーー 「ひとり」で誰かを思うこと  前作にあたるウィークリーウエモトvol.2にて植本さんとパートナーとの関係が変化したことが明らかになったが、本作はその後の日記となっている。これまでたくさんの日記を作品としてリリースされており、その率直な内容と細やかな日常描写に多くの読者が魅了されてきたと思うし自分もその一人だ。本作は今までと毛色が異なり自身の内面と向き合うシーンが多く植本さんにとって新境地のように思う。なぜかといえば「ひとり」だから。  タイトルにもなっている「ひとり」は大きなキーワードだ。この言葉の陰と陽に植本さんが四苦八苦しているのが印象的だった。共に生きる人のいない寂しさが募る「ひとり」、誰かの都合によらず自由に行動できる「ひとり」。本作では前者の苦しさ、辛さがまっすぐ書かれており読んでいる側も苦しい気持ちになる。人間誰しも様々なバランスで「ひとり」と向き合っていると思うが、そのバランスのあり方は千差万別だと読み進める中で感じた。そして、前者後者含めて「ひとり」はコントロールできるようで、実はできないのだということもよく分かる。  誰かのことを思っても、その人はいないし、その誰かの気持ちも分からない。植本さんの日記を読み、写真を見てきた身からすれば、楽しそうだったあの日々はもうそこにはないのかと思うと悲しい。とはいえパートナー側にも人生があり、彼の選択について当然だが誰も否定はできない。このアンビバレンスに身悶えしてしまった。直接自分が関係しているわけではないが、植本さんのストレートな気持ちの吐露に当事者かのように胸がキュッとなる。だからこそ植本さんに対する周囲の優しさにはホッとするし彼らのリアクションが興味深く映った。特に娘さんの言葉は大人では全く思いつかないと思う。何気ない日常の延長にある、振りかぶっていない言葉だからこそ響くものがあった。  作中で本人も言及しているように自分を客体化して自身の感情を考察している場面が多い。そこへパートナーに対する思いがないまぜになることで感情がダイレクトに伝わってきた。書くことに逡巡する中で、文章として残って反芻する苦しさより、受け止めきれない分は文字にしてアウトプットすることの必要性や妥当性を一緒に確かめているような気になった。これはセルフケアとしての日記の効用そのものだし、一種の祈りのようだと感じた。本作を読み日記を書き始めることで内なる自分、つまり「ひとり」と改めて向き合ってみるのもいいかもしれない。 Yamada Keisuke(ブロガー/ポッドキャスター) ーーーーーーーーーー  本書の中で植本一子はとにかく取り乱す。さびしさ、つらさ、不安――が随所に表れる。 商業誌から自費出版の物まで、多数ある著書の大体を読んできた。その中で都度、さまざまなかたちで・方法で「取り乱し」を書いてきたのだと思うのだが、それがまた新しい物になっていると感じる。  それに、そこには独特な疾走感がある。それはこの本がただ単に「日記」というかたちを取っているということに由来するものだけではないのではないかと思う。 「今の私に並走してくれる・応援してくれる人たちに届くやり方がいい。」 という一節があるが、読んでいるとまさに「並走」しているような気分になる。  他にもたとえば一人で夜間の学校のプールに行ったり、友人と旅行に行ったりする場面などには、ある種の詩情のようなものすら感じるし、やはりこんな日記はなかなかないと思う。 「取り乱し」まくっていても、進んだり戻ったりしても、その筆跡は(それも悪いことではないが)ただ暗く重たいわけではない。常に希望を手放そうとしていないし、日々の中に小さな喜びがある。そのことにひどく心を動かされる。  物事が変わりゆくことにはどうしたって抗えない。それは時につらいことであり、救いでもある。その事をじっくりと咀嚼して、いつかの未来に向かって書くのだ。 「私は今、書くことはけっこうつらいけれど、いつかの喜びのために書いている。いつかの自分のために書いている。このつらさも、いつかきっと忘れる。」  誰かがそこにいて――否、実際にそこにいなくても/どんなかたち・方法であっても、誰かと向き合うことで自らの存在が浮かび上がってくる。 それが時につらいことでも、時には救いにもなり得ればと思う。 植本一子の周りには遠近にそんな「誰か」がいる。そしてそんな姿に私は救われる。 蛭田竜太 ーーーーーーーーーー こころはひとりぼっち 取り扱い店舗リスト ※随時追加中 blackbird books(大阪・緑地公園) OH!MY BOOKS(東京・幡ヶ谷) ON READING(愛知・東山公園) コンコ堂(東京・阿佐ヶ谷) 日記屋月日(東京・下北沢) B&B(東京・下北沢) 古書ビビビ(東京・下北沢) Bareishoten(大分) とほん(奈良・郡山) 青山ブックセンター(東京・表参道) 本の轍(愛媛・松山市) TRASMUNDO(東京・下高井戸) 愛騒(東京・豪徳寺) 本と野菜 OyOy (京都・烏丸) KIMAMA BOOKS(宮崎) ときわ書房志津ステーションビル店(千葉・志津) メリーゴーランド京都(京都・京都河原町) 十月(高知・円行寺口) 双子のライオン堂(東京・赤坂) 今野書店(東京・西荻窪) 本屋TITLE(東京・荻窪) SPBS(東京・渋谷) SPBS TORANOMON(東京・虎ノ門) ホホホ座浄土寺店(京都・浄土寺) twililight(東京・三軒茶屋) 本屋lighthouse(千葉・京成幕張) TOUTEN BOOKSTORE(愛知・金山) BREW BOOKS(東京・西荻窪) BOOKNERD (岩手・盛岡) 恵文社一乗寺店(京都・一乗寺) 北書店(新潟) 1003(神戸・元町) FOLK old book store(大阪・北浜) 本の栞(神戸・花隈) MINOU BOOKS(福岡・筑後吉井) 栞日(長野・松本) 葉々社(東京・梅屋敷) ペンギン文庫(移動本屋) 古書防波堤(東京・吉祥寺) 本屋イトマイ(東京・ときわ台) 本屋・生活綴方(神奈川・妙蓮寺) 本灯社(福岡・薬院) READAN DEAT(広島・本川町) 予感(東京・代田橋) とらきつね(福岡・唐人町) ルヌガンガ(香川・瓦町) サンブックス浜田山(東京・浜田山) amleteron(東京・高円寺) 蟹ブックス(東京・高円寺) SUNNY BOY BOOKS(東京・学芸大学) あまかわ文庫(兵庫・姫路市) Seesaw Books(北海道・北18条) 古書ソオダ水(東京・早稲田) 誠光社(京都・神宮丸太町) HiBARI BOOKS & COFFEE(静岡) MoMoBooks(大阪・九条) MITTS Fine Book Store(滋賀・彦根) REBEL BOOKS(群馬・高崎) 小鳥書房(東京・谷保) Books 移動祝祭日(PASSAGE 東京・神保町) toi books(大阪・本町) ヒガクレ荘(静岡) UNITE(東京・三鷹) 海辺と珈琲 ことり(大分・国東半島) WARP HOLE BOOKS(東京・等々力) 喫茶すずめ(神奈川・茅ヶ崎) フェイヴァリットブックスL(静岡・遠州小松) ポロポロ書店(宮崎) シカク(大阪・千鳥橋)
    1,540円
    石田商店
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    ECD『ECDIARY』

