見出し画像

清明


清明のベランダに出る
地上4階の高さに浮く
一畳にも満たない箱庭

 怖がって片づけられなかった蝉の死骸と
 長かった秋の葉が
 腰抜けの冬を越してまだ居座っている
 春一番も
 牡丹雪も
 彼らを流し去ることはなかったようだ

地上からは
奏で始まった交響が
重い雲を清浄せんと
麗らかに舞い上がる

巻き込まれた二、三枚の花びらが
過ぎた季節たちの上に吹き寄せて
春の命を報せている

 清明の ベランダに落つ 桜花 
 昨日を吸いて 色や濃くなり

道を行き交うつむじ達は
花びら宛ら
奏でに加わる往来の会話は
流れる筏のようであった


ーーーーーー

元気かい?
清明にふさわしいお天気ですね。

時の無情とも思える残酷さと
人間らしさ、人の仕事とも言える忘却や移り気に
春を見ていました。
社会が花筏のように思えました。

サポート頂けましたら、部屋を飾るお花を買って、その花を詩にしてお返しします🌷✨よろしくお願いします☺️