見出し画像

Little dancer

前情報なく、鑑賞。
1984年のイギリスが舞台の映画。
ここから勝手に同じ時期に製作された映画だと思っていたら、
まさかの2000年製作の映画。
80年代の雰囲気が出過ぎていてびっくり。
車や外の風景もそうだけど、ウィルキンソン先生の雰囲気、
あのタバコを吸いながらの少しやさぐれた感じとか、
80年代な雰囲気が出てたなぁ。
不景気でどうにもならない閉塞感みたいな空気もうまく描かれていたいと思う。

80年代の映画にしては、劇中の色彩が明るく綺麗だと思ったので、
2000年代の作品と知って納得。
ジョジョラビットみたいに、インテリアもビリーの服も鮮やかな色が多かった。
カメラアングルも好みだった。
海を背景にビリーや父(!)が走るシーンもよかった。

母親を亡くし、おばあちゃんと父と兄と暮らすビリー。
父や兄は、ストライキに参加し、警察と衝突している。
父の指導するボクシングに通うも、そこに馴染めず、
同じ体育館で行われているバレエクラスに興味を持つ。

一度レッスンに参加し、興味を持ったビリーは、
継続してバレエに通うようになる。
家で内緒で練習をする様子が可愛らしかった。

ある日、父親に見つかり、もうレッスンに出ないように言われるビリーだが、
内緒でレッスンを受けることになる。
(観客は、いつ父親に見つかるのかとはらはらとビリーを見守ることになる。)

秘密のレッスンで、ビリーが好きなものを持ってきて、
母親の手紙を読み上げ、兄のカセットを聴きながら、
ウィルキンソン先生と楽しげに踊るシーンも印象的。

好きなことを続けたいけど、周囲に理解されず、もちろん経済的にも厳しい状況。
そんな閉塞感を打ち破るかのように全てを踊りで表現するビリー。

ビリーがバレエを踊ることに反対だった父がクリスマスにビリーの踊りも見て、
ビリーの才能に気づき、オーディションを受けさせようと応援し始める。
ダーラムに生まれ、炭鉱で働き、外の世界を知らない父。
ビリーの未来のために変わり始める父の様子に涙。

前半では、父と対立する構図が多かったビリーと父が、
お互いを理解していき、並んで座る構図が増え、
おばあちゃんの発言に怪訝そうに同じリアクションをとったり、
(正直、じわりと笑えるシーン)最後には、笑いあっている姿に安心。
これまでの映画に流れていた緊張から解放された気がした。

後半は涙無くしては観られず、
バスに乗り込むビリーに兄が声をかけるシーンには、
兄ちゃんやるじゃん!思わず、声にだしそうになった。

最後に劇中、印象的に使用された白鳥の湖が流れ出す演出とか、最高。

セクシュアリティやジェンダー、親子関係等が描かれていたけど
重くなりすぎ良いバランス。
変に偏見を持たないビリーの行動や言動に好感がもてた。

実話かなと思うくらいなリアルなストーリだった!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?