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温度がテーマの手作り教材で4歳児に理科と算数を教えてみた結果【リベンジ編】

前回の記事では、愛すべき我が家の4歳児のために「温度マップ」を自作して科学教育を試みたものの、まったく相手にしてもらえなかったという話を書きました。

温度マップ(中温)

何が不足で、この魚釣りの魅力に心奪われた未就学児の興味関心を妨げたのか、厳しく過酷な自問自答をコーヒーを飲みながら繰り返し、チョコレートを補給しながら以下の4点を反省しました。

反省点 その1.取り上げた項目が多すぎて容量オーバーを招いた

反省点 その2.文字が小さすぎて見にくかった

反省点 その3.イラストが少なく興味を持ちにくかった

反省点 その4.単なる一覧表では見るだけで終わってしまいつまらなかった

そこで、以下のような対策を取って、温度マップを「温度カード」に一新しました。

対策1.取り上げる項目を24個に絞り込んだ

対策2.文字の使用を控えた

対策3.イラストで内容を伝えるように改善した

対策4.カード形式に変更し、ゲームをして遊べるようにした

まず、多すぎた項目数を、ブラックホールの膠着円盤の温度や鉄の融点、ごみ焼却炉に犬の体温、マダイの生育水温や南極の最低気温に液化天然ガスの輸送温度など、24種類に絞り込みました。

そのうえで、文字ではなくイラストで内容を表現することで直感的な理解を促し、見ているだけでも楽しめるよう工夫しました。もちろん、イラストは筆者が温度をイメージして描いたオリジナルです。

さらに、カード形式に変更したことで、「見るだけ」から「手に取って遊ぶ」という具体的な行動へとつながるように改善し、より興味を引けるよう工夫しました。

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次に、遊び方ですが、

①カードのイラストの中に隠れている温度を表す数字を見つける

②温度の高い順にカードを並べる

③正しく並べられれば正解、誤っていればやり直し

という非常にシンプルなものです。それだけ?と思われるかもしれませんが、それだけです。

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ただ、それだけとは言っても、一連のプロセスの中には、イラストを見てそれがどんな現象なのかを理解し、数字探しを楽しみ、数字を読み取り、大小を比較し、間違っていれば誤解を修正し、好成績を目指す、という実に多くの要素が含まれています。温度マップよりもはるかに複雑な刺激を与えることができる点は、子どもの学びにとって重要です。

また、数字には桁の大きな数字や小数点、マイナスの数字も含まれています。温度なのだから当然ですね。体温を測れば小数点が使われていますし、氷や冷凍庫の説明にはマイナスの数字の理解が必要です。これらを、就学前であってもゲームを通じて自然な流れで触れることができるのです。数字や算数が教科書の中だけでなく、実生活に直結していることを感じ取ることもできます。

さあ、これならば、先月から古代の巨大サメ・メガロドンを愛するようになった我が家の幼児もきっと夢中になるはずです。このカードでゲームしよう!と呼びかければ、きっと飛びつくに違いありません。

と言うことで早速、3日かけて制作した渾身の温度カードを引っ提げて、小さなメガロドンファンにオファーを出してみました。果たして今度こそ興味を持ってもらえるでしょうか?

「カードを作ったから、ゲームしよう!」

すると、「ゲーム?やりたい!どうやるの?このカードは何?」と食いつきの良い反応が返ってきました。すぐにルールを説明して、太陽のコロナ(100万℃)と水の沸点(100℃)の2枚のカードを選び、温度の高い方が上に来るように並べてもらうと、最初から見事に大正解。

興奮したサメ好きさんがもっともっとと次のクイズを催促するので、ごみ焼却炉(1000℃)や人間の体温(36.5℃)など数枚を選んで並べてもらいました。

一度に複数のカードを提示しても把握しきれず混乱してしまうようでしたので、2枚ずつ比較して一緒に考えながらゲームを進行しました。

すぐにゼロの多い方が大きい数字らしいというコツをつかんだらしく、1回を除いて正解への到達を連発し、盛り上がりが最高潮に達したところで、晩御飯の時間になったため終了となりました。

ということで、今回の試みは成功したようです。肉より魚派の幼児の純粋な心をしっかりと掴み、例えば1,000℃と1,000,000℃のどちらが高い温度なのかを判定する能力を磨くことができました。やはり、ゲームの要素を取り入れたことが良かったようです。

ゲーム中に自然な形でイラストの意味についての質問も出てきましたので、説明もしやすかったです。これなら肩ひじ張らず科学教育ができるでしょう。

ところどころ理解が不完全な場面も見受けられましたが、正解獲得を目指すゲームを楽しみながら、数字のルールについても理解が進みました。

自らの手でサメを釣り上げて食べるという人生目標を先週から掲げはじめたひたむきな4歳さんも大変ご満悦でした。

ただ、途中で終わってしまいましたので、全てのカードにはまだ触れていません。今後もこのカードで遊んでみて、修正すべき点が見つかれば都度修正していきたいと思っています。

なお、この手作り温度カードはminneで販売しておりますので、興味をお持ちの方は是非お手にして見て下さい。

https://minne.com/@ichiniwa

 







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