Words From いしい⑩
12月に入ったので風物詩という事で・・・
皆さんは「サンタさん」という存在をいつまで信じていましたか?
いしいは割と物心つく以前から信じていませんでした。
うーん。可愛くないですねー。ひねくれてますよねー。
理由の一つとして、まずそもそもの「サンタクロース」という存在自体を理解していない内にアニメやお芝居などで「サンタさん」という人物の存在を匂わせておいて、結局は両親が子供の枕元にプレゼントを置いている描写をよく観ていたせいか「そういうもんなんだ!」と理解(誤解?)していて、ファンタジーが解らない冷めた病みガキでしかなかったです。
けれども年末になるとその事情を露程(つゆほど)も知らない両親からの
「いい子にしないとサンタさん来ないよ!」という決まり文句のプッシュは凄かったように思えます。
・・・そして、いよいよサンタ不信を加速させる事件が起きてしまう。
当時はサンなんとかさんとやらにお願いしてでも欲しい物があったのは事実で。
それは知り合いの家で読んで内容や写真・イラスト・キャプションが大変素晴らしくて子供心ながらに衝撃すら覚えた「ふしぎ!なぜ?大図鑑」という
火サスであれば人命を刈り取りそうな鈍器に近いボリューミーな図鑑がメチャクチャ欲しかったんです。
当然ながら、当のサンタさん達もその図鑑の事やそれを欲しがっている事は知っていたので当日に薄っすらと期待をしている、腹黒いいしい少年であった。
━━━━━━━━━━━━そして、クリスマス当日
目が醒めると枕元に茶色の紙袋が1つ、ドンと鎮座していた・・・
触った感触は間違いなく書籍だったし、一瞬で図鑑と見て取れる分厚さ!!
クリスマスの朝に寝起きでブチ上がる、いしい少年。
勢いよく紙袋を破くと中から出てきたのは!!!!
月刊ジャンプ1冊、週刊チャンピオン2冊の計3冊だった・・・
「??????????????????????????????」
一瞬寝ぼけて見間違えてるのかと思ったが、紛れもない現実だった・・・
奈落の底に落ちたテンションで一応ペラペラとページをめくるも期待したような生き物の写真やイラスト、胸が躍るようなキャプションはそこにはなく
逆に「ズガガガガッ!!」、「バーン!」という筋肉と筋肉がぶつかり合うような荒々しい描写や効果音で誌面のほとんどが埋め尽くされているのが現実だという事を余計に痛感させる。
-------------------------------------- キリトリ --------------------------------------
━━━━━━━━━━━━更に話は続く。
年末にそんな事件が起き、年が明けてちょっとしてからまた不可解な事が起き、加熱した不信感は遂に危険な領域へと突入する・・・。
ある日突然、我が家のポストの中に
「サンタさん です。 い い子 に して べんきょうを が んばる ように」
・・・という謎の怪文章が無造作に入ってた。
ひいてはザラついた藁半紙に印刷されていたのでインクの乗りが非常に悪くて文字が滲んでいるのも手伝ってシンプルに脅迫文のそれにしか見えなかった。
同時に脅迫状を見てすぐに書いたのは誰だか瞬時に解った。
そ れ は 親 父 だ 。
当時、徐々に普及していたワープロを親父が入手していたのを知っており。
果てはワープロを使うのが楽しかったのか仕事で使ってたのか知らんが家でよくタイピングをしているのを見ていたからだ。
オマケに文章の内容的にも完全に肉親目線である。
これで第三者が書いたものなら混じりっけ無しの怪文章で通報案件モンかと思う。
もうね。ジャンプとチャンピオンでヤル気になる燃費のいいポテンシャルもないし、最初からサンタクロースを信じてない子供をなめんなよ。って話です。
こういう変な事件(?)があったのが手伝って完全にサンタクロース=「幻想/親」と思わされたのに加えて、この出来事達で味わった痛みと引き換えに一つ大人に近づいた瞬間なのかも知れないけど
歳を取って、ふと「はぁ。子供に戻りたい・・・」と思った時が本当に大人になった時なんじゃないかな?って、私思うの。
・・・はぁ??急に真面目か???