    出版社 ‏ : ‎ レディメイド・インターナショナル (2004/9/19) 発売日 ‏ : ‎ 2004/9/19 単行本 ‏ : ‎ 189ページ ラッパーECDの3ヶ月に渡る日記と読書と音楽と短編小説。 「レディメイド・マガジン」を創刊するときに最初に頭に浮かんだ執筆者がECDだった。ぼくたちは、と言うのはよそう、ぼくは音楽や食べることなどの話を するときはひどく饒舌なのに、それ以外のあらゆることを語ろうとする途端、失語症になる。そんなときECDはよく通る声で喋る。もちろんか彼はぼくたちの 代弁者なんかではない。けれども彼の言葉をよむときのこのぞくぞくするような爽快感は何だろう。いつも正論を、ときとして笑い出してしまうほど痛快な正論 を吐く男。誰もが待っていたはずの本だ。 ~小西康晴~ 【本文より抜粋】 ★とにかく、いったい何とひきかえに僕達はこんなに侘しい女性の姿ばかり見せられるハメになっているのか ★結局、猫はストレスを感じさせないからいいなあ、とそういうことである ★うまくいきすぎると不安になる ★先進国でテロが起こらないようにするためにイラクが戦場になっている、と ★ポルノはどこにでも潜んでいる ★脚本とか演出とかそんなものに奉仕するだけの役者をわざわざ生の舞台で見たいとは思わないのだった ★イラクの人達にもアメリカ大統領選の選挙権を与えるべきだ ★CUTするのは気持ちがいいだ ★“片思い”は恥ずかしいことでもなんでもないはずなのに ★そんな状態でライヴなどできるわけがなった ★どうせなら“爛熟”してほしい ★壁のないところには落書きもない ★後からで店を出た僕は途中で襲われてレコードを奪われるんじゃないかと、裏通りを抜けて次の店に向かった ★ほっといてほしいからこそ、つっぱねようとしているのだ ★むくわれないことに不満を感じるのは、最初からその善意は押し売りでしかなかったことにはならないだろうか ★“操作された結果、自分が利口になったと思い込んでいる”こんなに恐ろしいことはない ★トイレに入ったら便器がキレイになっていた ★そして今、街には警官があふれている ★二度とこういうところには近づかないようにしようと思う ★塗装業者に同じことを仕事として依頼したら一体、いくらの見積りが計上されるのだろう ★そんな自己犠牲の精神は僕には全くないのだ ★パンツ姿の女子高生なんか見たくはない ★セキュリティが一番儲かる商売なのだ ★人々をつなげるためにあるはずのものが人々をバラバラにしていく ★見栄張らないで、近所の公立にやってれば、ガキなんか、朝メシだけ食わせれば勝手に行って帰ってくるのに ★今こそ「メーワク」を解放しろ!
    1,320円
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    『さびしさについて』

