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高級レストランM

本鮪の買い付けで度々訪れていたララチェ(ララシュ)というモロッコの小さな漁村から車で北へ1時間ほどぶっ飛ばした所にタンジール(タンジェ)という大きな街がある。モロッコ最北部の空と海の玄関口でもあるその街は、ララチェとはかけ離れて都会的である。というよりもこの10数年の間に街は整備され見違えるほど綺麗になった。

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初めて訪れた2007年はまだ、あの不朽の超名作漫画『北斗の拳』でよく悪党に襲われる村さながらであった。1980年代から見た199X年の核の炎に包まれた後のあの世界は、進んでるんだか遅れてるんだか(写真が残ってないのが残念である)。。。

その荒野のごとき街の一等地にひときわ綺麗で凛としてそびえ立つ高級レストランが存在する(もちろんララチェにはない)。

そう。世界中どこにいても同じ味で我々を楽しましてくれるあの黄色と赤のハンバーガーショップ。

14年前に訪れた時は入り口に強面の警備員が仁王立ちしてボディチェックが行われた。ここまで厳重な警備をしているレストランはその町でも他に類を見ない。

時はそれから10年後の2017年。

スタート地点と新しい挑戦の記事でも触れたが、その出張でララチェ滞在2日目に盲腸を患い手術を受けることとなった。

そして、タンジールで久々に1泊してから帰国することにした。

その出張は私が初めて会社の後輩と同行した出張でもあったが、

私も後輩も無性にあの味を味わいたくなってしまったのである。

ホテルにチェックインするや否や、後輩とともにタクシーに乗り込んだ。

は良いが。。。運転手に行き先を伝えないといけない。

20世紀の古臭い英語教育しか受けてこなかった私の脳裏に英語教師のある言葉がフラッシュバックした。

「おいお前ら!アメリカでマクドナルドって言っても通じんぞ!

メァㇰダアーネルや!」ドヤッ!


しかも相手はモロッコ人、見るからに手強そうな相手である。

英語が堪能でない私は英語が得意な後輩に一任する手もあったが、

そんなダサい生き様は男の沽券に関わることなので、

私「メァㇰダアーネル。」

運転手「。。。?」

病み上がりのせいで声が小さかったのだろう。こんどは渾身の力を込めて

私「メァㇰダアーネル!!!」

運転手「???」

後輩よ。あとは任せた。

後輩「メァㇰダアーネル。」


運転手「おー、まっく。OK。」ブーン。。。


ウソやろ?


ご精読ありがとうございました。





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