涙

人の痛みが分かるのは… ~職業としての風俗嬢のススメ⑪

おかえりなさい。

いきなりですが、「刑事専門弁護士」というドラマをご存知ですか?先日、存在を知って一気に見てしまいました。一番のお気に入りなのですが、自分の琴線に触れる事柄がたくさん盛り込まれているんですよね。

ドラマの中のフレーズで・・・
「あなたの常識は私の非常識。私の常識はあなたの非常識」というのが出てきます。風俗における常識は一条のいう非常識、一条の語る常識は風俗業界の非常識にあたると思います。

ここを読んでおられる今の貴女にも、常識として備わっているものがありますよね?貴女が常識と思っているそれは本当に真実ですか?常識はいつも「正しいのですか?」

この物語が扱うテーマは、「冤罪」です。誰もが犯人は決まっていると思える事件を、0.01%の真実で暴くという話が自分の心をスッキリと洗い流すという様な感情を与えてくれます。

僕には、小学校4年生の時に教室で給食費がなくなるという事件の犯人にされた過去があります。担任の杉本先生はガタイのいい、とっても怖い先生でした。

一年中同じ服を着て登校している・・・クラスの中で一番貧乏だったことから、誰かが「僕が盗んだところを見た」と先生に言ったようです。全く身に覚えのない一条少年は、「やってません」としか言いようがありません。

想像してくださいね・・・母子家庭で育った、たった10歳の少年です。世間のことは何も知らず、父親の存在も知りません・・・
そこに、怖い大男の先生が「お前が盗ったのを見たものがいる」といって迫ってくるのです。

夕方、誰もいない教室に先生と二人きり、それはもう心細いし怖いし、どうすればいいのか・・・ただただその場を逃げ出したい心境だけです。
先生から追い討ちをかける言葉が飛びます。「やったと認めないと、いつまでも帰れないぞ!」貴女ならどうしますか?

一条少年は、この場から逃げたい一心で、やってもいないことを「やりました」と言ってしまいました。
今思うと、中身の無い銀行の封筒のようなものを先生が持っていたような風景を覚えていますが、「中身をどこにやったんだ?」という追求は受けた記憶が無いですね。僕ならお金を戻して、取られたという本人に返しますけどね。

「今、お母さんを呼ぶから、ここで待ってろ」そう言われて待っていると、30分ほど過ぎた頃・・・「りゅういち...」というお母さんの声が聞こえ、教室の扉に寂しそうに佇む姿がありました。

帰りの道をどのように帰ったかも記憶になく、「僕はやっていない!」とお母さんに弁解をした記憶も無い。ですが、その翌年にお母さんが亡くなり、結局冤罪だと伝えることは出来ませんでした。

その時から、「お金」と「大人は卑怯で汚い」という思い、そして「マザコン」というトラウマが残りました・・・。

続いてホスト時代の話ですが、当時働いていた男の子が、店の帰りに酔っ払って自転車を盗んで警察に捕まったことがあります。窃盗事件を起こしていますから、当然警察に取り調べ受けました。

男の子の所持品の中に、店の「初回 5000円で飲めます」チケットが有り、警察官からの追求で、ホストクラブで働いていると言ったのです。男の子は当時17歳の未成年であったことから、ただの窃盗事件から、未成年を働かせている店ということで捜査が入りました。

面接の時に持ってきた免許証のコピーは彼の兄のもので、写真だけ貼り替えてコピーして提出していたのです。当時は風俗営業法などはさほど厳しくなく、17歳ならその辺に当たり前に働いていたでしょう。免許証のコピー20歳となっていた為、何の疑いもなく働かせていました。

捕まった日から来なくてなった様ですが、そのことにも気付かずにいました・・・そんなある日、テレビカメラと共に警察が店に乗り込んできたのです。容疑は、未成年雇い入れによる児童福祉法違反です。

身柄を拘束されたのは、自分とオーナーでした。さほどの重罪でもなく逃走の危険もないということで、在宅起訴といって、1週間朝の10時から夕方5時までの間警察署に出頭して調書を作ります。

警察で生い立ちから話していくのですか、事件の事に関しては、さもこちらに非があるように書かれます。「そうじゃなくて・・・」なんて言っても聞き入れてはくれません。

適当な調書を作成し、裁判所に提出して審議もなく結審。裁判所で罰金刑の処分を受け、30万円の罰金で終わりましたが、それでも罪は罪、前科がついてしまいました。

ついでにもう一つ告白すると、ホストを卒業した後、数年の月日が経って、合法店をたくさん抱える風俗店のグループ会社に勤めたのですが、当時(今はもう有りませんが)新宿に営業届出をしていない店舗(俗に言う無許可店、違法店と呼ばれる店舗です)が3店舗ありました。