    署名、植本のみ可能 ご希望の方は備考欄にお書きください ひとりだから、できること ひとりをおそれる写真家と、 子どもが生まれた小説家による 10往復の手紙のやりとり。 「折々のことば」にも取り上げられた自主制作本を文庫化。 === 母のこと、子どものこと、文章を書くこと、社会のこと、戦争のこと、過ぎ去った日々のこと。近所に住む写真家と小説家が、ときに応答しながら、親密な手紙を交わす。気持ちよい正直さと、心地よい逡巡にあふれるやりとりが、いつしか読者の記憶を掘り起こしていく。完売した自主制作本に、あらたな2往復のやりとりを加える。 自主制作版解説 武田砂鉄 文庫版解説 O JUN === 【目次】 滝口さんへ 往復書簡をやりませんか? 一子さんへ 絵を習っていた話 滝口さんへ チャイルドシートを外した日 一子さんへ 思うようにならないこと 滝口さんへ 離ればなれになる道 一子さんへ 凡庸な感慨 滝口さんへ さびしさについて 一子さんへ 「み」の距離 滝口さんへ 誰かと一緒に生きること 一子さんへ 子どもの性別 滝口さんへ 最後に会ったのはいつですか 一子さんへ 家事について 滝口さんへ 母の言葉     一子さんへ 誰かに思い出される 滝口さんへ 誰かについて書くこと 一子さんへ ひとりになること      滝口さんへ いちこがんばれ      一子さんへ 愛は時間がかかる      滝口さんへ ひとりは、わるいものじゃないですね 一子さんへ 生活 * それぞれなんとかやっていて 武田砂鉄      解説 滝口さんと植本さんの手紙のこと O JUN 植本 一子(うえもと・いちこ):写真家。1984年、広島県生まれ。2003年、キヤノン写真新世紀で優秀賞。2013年から下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」をかまえる。主な著作に『愛は時間がかかる』『かなわない』『家族最後の日』『降伏の記録』『台風一過』『うれしい生活』『家族最初の日』などがある。 滝口 悠生(たきぐち・ゆうしょう):小説家。1982年、東京都八丈島生まれ。埼玉県で育つ。2016年、「死んでいない者」で第154回芥川龍之介賞を受賞。主な著作に『寝相』『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』『茄子の輝き』『高架線』『やがて忘れる過程の途中(アイオワ日記)』『長い一日』『水平線』などがある。 筑摩書房 (2024/2/13発売)
    902円
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    『こころはひとりぼっち』(自主制作)

