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#29 【読書記録】台湾はおばちゃんで回ってる⁈ / 近藤弥生子


今日はこちらの本のご紹介をします。


近藤弥生子さんは、台湾在住のノンフィクションライター。私はVoicyを通じて近藤さんを知りました。オードリー・タンさんに関する著書で有名です。

読むのが遅い私ですが、スキマ時間に本を手に取り、他のことを放り出してとにかく読書読書。そして2日で読み終えました。とても温かく多様性を受け入れる社会、子供に優しい人々、自分らしくいられる生活が描かれていて、今すぐ台湾に行ってみたくなりました。
その中でも心に残った箇所をいくつかご紹介したいと思います。

まず印象的なのは、台湾の人々の大らかさ、柔軟さ、ポジティブさです。
例えば、台湾人は対話が上手。利害の異なる人々がここだけは譲れないという部分を探り、おおまかな合意を取り付けることができる。だめな理由を探すのではなく、どうしたらできるかを考えるというのがとても前向きだし、多様な人たちの多様な考えを尊重する礎を感じます。
また、台湾では見切り発車で始めてやりながら考えるということも一般的なのだそう。まずはやってみて、やりながら考える。一生懸命やっていれば自然と周囲は手を貸してくれる。見切り発車でも、お互い様なんだから迷惑だなんて思わない。
迷惑をかけないようにとギスギスするよりも、こちらの方がよっぽど生きやすそうです。

次に、台湾のダイバーシティー&インクルージョンの浸透について。
台湾も少し前の世代までは男尊女卑、ジェンダーギャップの大きい社会だったそうです。子供の面倒は母親がみるものという価値観が当たり前な社会(なんかすごく聞いたことあるぞ…!)。しかし、男性でも育児したい、女性も仕事や政治で活躍すべき、という人々が、世代を重ねるにつれ必死にその権利を獲得してきた結果なのだそうです。
フィンランドなどのジェンダー平等先進国も、数十年前まで同様の状態でした。このような事例を見ると、ちょっと希望が持てますよね。台湾や北欧でも努力して今のジェンダー平等を獲得してきたのであれば、日本もきっと変われるだろう、だから希望を捨てずに一人ひとりが変化していくことが大切だと、改めて感じました。

台湾は産後ケア事業やベビーシッター制度が充実しており、近藤さんも活用したそう。
仕事を続ける中で、シッターさんにお料理や子供の面倒をお願いしているそうです。その中で言われたという一言がとても素敵です。

「それぞれ得意なことがあるでしょう。あなたは仕事が得意なだけよ。」

女性だから子供の面倒を見るとか、家事が得意でなきゃいけないとか、そういうことはまったくなく、得意な人が得意なことをすれば良い。そんな考えがにじみ出ているようで、ほんとに温かい。まさにダイバーシティ&インクルージョンを一言で表しているなと感じました。


台湾行ってみたい人、子育て中の人、ジェンダーギャップにもやっとしてる人、自分らしく生きたい人、いろんな人に刺さると思います。

私は今、とにかく台湾に行きたい笑。

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