怒ったわけ

イス山さんというゲームをやったことがあるだろうか。
プラスチックのイスを
高く積み上げて崩したら負け。
ジェンガのようなゲームだ。

向こうが2箱買ってきた。
「2箱も要るの?」と問いかける。


「1箱だと簡単に積み終わるから。」


同じものを2つも買うことに驚く。
買ってしまったからにはしょうがない。


実際に遊んでみると
2箱買って良かったと思った。
とても面白いゲームで、
2箱で丁度いい。


倒しそうになりながらも、
2箱分のイスが積み上げることができた。


「やった、積めた!」


満足である。
2箱分ものイスを積めたのだ。


積み終わった達成感を味わっていたら
隣から言われる。

「今、もう1箱買っちゃった」


「え!!なんで?」


もったいない、もう2箱もあるのに
また1箱買うなんて…もったいない。

どこまで高みを目指すのか。


「もう2箱もあるのに要るの?」


怒ってたかもしれない。

自分のお金でもないし、
別に悪いことではないし、
止める権利もない。

なのに、もったいないと思ってしまった。

でももう注文してしまったのなら、しょうがない。

そのあと、数時間しばらくが経ち言われる。

「注文キャンセルしといたよ」


キャンセルは出来るのか、
買わなくてよかったのか。


「注文キャンセル理由を任意で書くところがあって、
彼女が激怒したからって書いたよ」


笑った。
たかが数千円おもちゃで、
そんなに怒ることもなかったのに。
されど数千円がもったいないと思った。

なんでそんなしょうもないことで怒ってるのか
キャンセル理由の統計をとる側なら
笑ってしまう。

彼女が激怒したから。


寛容に生きたい