    最後に会って3カ月 別れの手紙から1カ月が経った パートナーとの関係を解消してからの数カ月の日記 友人・碇雪恵による寄稿も 目次 8月1日〜8月10日 毎日さびしい。毎日つらい。 9月11日〜9月20日 今はひとりでいることに挑戦しているのだ。 10月20日 誰かひとりでも、いてくれたらいいのだけど。 寄稿 ひとりぼっちじゃない 碇雪恵 『こころはひとりぼっち』 2023年12月10日初版発行 2023年12月15日二刷発行 著者 植本一子 寄稿 碇雪恵 題字 華雪 校正 藤本徹 協力 柴山浩紀 装丁 川名潤 感謝 ソフィ・カル    中園孔二 印刷 モリモト印刷株式会社 ※帯は3種類がランダムで届きます ※帯は手巻きのためズレはご容赦ください 感想をいただきました ーーーーーーーーーー 「ひとり」という言葉が、いろんな色を放っている。 ひとりは淋しい、ひとりは不安、ひとりは楽しい、ひとりは強い。 夜の学校のプール、散歩道のゆずの木、ひとりだから見えてきた風景の描写がとりわけいい。かつて自らの内側を引っ掻くように文章を書いてきた植本さんは、今、言葉によって世界と出会い直している。 いちこがんばれ、いちこがんばれ、読みながらそう何度もつぶやいていた。 黒田杏子(ON READING) ーーーーーーーーーー ひとりになって、旅に出る理由は色々あるし、人それぞれだ。 人それぞれだけれど、旅に出て見つかる答えはそう違わないのではないだろうか。 大切な人には幸福であってほしい。大切な人には頼れる誰かがいてほしい。 たとえそこに自分がいなくとも。 そこに辿り着くのは本当に険しい道のりだけれど、いつかその場所に着いた時、またひとりでも歩き出せるのではないか。 ”独りになってしまった”というあの冷たく震える感情を久しぶりに思い出した。 ”何をしていてもあの人を想い出す”といういつも振り出しに戻る生活。 けれどこの私的な日記を読み進める内に少しずつ温もりを取り戻して行った。 吉川祥一郎(blackbird books) ーーーーーーーーーー 「ひとり」で誰かを思うこと  前作にあたるウィークリーウエモトvol.2にて植本さんとパートナーとの関係が変化したことが明らかになったが、本作はその後の日記となっている。これまでたくさんの日記を作品としてリリースされており、その率直な内容と細やかな日常描写に多くの読者が魅了されてきたと思うし自分もその一人だ。本作は今までと毛色が異なり自身の内面と向き合うシーンが多く植本さんにとって新境地のように思う。なぜかといえば「ひとり」だから。  タイトルにもなっている「ひとり」は大きなキーワードだ。この言葉の陰と陽に植本さんが四苦八苦しているのが印象的だった。共に生きる人のいない寂しさが募る「ひとり」、誰かの都合によらず自由に行動できる「ひとり」。本作では前者の苦しさ、辛さがまっすぐ書かれており読んでいる側も苦しい気持ちになる。人間誰しも様々なバランスで「ひとり」と向き合っていると思うが、そのバランスのあり方は千差万別だと読み進める中で感じた。そして、前者後者含めて「ひとり」はコントロールできるようで、実はできないのだということもよく分かる。  誰かのことを思っても、その人はいないし、その誰かの気持ちも分からない。植本さんの日記を読み、写真を見てきた身からすれば、楽しそうだったあの日々はもうそこにはないのかと思うと悲しい。とはいえパートナー側にも人生があり、彼の選択について当然だが誰も否定はできない。このアンビバレンスに身悶えしてしまった。直接自分が関係しているわけではないが、植本さんのストレートな気持ちの吐露に当事者かのように胸がキュッとなる。だからこそ植本さんに対する周囲の優しさにはホッとするし彼らのリアクションが興味深く映った。特に娘さんの言葉は大人では全く思いつかないと思う。何気ない日常の延長にある、振りかぶっていない言葉だからこそ響くものがあった。  作中で本人も言及しているように自分を客体化して自身の感情を考察している場面が多い。そこへパートナーに対する思いがないまぜになることで感情がダイレクトに伝わってきた。書くことに逡巡する中で、文章として残って反芻する苦しさより、受け止めきれない分は文字にしてアウトプットすることの必要性や妥当性を一緒に確かめているような気になった。これはセルフケアとしての日記の効用そのものだし、一種の祈りのようだと感じた。本作を読み日記を書き始めることで内なる自分、つまり「ひとり」と改めて向き合ってみるのもいいかもしれない。 Yamada Keisuke(ブロガー/ポッドキャスター) ーーーーーーーーーー  本書の中で植本一子はとにかく取り乱す。さびしさ、つらさ、不安――が随所に表れる。 