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「お祝い」 今、この言葉が大好きになりました―あなただけの成人式を終えて。

梅雨の中休みとなった6月8日、季節外れの成人式が行われました。

これは、「あなただけの成人式」。

成人式のタイミングを逃してしまった伊藤楓さんへ、誕生と成長のお祝いをイチゴイニシアチブからお届けしました。

楓さんは、自分の言葉と行動で社会を変えようとする、強くて優しい女の子です。今回は、楓さんご本人や、イチゴイニシアチブメンバーが、お祝いを通して感じたことをご紹介します。

「お祝い」 今、この言葉が大好きになりました―楓さんからのメッセージ。


イチゴイニシアチブの活動をお聞きしたのが、約1ヶ月程前。

「楓ちゃん、振袖着てみない?」

その言葉を聞いた瞬間
所謂、頭が真っ白になるという感覚になった。

大袈裟だと言われるかもしれないが、真っ先に思ったのが、

「どうしよう…」

真っ白になった。

私が着物を着ても良いのか?
着物は金額も高いしどうしよう
着付けも、美容室も高くていけないし
身分不相応なのではないか。
着物を着たら…着物…振袖…

どうしよう…
数秒の時間で、色んなことが頭の中に
飛び出してきて不安になった。

先に言うと、私は自尊心がとても低い。

金額はどの位かかりますか?

嬉しい気持ちが湧いていたが、
生活に余裕のない私は一番気になる部分を
正直に尋ねた。

お金はかからないわよ!

「え?!」


その後、イチゴイニシアチブさんの
活動のお話を聞いた。


「素敵な活動!!」

なんて素敵な活動なんだろうとおもった。
お祝いという言葉を聞いただけで
ワクワクした。

社会的擁護の子どもを気にかけてくださる
様々な方々の思いやりで、私達は
素敵な体験を重ねることができた。

子ども時代、一緒に遊んでくれた
ボランティアさんの言葉を思い出した。

楓ちゃんが寂しくなったらお姉ちゃんになんでも話してね!

遊びの輪に入るのが苦手な子どもで、
いつも1人でブランコにのっていた。

集団行動が苦手で、いつも輪の中から外れ
絵を書いていた。

みんなが外に行けば中に入り、
中に入れば外にでる。

とにかく人と関わるのが嫌いだった。
と、思い込んでいた。

子どもの頃…
本当は、人と関わりたかった。
どうやってコミニュケーションをとるのか
方法が分からなかっただけなのかも知れない。


そこから、イチゴイニシアチブのさゆりさんから
ご連絡を頂き、話が進んでいった。

様々な振袖と帯の写真を見せて頂き
泣きながら何度も写真を見た。

これを本当に着れる日がくるの??
何度も振袖を見てイメージしたが、
自分が着ている姿は想像できなかった。

「ブスは何を着ても似合わない!」
頭の中でまたいつもの症状がでる 笑

子どもの頃に外見をいじられいじめられた。
とにかく自尊心が低く自信がない。
なるべく目立たぬように、空気のように
生きてきた。


振袖は、悩みに悩み、ご好意で二枚の振袖を持って来て下さると言ってくださった。


当日、素敵な古民家カフェで撮影してくださると
聞いていたので、ソワソワドキドキしながら、
地下鉄に乗った。

どうしよう。
私が着たら笑われてしまうのではないか…
全く似合わなかったらどうしよう…

実は、ワクワクの裏では不安が溢れていた。

こんにちは…今日お世話になる
伊藤です。

カフェの引き戸を開けた。

みんな居るから、上、あがってー!

オーナーさんが笑顔で答えてくれた。

こんにちは。


楓ちゃーん!と皆様笑顔で迎えてくれた!!


実は、私は勝手な思い込みで
当日、何名か私と同じ様に育ってきた方が
他にも来るのかな?と思っていた。


見渡しても私しかいない。


私のためにこんなに多くの方々が
集まってくださったのか???

