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【模擬授業】大事なことと心構え

日本語教師として日本語学校に応募した際、多くの学校では模擬授業をしなければなりません。みなさんは、経験がありますか?

模擬授業は、短い時間で授業の一部を見せるというもの。
採用する学校からすれば、教師に授業力があるのか見極める材料となります。私も、最初に面接を受けた学校で見せたときには、声が震えていました(なんとか合格しました)。

今回は、そんな模擬授業の体験と、私の考えをお話しします。

私の体験談

どうやって準備する?

突然ですが、日本語学校の採用を見て申し込んだことを想像してください。ホームページには、面接時に模擬授業を課すとあります。そして、学校側からメールが来ました。指定された教科書のある課について、10分ほどで授業するようにとのことでした。

これは、まさに私の体験です。
当時、私は日本語の授業をしたことは一度もなく、もっと言えば指定された教科書も見たことがない状態でした(ちなみに、それは『みんなの日本語』という業界で最も有名なテキストでした)。

そのとき、私は授業範囲を確認し、次に、

ネットで教案を探すことにしました。

教案は、いわば授業の進め方で、『みんなの日本語』なら全課の教案を簡単に探すことができます。そうです、私はネットの教案完全そのままの授業をしたのです。

ダメ出し多数、でも合格

結果は、いまいちでした。
校長先生と、外国人スタッフの方が私の授業をご覧になったのですが

・声が小さい
・説明が長いから、もっとはっきりわかりやすく

など、たくさんのフィードバックがありました。当時緊張していた私は返事しかできませんでしたが、今思えば貴重な機会だったと思います。
こんな未経験丸出しの授業でも、結果は採用。こんな感じでもいいんですか?と、嬉しくも驚いた記憶があります。

(ですが実際、働き始めると授業で苦労しました。赤裸々に書いた教師1年目はこちらで)

改善点が多かった私の授業でしたが、褒められた部分も。
それは、語彙コントロールです。

基本的に日本語学校では、学生がそれまでに学習している単語しか使ってはいけません。これを「語彙をコントロールする」と言いますが、実際やってみると、かなり難しいんです。
私は、日本語教師資格試験の勉強で知っていたこともあり、語彙だけはコントロールしようと心がけて模擬授業していました。
いわずもがな、ネットの上の教案は語彙もきちんと考えられていますが…

模擬授業で本当に大切なこと

私の模擬授業は、先ほどの通り、自分で考えて行ったものではありませんでした。
そんな人間が、みなさんに偉そうに何を言うのか。
これから模擬授業をされる方に、声を大にして言いたいことがあります。それは、

教案づくり無理しないで!ネット丸パクリで採用されることもある!

そして、

ほんとに大事なのはそこじゃない!

私は今は、ネット上の教案をそのまま使用することはしません。しかし、それは日本語教師として仕事を続けてきて徐々に変化した結果です。
資格を取得するまでは、既存の教案を参考にしても罪悪感を抱く必要はありません。むしろ、自分の語彙をきちんとコントロールして、人前で3時間ほど話すことに慣れるほうが大事です。
教案は、経験を積めば見えてくるものがあります。しかし、授業への不安があれば、日本語教師を継続することもままなりません。


私が教案を作らない理由はこちら


模擬授業は、採用の過程でしかありません。授業の内容もそうですが、あなたの教員としての姿勢のほうが見られています。中でも、授業した後のフィードバックを受ける際の態度は、重要でしょう。
自分の授業に対して厳しいことを言われても、それでグレては教師としての素質が疑われます。嫌味だけで言ってくる人もいるかもしれません。しかし、忙しい学校業務の中で、何も言わずに採用としてもいいところを、わざわざコメントしてもらえる、そうポジティブにとらえることができるかが大事です。自分の授業へのフィードバックがいかに貴重か、私が知ったのは働いた後でした。ぜひ、コメントされた時には「教員育成に力を入れている」学校なのだと、受け取ってみてくださいね。

これから模擬授業される方へ

模擬授業、そんなに気負わないでください。
できます。なんとかなります。

そして、楽しんでください。ネットのままにしても、どんなに噛んでも、堂々としてください。厳しいことを言われたら、それをメモする気持ちで。初めての授業でも大丈夫です。

模擬授業のあと、本当の日本語教師生活が待っています。
みなさんが無事採用され、笑顔で働けますように。

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