商業誌から自費出版の物まで、多数ある著書の大体を読んできた。その中で都度、さまざまなかたちで・方法で「取り乱し」を書いてきたのだと思うのだが、それがまた新しい物になっていると感じる。  それに、そこには独特な疾走感がある。それはこの本がただ単に「日記」というかたちを取っているということに由来するものだけではないのではないかと思う。 「今の私に並走してくれる・応援してくれる人たちに届くやり方がいい。」 という一節があるが、読んでいるとまさに「並走」しているような気分になる。  他にもたとえば一人で夜間の学校のプールに行ったり、友人と旅行に行ったりする場面などには、ある種の詩情のようなものすら感じるし、やはりこんな日記はなかなかないと思う。 「取り乱し」まくっていても、進んだり戻ったりしても、その筆跡は(それも悪いことではないが)ただ暗く重たいわけではない。常に希望を手放そうとしていないし、日々の中に小さな喜びがある。そのことにひどく心を動かされる。  物事が変わりゆくことにはどうしたって抗えない。それは時につらいことであり、救いでもある。その事をじっくりと咀嚼して、いつかの未来に向かって書くのだ。 「私は今、書くことはけっこうつらいけれど、いつかの喜びのために書いている。いつかの自分のために書いている。このつらさも、いつかきっと忘れる。」  誰かがそこにいて――否、実際にそこにいなくても/どんなかたち・方法であっても、誰かと向き合うことで自らの存在が浮かび上がってくる。 それが時につらいことでも、時には救いにもなり得ればと思う。 植本一子の周りには遠近にそんな「誰か」がいる。そしてそんな姿に私は救われる。 蛭田竜太 ーーーーーーーーーー こころはひとりぼっち 取り扱い店舗リスト ※随時追加中 blackbird books(大阪・緑地公園) OH!MY BOOKS(東京・幡ヶ谷) ON READING(愛知・東山公園) コンコ堂(東京・阿佐ヶ谷) 日記屋月日(東京・下北沢) B&B(東京・下北沢) 古書ビビビ(東京・下北沢) Bareishoten(大分) とほん(奈良・郡山) 青山ブックセンター(東京・表参道) 本の轍(愛媛・松山市) TRASMUNDO(東京・下高井戸) 愛騒(東京・豪徳寺) 本と野菜 OyOy (京都・烏丸) KIMAMA BOOKS(宮崎) ときわ書房志津ステーションビル店(千葉・志津) メリーゴーランド京都(京都・京都河原町) 十月(高知・円行寺口) 双子のライオン堂(東京・赤坂) 今野書店(東京・西荻窪) 本屋TITLE(東京・荻窪) SPBS(東京・渋谷) SPBS TORANOMON(東京・虎ノ門) ホホホ座浄土寺店(京都・浄土寺) twililight(東京・三軒茶屋) 本屋lighthouse(千葉・京成幕張) TOUTEN BOOKSTORE(愛知・金山) BREW BOOKS(東京・西荻窪) BOOKNERD (岩手・盛岡) 恵文社一乗寺店(京都・一乗寺) 北書店(新潟) 1003(神戸・元町) FOLK old book store(大阪・北浜) 本の栞(神戸・花隈) MINOU BOOKS(福岡・筑後吉井) 栞日(長野・松本) 葉々社(東京・梅屋敷) ペンギン文庫(移動本屋) 古書防波堤(東京・吉祥寺) 本屋イトマイ(東京・ときわ台) 本屋・生活綴方(神奈川・妙蓮寺) 本灯社(福岡・薬院) READAN DEAT(広島・本川町) 予感(東京・代田橋) とらきつね(福岡・唐人町) ルヌガンガ(香川・瓦町) サンブックス浜田山(東京・浜田山) amleteron(東京・高円寺) 蟹ブックス(東京・高円寺) SUNNY BOY BOOKS(東京・学芸大学) あまかわ文庫(兵庫・姫路市) Seesaw Books(北海道・北18条) 古書ソオダ水(東京・早稲田) 誠光社(京都・神宮丸太町) HiBARI BOOKS & COFFEE(静岡) MoMoBooks(大阪・九条) MITTS Fine Book Store(滋賀・彦根) REBEL BOOKS(群馬・高崎) 小鳥書房(東京・谷保) Books 移動祝祭日(PASSAGE 東京・神保町) toi books(大阪・本町) ヒガクレ荘(静岡) UNITE(東京・三鷹) 海辺と珈琲 ことり(大分・国東半島) WARP HOLE BOOKS(東京・等々力) 喫茶すずめ(神奈川・茅ヶ崎) フェイヴァリットブックスL(静岡・遠州小松) ポロポロ書店(宮崎) シカク(大阪・千鳥橋)
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          個人的な七月(7/12~7/15)