プチパニックになりながら、
掛けてある振袖を眺めた。


きちんと確認すれば良いのに、
自分のためだけに準備して下さったという
出来事に驚きすぎて、ニヤニヤが止まらない 笑


髪の毛を編んで、振袖を着せていただき、
あっという間に2階の窓際で写真をとり、
その後、庭に立っていた。


沢山の方々がカメラを向けて
優しい言葉が聞こえてくる。

号泣しそう。
化粧が落ちる 笑
涙をどうにか堪えた。


沢山の方々とお話をした。


お祝いの言葉に感動した。

暴力のない世界を初めて体験した。
それは、日常にありふれている時間の中で
初めての体験だった。

常に、人が集まれば、悪口がはじまり、
言い争いがはじまり、嫌味をいわれる。という
世界が日常的にあったので、とても
不思議な空気感だった。

わたしが求めていたのは「これだ!」
この、平和な空気感だ。

穏やかな人の言葉、人々の笑顔は
傷ついた心を癒す作用があることを体感した。

その空気感は、私が作ろう!と1人で頑張っても
出来るものではない。

その平和で穏やかな空気感を纏った方々が集まり
思いやりや優しさ、楽しみ、喜び、嬉しいと心から思えた時に、人間の持つ癒しのパワーの集合体だと思うのです。

継続する悲しみ、大きな絶望、様々な挫折を
体験したとしても、例え同じ人間に傷つけられたとしても、人は、人に癒され、互いに癒すことが出来ると言うことを体験しました。

お祝い

過去、この言葉は嫌いでした。

「お祝い」

今、この言葉が大好きになりました。


人を傷つける行為も自分の選択。
人を傷つけないと決めるのも自分の選択。

人を癒す
自分を癒す

過去を憎む
過去を赦す

自分を幸せにし大切にする
自分を不幸にし粗末に扱う

どれも自分の選択だということ。

私達は「選択する力」をもっている。
自分が「放棄」しない限りは
どんな環境にいたとしても

様々な選択ができる。


今回、振袖を着せて頂いたことは、
私の「特別な成功体験」になり
私の存在を多くの方々がお祝いして下さったことで、生きている実感が得られました。

多くの人の中でいつも感じていた「孤独感」
ひとりが好きだと言い張っていた子ども時代の
自分との感情の決別にもなりました。


私は人が大好きです。


平和な時間と、穏やかな空気感が大好きです。


暴力のない世界になりますように。
多くの方々と穏やかな空気感が共有できる
社会になりますように。


イチゴイニシアチブの皆様へ
本当にありがとうございました。
私の人生のひとつの出来事をお祝いして下さったことへ深く感謝致します。

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伊藤 楓

彼女は必死に戦ってる―イチゴイニシアチブから、お祝いを込めて。


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お気遣い、ご配慮、その場のみんなを包み込む空気、優しさ。。。
ご一緒させていただき、この取り組みが想像以上にすばらしいことであると、興奮し、心より感動いたしました。
楓さん、輝いていました。
お祝い初参加・久保まゆみ

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彼女は必死に戦ってる(闘う)
そう感じました。
ヘアメイクをスタートして、そう長く掛からないうちに語り始めたのは、骨折した時の状況や職員さんの話。もっとちゃんと聞ければ良かったけど、時間が押していたこともあり私の集中力は手の動きに。中途半端な会話になってしまったことを反省。
彼女は訴えていました。きっと心の中はまだまだ叫んでいるんだと思う。
彼女のnoteを読んで、今こうして書いていても涙がでてくる。
着物のレンタルがどのくらいかかるのかをお店を覗いて調べたら26万もしたと。
こんなかかるのにここまでしてくださってありがとうございます。本当に嬉しいですと。
そこに社交辞令は感じられなかった。
2枚の着物から1枚を選び仕上げて撮影に入った。
もう1枚も着せたいと思い、2枚目を仕上げた。
本当に嬉しい嬉しいと。
これまで何十人とお祝いのお支度をしたけれど、彼女は「皆さんで召し上がってください」と、お礼ののしを付けたヨックモックのクッキーの詰め合わせを持って来た。
イチゴ始まって以来のこと。
そこにも感動した。
一つ一つを噛み締めてる感じもした。
最後にね。
何度も死のうと思って生きてきて、でも生きてるとこうして良いこともあるんですよね。
こんなに沢山の人達に祝って貰って、こんなに素敵な機会を与えてくだって本当に幸せです。生きてて良かったと思えるんですって。
周りに怒ってる人がいると空気が悪くなる、でも笑ってる人がいると明るくなる。だから自分もなるべく明るくいようって、
ずっと下ばかり向いて顔を上げられなかったんです。でも最近やっと少し顔を上げられる様になったんですって。最後にそう言ってた。
ヘアメイク・イノイノ

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