会社から、その内の一つの店舗の責任者をやってほしいというオファーがあり、歌舞伎町で仕事をする事になりました。会社命令ですから断ることが出来ません。横浜から新宿へ働く場所を変えたのですが、歌舞伎町では店長とは呼ばれず「社長」と呼ばれます。

違法店ですから、摘発があった場合は一切の責任をかぶるという暗黙の了解があり、記載はありませんが、危険手当という名目で勝手に基本給が10万円上がりました。

そんな折に、例の石原都知事が歌舞伎町クリーンアップ作戦というのを実施して、一斉摘発で一条も検挙されました。オーナーの身代わりですから、自分の責任で全てやった事としなければなりません。

その時一緒に検挙された男子スタッフが超素直で、頭も良く、僕の供述と彼の供述がまるで口裏を合わせた様に(実際に合わせているのですが…)ピッタリと一致していたので、これ以上追求しても何も出てこないだろうという判断で、通常20日間の拘留期間のところを7日で終わり、8日目には罰金を払って保釈となりました。

昨年、今の仕事の帰り道によくポケモンGOをやっていて怪しげな場所に立ち寄った際、覆面パトカーの警察官に呼び止められ職務質問を受けましたチャリンコなのに、身分証として免許証の提示を求められるので免許証を渡すと必ず「何があったのですか?」と聞かれます。

前科2犯で深夜に自転車で徘徊となったら、何もしていなくても少しおかしな挙動で即刻逮捕されてしまいます。罪を犯したから逮捕されるという構図は分かります。この様に、冤罪、とばっちり、身代わりとなって罪に問われる者が、この世の中にはたくさん居ると思います。

一条が犯罪者であるという告白はこれくらいで、冤罪に関していうと、痴漢などの犯罪は本当に憎むべきですが、世の中にはハニートラップの様な出来事もあったりします。

「目に見えている事が真実とは限らない」という思いは、一般常識の中で生きている方々とは少し見え方が違う様に感じます。そして、冤罪を主張をされる方の痛みは、身をもって経験しているのでよく分かります。

「経験から学んだ痛み」から生まれた一条の考え方を書き出してみます。実際に自分自身が経験したことなので、対処の仕方が分かるということです。

•精神病院で母を亡くした。(病みに関して敏感)
•冤罪
•親の居ない家庭
•幼少期からの孤独
•ド貧乏
•株式一部上場企業で働くということ
•ホストになって5年間売れなかったこと
•指名が取れる様になった経緯
•No.1になりたいと思ってなるまでの経緯
•ホストクラブオーナーとなって店を潰した経験
•5回の結婚(×4なので離婚に関すること)
•愛する彼女を風俗嬢にした男の立場や感情
•風俗で働こうと決心する女性達の心理
•女の子、女性が抱える悩み…
経済、心の病、人間関係、健康、家族、子供など
•結婚生活での浮気をする男の心情
•結婚生活で妻に浮気をされた男の心情
•人生をどうやって切り開いていけばいいのか

今も勉強中ですが、ホストや風俗という職業を経験して思うことは、自分は「女の子・女の人」が好きなのだということ。風俗を離れた後の職場はキャバクラでしたが、毎日、毎日、女の子と接する機会がある職場です。
挨拶程度であったり、たまに悩みを聞く程度で、何の指導も助言もしませんが、近くに女性の存在感があるだけで、心が休まっている様に思います。

奥さんと話している時、言われた言葉を思い出します。
「お店で働いている時が一番キラキラしてたよ!自分で風俗店をやればいいのに…」

実は、一条の奥さんは風俗嬢歴20年ちょっとの女性です。風俗で稼いだお金は2億4千万円くらいになります。(ほとんどが、洋服、靴、バックなんかに化けました・・・なので洋服は山のようにあります)

一条の勤めは、奥さんに「一緒になって幸せ」と思ってもらうことです。その為に本気で頑張ろうと決めています。

いかがでしたか?なんだか一条の思い出話になってしまいましたが、母を早くに亡くしたことが、後に女性と係る仕事に執着すること、そして女性(女の子)を大切に扱わない風俗業界の在り方に、強い憤りを感じることに繋がっているのではないかと感じています。


それでは・・・今日も元気に
いってらっしゃい。

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