          個人的な七月(6/29~7/3)

          今週のトピックはこちら 友達の引っ越し/お別れの作法/天皇と一緒/期日前投票/手ぶらで行けます/クソレス・スルー・スキル/金時豆の上手な煮方/誰か教えて/豚のひき肉/つまり餃子/キャッシュレス決済5%還元終了/コンビニは2%って/知ってました?/スマホ決済/手数料/ドライヤー新調/ナノケア/ルージュピンクだそうです/それより先に/ぶっ壊れそうな洗濯機/買うべきでした/丁寧な暮らしチャンネルから/ゴミ屋敷掃除動画へ/TOHO渋谷/ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語

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          個人的な七月(6/29~7/3)

          個人的な六月(6/22~6/26)

          今週のトピックはこちら 依存症対策としてのヨガ/東京から草津/18歳、金がない/現行犯逮捕/PUNPEE結婚/私の結婚観/それも一種の愛/アルコールジェル/歯磨き粉を手に塗る/自分のための撮影/都知事選/うつけん/地味で結構/また豆/絹/木綿/豆腐/とうもろこしご飯/ルバーブ/kemio/goodmorning baltimore~♪/シェアハピ/人生は楽だよ/noteの売り上げについて/いくら売れたと思いますか?/この日記/出版不況について考える/小牧ちゃん登場/今井麗の

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          個人的な六月(6/22~6/26)

          個人的な六月(6/15~6/20)

          今週のトピックはこちら このクソ暑い中世の中全員がマスク/梅雨です/鍼灸院/刺さない鍼が面白いです/除湿機即購入/湿度対策/水毒/デジタル湿度計/めちゃくちゃ面白いです/全力で体質改善/おうちでお灸も/布団乾燥機をお持ちですか?/夏も使えます/リモート撮影/誰にも会わずに完結するお仕事/仕事の持続化/アフターコロナの働き方/K/E/M/I/O/体脂肪率/27%/ヤバ高/豆/豆/豆の一週間/昼寝のない人生なんて/新しい生活様式って?/山崎ナオコーラさん/好きです/配偶者は精神

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          個人的な六月(6/15~6/20)

          個人的な六月(6/8~6/13)

          今週のトピックスはこちら 秋葉原通り魔事件から12年/家内制手工業の一日/キスケ/佐川急便/チンさん/Tシャツ業者さん/いつもありがとうございます/東京都の最低賃金/1013円/広島県の最低賃金/871円/きゅうりと豚肉の炒め物/よなよなエール/ファミマの杏仁フラッペ/梅雨入り/日焼け止め=お化粧/シミだってできるさ/36歳/40文字以内の帯文の難しさ/不倫報道に一言物申す/一言どころじゃなかった/小島が好き/児嶋だよ!/カウンセリングのススメ/自分で自分の機嫌をとる/パッ

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          個人的な六月(6/8~6/13)

          個人的な六月(6/1~6/6)

          今週のトピックスはこちら 娘たちの学校が3ヶ月ぶりに再開/電車に乗って社会復帰/PMSに効くお灸/お母さん誕生日おめでとう/71歳/娘も私も誕生日/10歳/36歳/牛乳配達DIARY/作者のINAさんってパンクのバンドマンなんだよ/ECDも好きだった/MILK/カタン楽しい/お久しぶりゴキブリ/ニュージェネレーションの家事/仕事を断ることについて/勇気いります/エッセイが苦手/ジャイアントカプリコ/狂気の著者完全手作りマグネット/黒人差別問題/フレンチが好き/岡野大嗣さんの

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          個人的な六月(6/1~6/6)

          noteをはじめます

          これからnoteで日記を始めたいと思います。これまでnoteの課金システムには抵抗があったのですが、始めることに決めた自分の考えを書いてみたいと思います。 まず、私にとって「書く」ことはセルフカウンセリングであり、自立するための術でもありました。コロナの状況が一気に怪しくなった2月末から3月までは、毎日日記を書くことでその混乱を凌いでいたような気がします。(4月末に「個人的な三月 コロナジャーナル」という本を自費出版しました) 3月以降もなんだかんだと日記の依頼があり、4月

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          です

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